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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・スペシャル・エディション

危険な報酬 愛を知らない男たち

危険な報酬 愛を知らない男たち


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・スペシャル・エディション愛を知らない男たち
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★1
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著者プロフィール

 スーザン・マレリー(Susan Mallery)
 USAトゥデイ紙や大型書店などのベストセラーリストの常連で、ユーモアと情感あれるロマンスで根強いファンを獲得。その作品数は百作以上にもおよぶ。雨の多さばかりが大げさな話題となり、締め切り前になるとお世話になる大量のコーヒーでも有名な土地ワシントン州に居を構える。最近は刊行される作品が着実に売り上げを伸ばし、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストにも登場。多くの読者から支持を得る人気作家となっている。

解説

 護身術のインストラクター、D・J・モンローは、軍主催の模擬戦闘訓練に参加し、敵を一人捕らえた。だがクインと名乗る捕虜の男性は不敵な態度でD・Jを見下す。森で夜を明かすことになっても非協力的で、おとなしくするという条件でキスまで求めてきた。なんて図々しい! そう憤慨しつつも思わず唇を重ねてしまう。翌朝目覚めると、彼はいましめを解いて姿を消していた。屈辱をこらえ、D・Jはクインを捜し出し技能を教えるよう迫る。自尊心を犠牲にしても強くなりたい事情があるのだ。だがにべもなく拒否され、彼女は最後の手段に訴えた。「教えてもらう代わりに、わたしの体をあげるわ」

抄録

「恥ずかしいのか?」楽しそうにクインが言った。
 D・Jは無視して彼の近くにからだをのばした。今までに男性とベッドをともにしたことはあるが、ひと晩じゅう一緒に過ごしたことはなかった。セックスのあとでぐっすり眠るなど絶対にいやだったのだ。もちろん、クインは恋人ではない。捕虜だ。力関係が違う。
「枕がほしいな」クインが言った。
「いいわ」
 D・Jはバックパックをつかんで、クインの頭の下に押しこんだ。彼がほほえんだ。
「ありがとう」
「どういたしまして。さあ、もう寝て」D・Jが手をのばしてランタンを消そうとすると、クインがまた口を開いた。
「腕が痛くて眠れないよ」
 D・Jはクインをにらみつけた。
「ロープはほどかないわ。お行儀よくしていると約束するなら、本部まで連れていってあげるけど」
 クインの口の端があがった。「行儀よくしたことがないんだ」
「そう聞いても驚かないわ」
 D・Jは背後に手をのばしてランタンを消し、クインにからだを寄せた。どういうわけかクインも動いていたらしく、頭をさげると彼の肩にもたれる格好になった。
 D・Jはとっさに逃げだしたくなったが、動揺を悟られたくなかったので、そのまま動かずにじっとしていた。数分もすると、不安は徐々に薄れていった。クインはしばられているのだ。わたしは安全だ。
 D・Jは息づかいを静めることに意識を集中させた。しばらくして、男らしいクインの香りに気がついた。彼の体温を感じとると、彼女は緊張がほぐれるのを感じた。
「おやすみのキスはしてもらえないのかな?」クインが暗闇のなかで口を開いた。
 D・Jはぱっと目を見開き、闇を見つめた。キスですって?「だめよ」
 クインがくっくっという音をたてた。D・Jは一瞬考えて、臆病だと非難するために鶏《チキン》の鳴きまねをしたらしいと気づいた。
「上手ね」彼女は言った。
「きみはその気になっている」クインが言った。「でも臆病になっているんだ。いいさ。気持はよくわかるよ。ぼくがハンサムでたくましいから、夢中になってしまうのが怖いんだろう。だが心配はいらないよ。ぼくはやさしいから」
「あがいても無駄よ」
「きみはチャンスを逃すことになるんだぞ」クインが言った。「ロープをほどく必要もない。ぼくにただキスをすればいいんだ。ぼくは気にしないよ」
「黙って寝なさい」
 クインはため息をついた。「一度だけでいいのに」
「だめよ」
「舌はなしでもいい」
「わざわざ教えてくれてありがとう」
「さあ。きみだってキスをしたいはずだ。時間はかからないよ。そうすればふたりとも眠れる」
 クインの言っていることがとんでもないとわかっていながら、D・Jはランタンに手をのばし、スイッチを入れた。
「あなたには本当にいらいらさせられるわ」
 クインが魚のまねでもするように唇をすぼめてみせた。D・Jは笑いをこらえることができなかった。
 たくましくて危険で、おそらくは人の命をねらう訓練を受けているような男性がわたしを笑わせたのだ。いったいどうなってしまったのだろう?
 D・Jはため息をついた。「静かに眠ると約束して。会話もお願いもこれ以上なしよ」
「胸に手をあてて誓いたいところだが、今はちょっとしばられているものでね」
「それはイエスということ?」
「イエス」
 D・Jはからだを寄せた。一度だけよ。ただ軽くキスをしておやすみを言うだけ。なんの意味もない。意味があるわけがないわ。彼を黙らせるためにするのよ。別に興味があるからではない。
 唇がかすかに触れあった。指先がクインの唇をかすめたときと同じ熱いほとばしりがD・Jのからだをかけめぐり、下腹部がこわばった。彼女はクインが積極的に反応してくるだろうと身がまえたが、彼は動かなかった。呼吸をしているのかどうかもわからない。
 ゆっくりと、D・Jは少し強めに唇を押しつけた。キスを深めるつもりはなかったが、終わらせようとも思わなかった。あたたかいものがからだじゅうに押し寄せる。頭がぼんやりし、からだから力がぬけた。わたしは……。
 まさに親密な触れあいを楽しんでいることに気づいて、パニックが押し寄せてきた。衝動も欲望も欲求も、あまりにも危険だ。危険すぎるのだ。D・Jにはよくわかっていた。これまでずっと思い知らされてきたのだから。
 だが、動揺しているとクインに知られたくなかった。D・Jはあわてて顔を離したりはせず、ゆっくりとキスを終わらせて目を開けた。
 辛辣な言葉が返ってくるだろうと覚悟したが、クインはほほえんだだけだった。勝ち誇った表情ではなく、ふたりが親密なひとときを分かちあえたことに満足しているような笑みを浮かべている。
 違うわ。ランタンを消し、防水シートに横たわりながらD・Jは思った。ふたりはキスをした。だからなんだというの? みんなキスぐらいしているわ。なんの意味もないキスよ。絶対に。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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