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悪魔公爵と一輪のすみれ

悪魔公爵と一輪のすみれ


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★4
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著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

 不埒な生きざまから“社交界の★悪魔/デビル/”と呼ばれる公爵ルパートは、パーティの最中、レディがにやけた伊達男に襲われているところに出くわした。とっさに助けた彼は、女性がパンドラ・メイベリーと知り目をみはる。1年前、二人の男がパンドラを巡る決闘で命を落としたという。以来彼女は魔性の女と囁かれているのだ。それにしても……実に美しい。潤んだすみれ色の瞳は、悪評とは裏腹に汚れ一つなく見える。ルパートはその瞳を見つめるうちひらめいた。もしかしたらぼくの目下の悩みは解決するかもしれない――彼女を花嫁にすれば。

抄録

 得意げにきらめくグレーの目に、まぎれもないあざけりの色を見て、パンドラは心の中で自分に言い聞かせた。彼がわたしを動揺させるつもりなら、まんまと思う壺にはまってしまったけれど、いつまでも混乱したままの姿を見せてますます鼻を高くさせるわけにはいかない。
「こんにちは、ルパート」パンドラはよそよそしく挨拶を返した。「今日みたいにうららかな春の午後に、どうしてここへ?」相手が挑んでいるのだとすれば、彼女もみごとに挑戦を受けて立った。
「もちろん、親愛なるパンドラ、きみがここにいるからだ」ルパートはゆっくり答えた。「もし……失礼でしたら、どうかお許しを、マダム」彼はジュヌヴィエーヴに魅力的な笑顔を向けた。
「ちっともかまわないわ、ストラットン」ジュヌヴィエーヴはそっけなく答えた。「ご一緒にお茶でもいかが?」
「せっかくですが、今日は遠慮しておきます。遅くならないうちに、パンドラを馬車に乗せるつもりなので」
 パンドラは背中をこわばらせた。「自分の馬車を待たせているわ」
「勝手ながら入ってくる前に、きみの馬丁を帰らせた。きみはぼくの馬車で屋敷まで送り届けると言って」
 パンドラは憮然として、鋭く息を吸いこんだ。「あなたにそんな権利は――」
「権利はある」
「ふたりだけにしてあげたほうがいいかしら? 人目をはばからずに、その問題を解決できるように」ジュヌヴィエーヴが口をはさむと、怒りで紅潮したパンドラの顔に、明らかに反発の表情が浮かんだ。
「その必要はないわ」
「そうしてください」
 パンドラは同時に正反対の答えを口にしたルパートをにらみつけ、その傷ついたふうを装った顔を見て、ますます腹を立てた。この紳士に限って、傷つくようなことはあるはずがない。
「ここはジュヌヴィエーヴの屋敷なの。まさか自分の応接間から出ていくように頼むわけにいかないでしょう?」
「あら、わたしなら喜んで出ていくわ」ジュヌヴィエーヴは請けあった。
 パンドラは友人に非難めいた目を向けた。「わかったわ……じゃあ、あなたには自分の応接間でくつろいでもらって、わたしは、この……話し合いの続きをしながら閣下の馬車で屋敷まで送ってもらうわ。それが、ここにいる全員にとって最善の策だと思うけど。わたしの馬車は彼が帰らせてしまったようだから」
 だが、そうすれば一台の馬車にふたりきりで乗ることになる。ジュヌヴィエーヴを訪ねるだけだと考えて、ヘンリーを連れてこなかったのだ。
「すばらしい」明らかに非難されているにもかかわらず“閣下”は謝りもせずに言った。「それでは失礼します、マダム」彼はジュヌヴィエーヴにお辞儀をした。
「ごきげんよう」ジュヌヴィエーヴがあっさり応じる。
「パンドラは、ぼくがかならず無事に屋敷まで送り届けます」そう言って、ルパートは例の魅力的な笑みを浮かべた――いまなら、喜んでそのハンサムな顔を引っぱたいて消してやりたい笑みを。
 パンドラがけっして乱暴を働くような人間ではないことを考えると、あいかわらず傲慢な彼の態度のせいで、パンドラがいかに不満と苛立ちを抱えているかは明らかだった。

「いい加減、怖い目でにらむのはやめてくれないか」
 快適な馬車に向かい合わせに座って、しばらくしてから、ルパートは苛立たしげにパンドラを見やった。
「だが、すでにぼくに腹を立てているようだから、ついでに言っておこう。さっき、きみの留守中にハイバリー邸の鍵を交換させた」
 パンドラが訝るように押し黙った隙に、ルパートは彼女の姿に見とれた。今日のドレスと美しいボンネットも、とてもよく似あっている。その色は、比類ないすみれ色の瞳とまさしく同じだ。
 いまは彼に向けて怒りの火花を散らしている、すみれ色の瞳と。
「わたしの家の鍵を、交換させた?」パンドラは食ってかかった。
 ルパートは尊大な態度でうなずいた。「昨晩きみの屋敷に侵入した犯人は、どこも破っていなかった」
「あなたはそんなこと知らないはずよ」
「いや、知っている。窓は割れていなかったし、ドアの鍵も壊されていなかった。そのことから推測すると――」
「どう推測しようと勝手だけど」パンドラはこぶしを握りしめて遮った。「本当に、なんて人なの。あなたほど傲慢で……」
 痛烈に非難するはずだったパンドラの言葉は、ふいに遮られた。一日じゅう彼女を追いかけていたせいで、ルパートもいい加減にうんざりしていた。ルパートはふたりのあいだの距離をすばやく縮めると、彼女をしっかりと抱きしめて、その誘うようなやわらかな唇にみずからの口を押しあてた。
 とつぜんのキスにショックを受けたパンドラは、しばらくのあいだ呆然としていた。彼の腕に抱かれたまま、彫刻のごとき唇が自分の唇を大胆に貪るに任せる。心地よく、誘惑するように。こんなにも興奮を感じるべきではないことも、その一方で、どうやっても興奮を抑えられないことも、パンドラにはわかっていた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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