マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションホラーホラー小説

マリオ・ゲーム2

マリオ・ゲーム2


発行: キリック
シリーズ: マリオ・ゲーム
価格:100pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆2
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 青山 祐(あおやま たすく)
 短編集『殺人鬼は眠らない』で、電子書籍小説デビュー。現在、ソフトウェア会社に勤務する兼業作家。

解説

 突然の事故で両親を亡くした中学生の始《はじめ》は、施設への入所を市の相談員に勧められる。だが施設にも空きは少なく、応じれば小学生の妹・終《つい》と離ればなれに。お金も身寄りもない始が「何でもします」と懇願すると、その相談員は告げた。
「なら、ゲームに参加してもらおうかねえ」
 否応なく会場に足を運ぶ始。そこで彼を待っていたのは、「マリオ」と呼ばれる他人の命を弄ぶ、悪夢のようなゲームだった……。

 絵ノベルで話題の短編スラッシュホラー『マリオ・ゲーム』の続編小説が、前作を凌ぐ血臭濃度で登場!

抄録

 『では、第一ゲームの準備を進めましょう。アイテムの登場です』
 まだ何かあるのか。
 機械音声に応じて正面のシャッターが開いていく。昼の日差しに照らされて姿を現したそれは、あまりに凶悪な容貌をしていた。
 ギロチン台。いつかテレビで見たことがある。罪人の首をすみやかに刎ねるための処刑具。それが三台、シャッターの前に並んでいる。
 開いたままのシャッターに駆け出す者はいなかった。白服はおそらく全員銃を携帯している。逃げ出そうとしてもすぐに撃たれてしまう。それになにより、シャッター前のギロチン台の威容に誰もが目を奪われていた。
 ギロチン台はキャスター付きらしく、白服に押されてホール内に運ばれた。設置が終わるとすぐにシャッターは閉じられた。
『中世で処刑に使用されていたギロチンのレプリカです』
 機械音声が言った。
『レプリカですが刃は特殊セラミック製なので、切れ味は本物よりも数段上です。それでは、ちょっと試してみましょうか』
 えっ。試すって何をだ。
 これから何が起こるのか始は予測できたが、脳がその現実の受け入れを拒絶していた。
 二人の白服が素早く動き足を撃たれて動けない者たちに向かう。一人の両腕を掴み強引に引きずっていく。二十代前半ほどの若い男だった。
「嘘だろ。おい、やめろっ。助けて。誰か、助けてくれえっ」
 ギロチン台へと連行されていく男が周囲に助けを求める。だが、救いの手はどこからも伸びなかった。男と目が合った者は顔をそらすか呆然と眺めているだけだった。
 男はギロチン台に頭を押しつけられたあと、木枠で固定された。
「嫌だ。嫌だ。嫌だ。何で俺なんだクソがっ。死にたくない死にたくなふべあっ」
 落とされたセラミックの刃があっさりと男の首を刎ね飛ばした。切り口から血が噴き出す。前の床二メートルほどが真っ赤に染まる。男の頭は刃が斜めに入るギロチンの造りのせいか横にゴロリと三回ほど転がったあと、上を向いて断末魔の表情をまざまざと見せつける。男の手足は首を失ってもピクピクと痙攣を繰り返していた。役目を終えたギロチンの刃は、次の出番がくるのを待つため、スウッと自動的に上に戻った。
『素晴らしい。素晴らしい』
 機械音声の向こうからパチパチと歪んだ拍手の音が鳴った。
『さて、デモンストレーションも終わったところで、そろそろ本番に行きましょうか。はい矢吹始さん、数字を言ってください。矢吹さん』
「え」
 止まっていた始の思考が古いゼンマイ時計のようにゆっくりと動き出した。
 何が起こっているんだっけ。
 自分のこともこの場所のことも現在の状況も何もかも頭の引き出しの中にきっちりと仕舞われてしまったようで、思い出すのに時間がかかる。
『矢吹さん、数字です。一から三までの数字のうち何にしますか』
「じゃあ、三で」
 言葉が無意識に、勝手に口をついて出た。だがその結果はあまりにも迅速だった。
『執行します』
 その機械音声が合図となった。悲鳴。ホールの中で蝋人形のように凍りついていた人間たちがいっせいに動きはじめた。
 ある者は恐慌を起こし白服に突撃して警棒で殴り倒された。ある者は落ちた首を見たままブツブツとつぶやきを繰り返した。ある者は狂ったように笑いだした。
 しかしほとんどの者はまず悲鳴をあげた。その後、半数は命乞いを始める。
 助けてください。簡単なゲームと聞いてきただけなんです。何でもします。だから助けてください。助けてください。
 そんな中、六人の白服が無情に動く。白服たちはいずれも屈強な体躯の持ち主だった。手近にいた人間をあっさりと三人捕えると、なんなくギロチンへと引きずっていき、頭をセット。スイッチを押せばあっという間に刃が落ちて処刑完了。その間わずか三十秒ほどの出来事だった。
 転がる首は四つになった。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。