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祝福のシャンパン テキサスの恋 2

祝福のシャンパン テキサスの恋 2


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクインSP文庫テキサスの恋
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

 シェルビーは大牧場主の娘としてなに不自由なく育った。だが父が借金を残したまま亡くなったため、屋敷を手放さなければならなくなる。競売人たちが屋敷に押しよせた日、いまは古ぼけたアパートに住んでいるシェルビーのもとをかつての婚約者ジャスティン・バレンジャーが訪ねてきた。「こんなひどいところで暮らしているなんて……」彼の冷ややかな態度に、シェルビーは思わず身震いした。六年前のわたしのことを、まだ許してくれないのね。

抄録

 ジャスティンの怒りは夕食のあいだもいっこうにおさまらなかった。彼はテーブルの向こう側に座ったまま、むっつりと黙りこんでいる。なにを言ってもけんかになりそうで、シェルビーは話しかけることもできなかった。
 しばらくして、ジャスティンがひと言も言わずに出ていくと、シェルビーはがっくりと肩を落とした。彼に抱きついて、ほんとうのことを打ちあけられたらいいのに……。
 いつまでもくよくよしていたってしようがないわ。もしわたしがひと晩中おとなしくしていると思ってるなら大間違いよ。そうじゃないことをわからせてあげるわ。
 シェルビーはバッグをつかむと、車に向かった。運転席に乗りこみ、エンジンをかける。小気味いい回転音に、胸がすっとする。スポーツカーは轟音をとどろかせて屋敷を走り去った。このスピード感がたまらなく気持ちいい。だれにもじゃまされない解放感はなにものにもかえがたい。
 わたしはどうしてジャスティンと結婚してしまったんだろう。うまくいくはずがないのに。考えが甘かったんだわ。このみじめさはだれのせいでもない、みんな自分のせいだ。
 もの思いにふけっていた彼女は赤信号に気がつかなかった。巨大な輸送トラックがものすごいスピードで突進してくるのを見て、背筋が凍りつく。相手が信号を横切る前に走りぬけるのは無理だろう。急ブレーキをかけたとしても、事故はまぬがれないにちがいない。
 一瞬、死が頭をよぎる。シェルビーは必死の思いでブレーキを踏んだ。車はこまのようにスピンして、タイヤのきしむ音が夕暮の静寂を破った。空がぐるぐるとまわっている。恐怖に、シェルビーの顔が引きつった。
 車はくるくるまわりながら路肩の溝にはまった。横転しなかったのが不思議なくらいだ。シェルビーはからだがふるえるのをどうすることもできなかった。めまいと吐き気がするが、どうやらけがはなかったようだ。
 車が急ブレーキをかけてとまる音がした。ドアがあき、だれかが走ってくる。そして、悲痛な叫び声が聞こえた。
「シェルビー!」その顔には見覚えがあるような気がした。「答えるんだ、シェルビー、大丈夫か?」喉をつまらせたようなしゃがれた声は怒っているようにも聞こえる。
 たくましい日焼けした手がシートベルトをもぎとった。その手が、どこかけがはないかとやさしくシェルビーのからだを探っている。
「痛むところはないか? 頼むよ、シェルビー、答えてくれ」
「ええ、大丈夫よ」シェルビーはぼんやりとつぶやいた。
「さあ、落ちついて」ジャスティンは身をかがめてシェルビーのわきの下に慎重に手を入れ、彼女を抱えあげて車から出した。
 トラックの運転手が車からおりて走ってきたが、ジャスティンは気がつかなかった。彼女のことだけで頭はいっぱいだ。
 激しいショックでぼうっとなったシェルビーにもようやく事態がのみこめてきた。ジャスティンの顔が目の前にある。顔面蒼白で、目だけが異様に光っている。両腕にシェルビーを抱えたまま、彼は心配そうにじっと見おろしていた。
「ばかなやつだ……」声がかすれている。
 シェルビーは、いま目の前にいるジャスティンの恐怖におびえた瞳を生きているかぎり忘れないだろうと思った。
「大丈夫よ、ジャスティン」彼を安心させたくて、やさしく言う。彼がふるえているのに気がついて、シェルビーははっとなった。こんなに動揺した彼を見るのははじめてだ。「わたしは大丈夫よ」
 一瞬、ジャスティンの瞳にもろさを見たような気がした。シェルビーは指をのばして、彼の唇にふれた。
「ダーリン、わたしは大丈夫よ。ほんとうよ!」
 シェルビーが彼の唇に唇をそっと押しつける。たとえショックゆえの出来事だったとしても、自分からキスしたことなどなかった。それを黙って受け入れてくれた彼の反応がたまらなくうれしかった。
 彼女はしばらくのあいだその新鮮な驚きを楽しんでいた。もっと激しいくちづけを求めてからだがうずく。彼女のうめき声に、ジャスティンはわれに返り、さらにきつく抱きしめてむさぼるように唇を奪った。
 トラックの運転手がふたりのもとにかけ寄ってきたのに気づいて、ジャスティンはしぶしぶ唇をはなした。
「大丈夫かい?」息を切らせながら男がたずねる。「ああ、なんてことだ、おれはほんとうに人を殺しちまったかと思ったよ……」
「彼女は大丈夫だ」ジャスティンがそっけなく答えた。
 運転手は安堵のため息をもらした。「まったく、お嬢さん、あんたのハンドルさばきはたいしたもんだ。もしうろたえてハンドルから手をはなしてたら、いまごろあんたはおだぶつだよ。おれは危うく刑務所行きになるところだった」
「ごめんなさい」シェルビーの目に涙がこみあげてきた。危機一髪のところを救われたという思いと、ジャスティンの情熱的な唇が押しつけられたうれしさに、心が乱れていた。「ほんとうにごめんなさい。ぼんやりしていたものだから」
 若い赤毛の運転手は大きく息をついた。「ほんとうになんともないんだね?」
「ええ、大丈夫」シェルビーは無理に笑みを浮かべてみせた。「ほんとうにごめんなさい。あなたが悪いんじゃないわ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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