マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

完全なる結婚

完全なる結婚


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★4
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 ルーシー・モンロー(Lucy Monroe)
 アメリカ、オレゴン州出身。姉の影響でハーレクインのロマンス小説を読み始めた。大学在学中に“生涯でいちばんすてきな男性”と知り合って結婚し、子供が生まれてからは母親としての道を選んだ。十八歳の夏に家族で旅行に行ったヨーロッパが忘れられず、今も時間があれば旅行を楽しんでいる。

解説

 エンリコが交通事故で意識不明ですって? ジャンナは真夜中の電話を受けると、すぐさま病院に駆けつけた。十五歳のころから愛し続けてきた彼は、スーパーモデルと婚約してしまったけれど、この思いは変わらない。ジャンナは病院に泊まり込み、不眠不休で付き添った。必死の祈りが通じたのか、エンリコは五日目に意識を取り戻した。ほとんど見舞いに訪れない婚約者の代わりに、ジャンナは心をこめて看病を続けたが、彼の一言に衝撃を受ける。「ぼくの婚約者が見舞いに来る邪魔をしないでくれ」

抄録

「アンドレの話では、女の人の命を救ったんですって? つかまった強盗の犯罪記録には、あなたの腕の長さほど前科が並んでいて、そのほとんどは暴力がらみだったそうよ。すでに二人の女性を殺しているとか」アンドレはさらに教えてくれた。被害者の女性が病院へ礼を言いに来たが、リコは自分自身の警備担当者にジャンナ、弟、キアラ以外の見舞客はすべて断るように命じた、と。ジャンナはそのことも話したあとで、つけ加えた。「お礼を言われたくなかったんでしょう」
「礼など必要ない。僕は男だ。目をつぶって通り過ぎるなんて、できるわけがない」
「わたしに言わせれば、あなたは平均以上の男よ。英雄だわ」
 リコの目が少しばかりなごんだ。「キアラは、僕がこんなことになったのは自業自得だと思っている」リコは動かない脚を指差した。
 ジャンナは慌てて、かばうようにリコの腕に手を添えた。「いいえ、そんなふうに思ってはいけないわ。あなたは最高の男であろうとしたのよ。ひどい目に遭ったけれど、似た場面にでくわしたら、きっとまた同じことをするわ」
 リコに手を取られ、ジャンナはきのうのことを思い出した。肌の接触が引き起こしたすばらしい感触と、キアラを妬かせるために触れただけだと察したときの苦い気持ちの、両方を。
 ジャンナは手を引っこめてあとずさり、急いで言った。「長くここにいる気はないの」
「なぜだい? アンドレとホットな約束でも?」
「彼はディナーに連れていってくれるけれど、ホットな約束とは言えないと思うわ」
「弟に年上の女性としての過大な期待はかけないほうがいいよ。あいつはまだ身を固める気がない」
「結婚どころか、どんな期待もかけてないわ。彼がわたしといるのをいやがらないから、一緒に食事に行くだけよ」
「僕も君といるのをいやがっていない。ここで僕と一緒に食べればいい」
「どうしたの、リコ? キアラがモデルの仕事で忙しく、一緒に食事をしてくれないとか?」キアラを嫉妬させるために利用されたという思いにさいなまれ、ジャンナはいつもの彼女らしくない刺のある言い方をした。
「僕のフィアンセのことに口出しするな!」
 リコの険しい表情にジャンナの怒りはたちまち消えた。悪いことを言ってしまった、と彼女は悔やんだ。今、ようやくわかった。彼の怒りはひそかな苦悩の現れだったのだ。
「アンドレに電話をかけて頼んでもいいけれど。夕食の食べ物を買ってきてって」
「僕がかけるよ」リコはアンドレにテンポのよいイタリア語でまくしたて、手はずを整えてから電話を切った。
「アンドレに君の部屋を別に取るように言った」
「聞いていたわ。でも、その必要はないの。泊まるのはあとひと晩だけだから、わたしの自制心とアンドレの貞節はきっと守られるわ」
「君がアンドレを襲うとは言っていない」
「わたしみたいな年上の女が、アンドレのようにマッチョなイタリア人男性を教会の祭壇に連れていくには、ほかにどうすればいいわけ?」
「どうして、あとひと晩だけなんだ?」
「明日、家に帰るからよ」
「なぜ帰る? 僕はまだ回復していない。僕がもうすぐ退院できるように見えるかい?」
「わたしがここにいて、あなたの手を握ってあげる必要はないわ。アンドレやキアラがいるんですもの。それに、あなたのフィアンセはわたしが邪魔なようだし」
「君はキアラの代理として、まる五日間僕に付き添ったわけじゃあるまい」
 つまりリコは、わたしが寝ずの看病をしたことを知っているのね。おそらく、わたしがどんなに彼を愛しているかにも気づいている。だからこそ、ここを離れなければ……。キアラの意地悪な言葉によって徹底的に痛めつけられたプライドを、これ以上傷つけられるのは耐えられない。
「あなたはもう元気よ」
 リコが手を伸ばし、手首をつかんでジャンナを引き寄せた。表情は真剣で、手首をつかむ力は青あざができるほど強い。「まだだめだ。歩けない」
「でも、いずれ歩けるようになるわ」
「君はそれを信じ、僕も信じている。だが、アンドレとキアラは違う」
「二人が間違っていることを、身をもって証明するしかないわね」
「ひとりではいやだ。君がここにいて、僕を信じてくれる必要がある」
 ジャンナはリコの言葉に、気が遠くなるほどのショックを受けた。「わたしが必要なの?」
「ここにいるんだ!」
 精神的な支えを求めるというより、傲慢な命令に近かった。しかし、彼にとってそれを口にするのがどんなに難しかったかよくわかるだけに、ジャンナは断れなかった。「わかったわ」
 リコはほほ笑み、感謝のキスを求めてジャンナをさらに引き寄せた。
 その程度のことはジャンナも予測していたものの、彼がキスをしたのは頬ではなく、唇だった。唇が触れ合った瞬間、ジャンナは世界が静止した気がした。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。