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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・アシュトンズ

熱き週末

熱き週末


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・アシュトンズ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャシー・ディノスキー(Kathie DeNosky)
 ウォールデンブックスのベストセラーリストにもたびたび登場する人気作家。イリノイ州南部に夫と三人の子供たちと住む。ティーンエイジャーのころからロマンス小説を読んでいたが、自分で書き始めたのは、一番下の子供が学校に通い始めてからだという。作家になる以前は絵画教師をしていた。今では絵筆を鉛筆に持ち替え、物語を描くことが気に入っている。

解説

 獣医の学位を取得したばかりのアビーは、休暇もかねてナパ・バレーのアシュトン家に滞在していた。怪我をした馬の手当てをしたのがきっかけで、ワイナリーで働くラスと親しくなる。たくましい彼に心惹かれつつも、すぐに帰郷する身で恋などしてはいけないと、アビーは自分を戒めていた。だがある日、ラスはセクシーな笑顔で、週末一緒に出かけようと誘ってきた。

抄録

「居間で座って待とう」ラスはこぢんまりした居間へアビーを案内した。「停電はすぐ復旧すると思うから」
 少なくともラスは、すぐに復旧することを願っていた。ろうそくの炎がロマンチックに揺らめく中、美しい女性と並んでソファに座ることが、ラスの欲望に好ましい影響を与えるとは思えなかったからだ。
「停電には慣れているから大丈夫よ」アビーは彼の隣に腰を下ろした。「冬は寒さで電線が切れてしまうし、春と夏は暴風雨の影響で電線がちぎれてしまうの」
「このあたりでは、停電は珍しいんだ」ラスは後悔していた。いったい自分は何を考えてアビーを夕食に誘ったりしたのだろう? どう考えても、天候の話題が長続きするとは思えない。そして、そのあとはどうする? ラスの頭にいくつかの考えが浮かぶには浮かんだが、そのどれもが、彼女を腕に抱いてすることばかりだった。
 なんてざまだ! 彼女には手を触れないという約束が、いずれ自分で自分の首を絞める結果になることくらい、わかってもよさそうなものなのに。
「次にロデオに出場するのはいつ?」アビーの声が、ラスのもやもやした思いを破った。
「この週末に、ワイルド・ホース・フラッツのロデオに出る」ラスは肩をすくめた。「ここから南に五百六十キロほど行ったところで行われる小さな大会だ。でもぼくは、この大会ではいつもけっこういい成績が出せるんだ」
 アビーがにっこり笑い、例によってラスの心臓が早鐘を打ち始めた。「ロデオは小さな大会のほうが面白いこともあるものね」
「きみもロデオが好きなのかい?」
 アビーはうなずいた。「高校時代は、クローリー近辺のロデオで、バレル・レーシングによく出たわ。フォードもカーフ・ローピングに出場したことがあるのよ」
 ラスは彼女の背後のソファの背に腕をのせようとして、あわてて腿の上に戻した。さっきのいまいましい約束を破ろうとしているとアビーに思われるかもしれないからだ。
「もうロデオには出ないのかい?」
「獣医の資格を早く取るために夏休み返上で単位を取るか、楽しく遊ぶかの選択を迫られて、勉強のほうを選んだから」アビーは妙な目つきでラスを見た。「ところでさっきのあれは、わたしの肩に手をまわそうとしていたの?」
 ラスはせき払いをした。「実を言うと、ソファの背に腕をのせようと思ったんだが……」
 アビーは驚いて目を見開いた。「本当に指一本、わたしに触れないつもりなの?」
「まあ、そうだ」
 たとえ死ぬほどつらかろうと自分の言ったことは守るつもりだった。だが、アビーがすぐ隣に座っている今、ラスは本当に死にそうな気分だった。
「そうかしら」アビーは彼のほうを向いて座り直した。「本当に、わたしにキス一つしないつもり?」
 ラスはうなずいた。「約束したからね。きみがそうしてほしいと言わない限り、きみに手を触れたりはしない」
 アビーはじっとラスを見つめた。心臓があらん限りの激しさで打っている。本当にわたしはその約束を破ってほしいと思っているのかしら? それを彼に伝えるだけの勇気はある?
 アビーは今日の午後ずっと、ラスに言われたことを考えていた。確かにラスの言うとおり、アビーは母とは違う人間だし、まるで似ていない。
 グレース・アシュトンはただ快楽だけを追い求める、自分勝手で意志の弱い人間だった。だがその娘アビーは、人生を自力で切り開こうとしている、強い女性だ。彼女は今、自分の本能を信じて、自分が何を本当に求めているかを決めようとしていた。今アビーが求めているのは、ラスに抱き締めてもらうこと、そして、今まで経験したことのない、あのめくるめくようなキスをしてもらうことだ。
 でも、あのいまいましい約束のおかげで、気まずさをこらえて、自分からなんらかの行動を起こさなければならない――キスしてとラスに頼むか、自分のほうからキスするかしなければ。
 言葉より行動のほうが雄弁に違いない。そう思ったアビーは、胸をどきどきさせながら身を乗り出して、ラスの唇に唇を重ねた。こんなことをしたのは二十四年の人生で初めてだった。だが、ラスの温かく男らしい唇をそっとかんだとき、それがたまらなく心躍り、しかも解放的な経験であることがわかった。
 ラスが悩ましいうめき声をあげ、彼女のほうに身を寄せてきたので、アビーはてっきり彼に抱き寄せられ、彼のリードでこの先へ進むものと思った。だがラスはキスを返す以外のことは何もせず、じっと座っているだけだった。どうやらラスは、アビーがはっきり言葉にして要求するまで待っているつもりらしい。
 アビーが体を離すと、ラスの両手が固くこぶしに握られているのが目に入った。ラスも彼女を抱き締めたくてたまらないに違いない。それでも、彼女の口から頼むまでは、積極的に動いてくれそうになかった。
「ラス?」
「なんだい、アビー?」ラスは目を閉じたまま、息をするのも苦しそうな声で言った。
「わたしにさわってくれる?」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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