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銀色のスポットライト テキサスの恋 4

銀色のスポットライト テキサスの恋 4


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクインSP文庫テキサスの恋
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

 アマンダは深い失意のなか、ワイオミングにあるコテージに向かって車を走らせていた。人気ロックバンドのボーカリストである彼女は、ある日突然ステージで声が出なくなり、叔母のすすめで静養にやってきたのだ。目的地の近くで出くわしたのは、牛の世話をする長身の男。アマンダは男にコテージへの道をたずねたが、その瞬間、彼は体をこわばらせ、冷たい目でこちらを見た。底知れぬ敵意のようなものを感じ、アマンダは当惑する。

抄録

 アマンダの額に息がかかる。クインの顔がさらに近づいたらしい。彼はとても背が高かった。そんな彼がすぐそばにいると、自分がひどく華奢に思える。そして女性だということを強く意識させられた。
「子牛のことは残念だけど、毎年冬には二、三頭の子牛が死ぬんだよ。アマンダ、これも牧場の生活の一部なのさ」
 クインが自分の名前を口にしたのが意外で、アマンダは顔をあげた。そして、彼の黒く静かな瞳を探るように見つめる。
「そうね。あんなにとり乱しちゃいけなかったんだわ。男の人って、女性みたいにうろたえたりはしないんでしょ?」
「きみは、ぼくがどんな男だか知らないんだな」クインの両手はかすかにふるえていた。「ぼくだってものすごくつらいのさ。幼い動物たちは無力だからな」
 アマンダのまなざしがやわらかくなる。こんなふうに話しているときのクインはまるで別人のように思える。彼はとてもやさしくて、傷つきやすくて、しかも孤独に見える。
「ぼくのこと、ほんとうに怖がっていないかい?」
「もちろんよ」アマンダは微笑んだ。「あのときのことを思いだすと恥ずかしくなるわ。今は、あなたがわたしを傷つけたりしないことがわかっているもの」と言って、そっと息を吸いこむ。「あなたは、わたしがここにいることに腹をたてていたのよね。わたしもあなたに守ってもらわなければならないことがおもしろくなかったの。でも、もうじき雪解けになるわ、そうしたら、すぐにでも出ていくから」
「きみには大勢の恋人がいると思ってたんだよ。きみの態度も……そう思わせたし」
「あれは全部、見せかけよ。なぜあんなふうにふるまったのか、自分でもよくわからないわ。もしかしたら、あなたが描いているイメージに合わせてみたかったのかもしれないわね」
 アマンダの黒い瞳がきらめく。クインは彼女の腕をつかんだ手に、無意識のうちに力を入れていた。
「きみはほんとうに、これまで恋人がいたことはないの?」かすれた声で尋ねる。
「え、ええ、ないわ」アマンダは口ごもりながら答えた。
「そんなはずないだろう?」
「どういう意味?」
「きみは美人だ。そんなにきれいな顔をしてたら、男たちがほうっておかないと思ってさ」
「どうかしら。でもこれまで、男の人とつきあいたいと思ったことは一度もないわ。男性に頼って生きていくのなんて、まっぴらだと思ってたのよ。わたし、ミュージシャンなの。キーボードを演奏して生計をたててるのよ」
「そうだってね、エリオットから聞いたよ。きみがエリオットに演奏してるのを聞いたことがある。なかなかのものだよ」
 クインはアマンダの口もとをじっと見つめた。きのうの短く甘いキスが頭をかすめる。今彼女はキスさせてくれるだろうか。彼女の唇が半開きになっていて、息づかいもかすかに乱れているのはわかる。それに頬も紅潮している。でもそれは、寒さのためかもしれないし……。
 アマンダはクインの瞳から視線をそらせないでいた。彼はけっしてハンサムではない。むしろ、ロッキー山脈の山腹を切り落としたあとの岩肌みたいにごつごつした顔だ。薄い唇はわずかながら狂暴にさえ見える。もしその唇を乱暴に押しつけられたら、見かけと同じようにかたく感じるのかしら。きのうキスしたときは、そうではなかったけど……。
「なにを考えてるんだい?」彼女の視線に気づいて、クインがくぐもった声で尋ねた。
「キスしたときの、あなたの唇の感触ってどんなふうかなって、思ってたの」
 クインの心臓が激しく鼓動しはじめる。「もうわかってるだろう? きみはぼくにキスしたじゃないか」
「でも……ちゃんとじゃないわ」
“ちゃんと”というのはどういう意味なのだろう。クインの妻は婚約中、自分がしたいときだけキスを許してくれた。でも、それもごくはじめのころの話だ。たいていは、お化粧がとれてしまうなどと言いながら、彼を押しのけるのだった。彼は熱烈なキスをしたこともなければ、されたこともなかった。
 クインはアマンダの腕に置いた両手を、彼女の卵形をしたやわらかな顔に持っていった。それから、ゆっくりと顔をさげていく……。アマンダは抵抗しない。彼の心臓は早鐘のように打ちはじめた。
「ちゃんとしたって……どうすればいいんだい?」
 知っているはずでしょ。アマンダは夢見心地で思った。クインの唇が彼女の唇にふれる。彼の唇は風と太陽の香りがした。アマンダは両手をクインのシャツに置いた。ああ、彼のたくましい胸にふれたい。だが彼女はシャツのボタンをはずしたくなるのを必死でこらえ、かわりに思いきり背のびをして、彼の唇に自分の唇を押しつけた。ふたりの唇がぴったりと重なりあったとき、クインのからだはこわばり、かすかなうめき声がもれる。
 アマンダの、好奇心にきらきら輝く瞳が、クインの熱を帯びた瞳と合った。
「こんなふうに……キスをしたのは、はじめてなんだ」
 アマンダはその言葉が信じられなかった。クインの唇がふたたびおりてきて、彼女の唇にむさぼるようなキスをする。それからアマンダの背中に腕をまわし、彼女のからだを引き寄せた。熱い戦慄がアマンダのからだをかけぬけていく。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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