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女神の結婚 愛を運ぶ絵 II

女神の結婚 愛を運ぶ絵 II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス愛を運ぶ絵
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 ロビン・ドナルド(Robyn Donald)
 ニュージーランド北部の牧場主の家に、一男五女の長女として生まれた。十五歳で師範学校に学び、十九歳で結婚、同時に小学校の教師となる。子育てを終えて一時休んでいた教職に戻り、かたわら執筆を始めた。蘭の花が咲き、キウイやオレンジの実る美しい北部の村に住む。

解説

 ■この男性は私に会いに来たという。でも、その本当の理由はなんだろう?

 ■ダイビング・ツアー会社を経営するいとこに頼まれ、アネットは南太平洋の小さな島でしばらく働くことになった。数年前、彼女は婚約者から一方的に別れを告げられ、自分の容姿にすっかり自信を失っていた。ある日、観光客を乗せて船を出そうとしていた彼女の前に、長身でたくましい体つきのハンサムな男性が現れた。いとこの友人で、元ジャーナリストのルーカス・トレメインだ。知り合いから預かった誕生日の贈り物を彼女に渡しに来たという。その翌日、いとこがどうしても島を離れなければならなくなり、ツアー会社の運営を任された二人は一緒に暮らすはめになってしまう。彼のように魅力的な男性が、私に興味を持つはずがないわ。アネットは、ルーカスに惹かれていく自分を懸命に抑えつけるが……。

抄録

「コーヒーを頼んでおいたよ」席に戻ると、ルーカスが言った。「それを飲んだら帰ろう。きみはぐっすり眠る必要がありそうだ」
 アネットはコーヒーを味わうことなく喉に流しこんだ。それからルーカスと一緒に夜の闇のなかへ出ていった。空気には甘く官能的な南国の花の香りが漂い、魅惑的な雰囲気を感じさせる。
 動揺を引きずったままアネットはぼんやりと歩道から足を踏みだし、マイクロバスが進んでくる車道のまんなかに出ていった。
 甲高いブレーキ音と同時に背後から叫び声がして、アネットははっとわれに返った。とっさに飛びのこうとしたとき、ルーカスの鋼のような手に腕をつかまれた。無意識のうちに、あいているほうの手を彼の首にからませると、ルーカスがたくましい体に彼女をぎゅっと抱きしめた。彼が語気荒くののしるのが聞こえて、アネットは恐ろしくなった。
 身をよじって逃れようとしたが、ルーカスは彼女を抱いたまま放そうとしない。かすかにムスクの香りがするさわやかな男性的なにおいを感じて、アネットの体中の神経が研ぎ澄まされた。
「あ、ありがとう」束縛から逃れようとしながら彼女はつぶやいた。
 ルーカスの腕に力がこもった。「いったいどういうつもりなんだ?」
「バスが目に入らなかったのよ」アネットは弱々しく答えた。こんなに苦もなく抱きしめられているなんて屈辱的だ。わたしは腕力だけが頼りなのに、それがこの人にはまるで通じない。「もう大丈夫」落ち着きをとり戻したふりを装った。「放してちょうだい、ルーカス」
 だが彼が腕をほどくと、暑くじっとりした空気のなかで身震いが走った。胸は早鐘を打ち、口のなかはからからに乾いている。まるで手の届かない楽園を垣間見たあとのようだ。
「もう少しで死ぬところだったんだぞ」ルーカスはアネットの腕をとり、大股に歩きだした。
「どこからともなく急にバスが現れたような気がして」自分でも声がかすれているのがわかる。「ああ、運転していた人は肝を冷やしたでしょうね。わたしみたいに大きな女が突然、目の前に現れて」
「きみは自分の体の大きさをずいぶん気にしているようだね」ルーカスの口調はまだ威嚇するようにぶっきらぼうだった。
「現実主義なだけよ」アネットは腕を引き抜こうとしたが、ルーカスには手を離すつもりなどないようだ。「わたしはたいていの女の人よりずっと大きいし、わたしより小さい男性も少なくないわ」
 ややとげとげしい口調が彼の注意を引いたに違いない。「そのせいで、自信に欠ける男たちからつらい思いをさせられてきたんだろうね」
「別に気にするほどじゃなかったわ」
 二人は車にたどり着いた。
 ルーカスはドアをあけ、片手でそれを支えたまま言った。「さあ、乗って」
 シートベルトを締めながら、アネットは車の前をまわっていくルーカスを伏し目がちに見た。彼には本当に圧倒的な魅力がある。わたしは激しい欲望をかきたてられてしまった。そんな欲望が体の内にひそんでいたこと自体、不思議でならないけれど。なんとかしなければ。わたしの気持を知ったら、ルーカスはきっと驚くに違いない。彼が当惑するところなど想像もつかないが、こんな救いようのない感情を抱えたわたしをきっと哀れに思うだろう。
 家に戻ると、留守番電話にスコットからのメッセージが残されていた。セリーナの母は少し容態がよくなったものの、回復には時間がかかるようだ。ルーカスに大事な予定がなければいいのだが、とスコットは心配していた。
「でも、あなたには仕事が」テープを巻き戻しながらアネットはルーカスに言った。
「友達より大事なものなんてないさ。だからぼくを頼ってくれてかまわないよ」
 寝る支度をしながら、アネットはスコットとセリーナのことを考えた。二人のためには緊急時にルーカスがいてくれたことを喜ぶべきなのだろう。
 化粧台の引き出しをあけたとき、例の細密画が入った箱が目にとまった。アネットは注意深く絵をとりだし、自分の力強い顔つきとはまったく異なる笑顔を見つめた。
「あなたは恋愛で苦労することなんて全然なかったんでしょうね、ジャンと同じように」
 ジャンは小柄で、この絵の女性と同じくらい繊細で美しい顔をしている。わたしとジャンが並んだところは、セントバーナードとシャム猫みたいに見えるに違いない。でも、ジャンはいつも妹のわたしを誇りに思ってくれている。
「あなたとジャンには共通点がいっぱいあるみたい。あなたが誰なのか知りたいわ……」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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