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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

花言葉を君に

花言葉を君に


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャロン・ケンドリック(Sharon Kendrick)
 ウエストロンドン生まれ。写真家、看護師、オーストラリアの砂漠での救急車の運転手、改装した二階建てバスで料理をしながらのヨーロッパ巡りなど、多くの職業を経験する。それでも、作家がこれまでで最高の職業だと語る。医師の夫をモデルにすることもある小説のヒーロー作りの合間に、料理や読書、観劇、アメリカのウエストコースト・ミュージック、娘や息子との会話を楽しんでいる。

解説

 ■海よりも深いブルーの瞳に彼女は溺れそうになった。

 ■ロンドンの雑誌社で働くキャサリンは三年間つき合った恋人から別れを告げられ、ギリシアの美しい島へ傷心旅行にやってきた。黒髪に大きなグリーンの瞳、すらりとしたセクシーな体――そんな彼女が男性の称賛の視線を集めるのは珍しいことではない。けれど、その晩キャサリンに向けられた視線は特別だった。エーゲ海よりも深いブルーの瞳に幻惑され、キャサリンはためらいを押しやってフィン・ディレイニの夕食の誘いに応じる。この魅力的な男性とひとときを過ごしても罪にはならないはず。明日、私はイギリスに帰り、もう二度と会うこともないのだから。

抄録

「ここがあなたの住んでいるところなのね?」キャサリンはわかりきったことをきいていた。急に不安な気持ちになったのが声に表れてしまったかしら?
 初めて訪れたこのフラットで、ブルーの瞳のアイルランド男性と何をしようとしているの? ここを誘惑の舞台にでもするつもり? フィンが私を抱き寄せてキスするのを待っているの? 彼のキスは、私がいつも想像しているようにすばらしいキスかどうか確かめるために?
 それを望んでるんでしょう? キャサリンの頭の中で声がした。寒いはずなのに、胸がどきどきして頬が火照っているのはそのせいでしょう?
 フィンがほほ笑んだ。「眺めが気に入って、ここを買ったんだ」だが彼は窓の外の景色を眺めていない。
「わかるわ」キャサリンはごくりとつばをのみ込み、射るようなブルーの瞳から視線を引きはがした。
 外の広場にあるジョージ王朝風の建物がライトアップされている。暗くなりかけた空と上ったばかりの月の光を映しているリフィー川も見える。
「何か温かい飲み物を作ろうか?」フィンが優しい声で言った。
 彼女は笑みを浮かべた。「もう寒くないわ」
 フィンは広い部屋の四方の壁がどんどん迫ってくるような気がした。何かしないと、二人が後悔することをしてしまいそうだ。「じゃ、テラスに出よう。遠くまで見えるよ」彼は鉢植えをたくさん置いたテラスに出るドアを開けた。「今夜の月は大きい。王さまが使う大きな金の皿みたいだ」
 アイルランド人の男性は男らしく、それでいてロマンチックな言葉を口にできる。彼の言葉どおり、金色の大きな月が二人を照らしていた。「さわれそうなくらい近くに見えるわ」
「そうだね」キャサリンもさわれそうなくらい近くにいる。
 キャサリンは夜空の星に目を凝らし、遠く聞こえる都会の喧騒に耳を澄ました。フィンの視線が自分に注がれているのはわかっている。しばらくしてから、彼女はフィンのほうに顔を向けた。
「きれいね」
「ああ」彼女の体が震えるのを見て、フィンは眉をひそめた。「また寒くなったかい?」
「ええ、いえ、そんなことないわ」
「コーヒーをいれよう」だがキャサリンの震える唇を見たとたん、さっきから体の奥で高まっていた緊張が一気に頂点に達し、コーヒーをいれにキッチンへ行くことなどできなくなってしまった。高まる衝動をもう抑えられない。「でも、君が欲しいのはコーヒーじゃないよね、キャサリン?」そう言って、彼女をそっと引き寄せる。「そうだろう?」
 急にあたりがぼやけて見えたが、すぐにもとに戻った。「フィン! な、何をするつもり?」
 フィンは小さく笑った。そう言うだろうと思った。でも彼女の声に非難の響きがないのはわかった。「君が僕にしてほしいことをするんだよ。初めて会った瞬間から、君の大きなグリーンの瞳が僕に訴えていたことを」彼は急に激しく震えだしたキャサリンの唇にそっと唇を重ねた。
 彼女はフィンにもたれかかり、唇を開いた。まるでこのキスのために生まれてきたみたいな気がする。こんなキスは初めて──ピーターとのキスにさえ、こんなふうに感じたことはなかった。
「ああ、フィン。フィン・ディレイニ……」キスはさらに続いた。
 フィンは一瞬顔を上げ、キャサリンの表情を見て彼自身もぼうっとなった。シャンペンをひと息に飲み干したみたいだ。「君はキスされるために生まれてきたんだ、キャサリン」
「そうかしら?」キャサリンの声もうわずっている。
 フィンがリボンをほどくと、頭上の空のように黒い髪が揺れて肩に落ちた。「星空の下で、月明かりに肌を金色に輝かせながら愛し合うよう生まれてきたんだ」
「星空の下で愛し合ったことなんかないわ」キャサリンは素直に答えた。
 フィンはほほ笑んで彼女の手を取り、唇に運んだ。瞳の表情から気持ちは読み取れない。「ここは寒い。寝室からも星は見えるよ」
 キャサリンは同意した覚えはなかった。ただフィンに手を取られたまま、寝室に連れていかれた。
「ほら」フィンは星空の見える大きな窓を指さした。
「ロンドン・プラネタリウムみたい! あなたって幸せね」
「幸せだ」彼が星の話をしているのではないことを二人ともわかっていた。「そんなに離れてないで、キャサリン。こっちへおいで」
 彼の腕の中に向かいながら、キャサリンは一瞬、不安を覚えた。ブルーの瞳が熱を帯びて光っている。私はいったい何をしているの?
 フィンはドレスのファスナーを素早く下ろした。そんなことはこれまでに数えきれないほど経験してきたみたいに。きっとそうに違いない。
「恥ずかしがるべきなのかもしれないわね」
「でも恥ずかしくない?」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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