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和書>小説・ノンフィクションハーレクインウエディング・ストーリー

薬指の契約

薬指の契約


発行: ハーレクイン
シリーズ: ウエディング・ストーリー
価格:300pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ペニー・ジョーダン(Penny Jordan)
 1946年にイギリスのランカシャーに生まれ、10代で引っ越したチェシャーに生涯暮らした。学校を卒業して銀行に勤めていた頃に夫からタイプライターを贈られ、執筆をスタート。以前から大ファンだったハーレクインに原稿を送ったところ、1作目にして編集者の目に留まり、デビューが決まったという天性の作家だった。2011年12月、がんのため65歳の若さで生涯を閉じる。晩年は病にあっても果敢に執筆を続け、同年10月に書き上げた『純愛の城』が遺作となった。

解説

 社長マシューに呼びだされたハリエットは、親友であり同僚でもあるベンとの関係について問いつめられた。どうやら彼女とベン、そしてベンの恋人との三角関係が、社内で噂になっているらしい。ハリエットは即座に否定するが、マシューはいっこうに納得しない。ついには、このままでは仕事にも影響が出ると言い、信じがたい解決策を提案する。

抄録

「キングサイズのベッド?」
 マシューは言葉にこそしないけれど“バージンなのに”と言っているも同然だ。ベッドルームに入ったとたん、唐突に足をとめたマシューを見て、ハリエットは思った。
「兄夫婦からのプレゼントよ」ハリエットは冷ややかに言った。
「なるほど。お兄さんたちはきみになにかを伝えようとしているとか?」マシューは物問いたげに眉をあげた。
「いちいちわたしの……その話を蒸し返すのはやめて。あなたに話したベンの気が知れないわ」彼女は憤った。
「そのことならもう説明しただろう。ぼくが誠意をもってきみとつきあっていることを確認したかったんだよ」
「誠意をもって!」
 ハリエットは美しい白い歯をいらだたしげに鳴らした。
 マシューはやっとの思いでハリエットから視線をそらし、室内に目を走らせた。家のほかの部屋と同様、ベッドルームもアースカラーと天然素材の布地でまとめられている。クリーム色のカバーがかかった大きなベッドがひときわ目を引くこの部屋には、かすかに、しかし彼にははっきりそれとわかるハリエットの残り香が漂っていた。いつも職場につけてくる心地よいフローラル系の香水ではなく、彼女自身の香りだ。
 マシューは小さなうめき声を押し殺した。隣に横たわるハリエットの香りにすっぽりと包まれて、どうして眠ることができるだろう? 体は彼女を感じ、味わいたくてたまらなくなっているというのに。やがて彼女の口から甘くせつなげな喜びの声がもれて……。
 心のなかでつくりあげられていく危険なシナリオからマシューが無理やり注意を引き戻したそのとき、ハリエットの事務的な声が耳に入ってきた。「男物の予備のバスローブがあったはずだから……」
「予備の? ベンのか?」マシューは挑発的に尋ねた。
 ハリエットは青ざめたものの、一歩も引かなかった。「違うわ。あいにくだけど、父に使ってもらうつもりで買ったものよ。去年、休暇で数日家を空けたとき、両親に留守番をしてもらったから」
「そうか……」
 ハリエットに謝らなくては。ぼくが憎まれ口をたたいているのもすべては彼女のためなのだと伝えたほうがいい。彼女に、ベンの恋人になるというかなわぬ夢にしがみつくなんて愚かな行為だとわからせ、ぼくとつきあうほうがずっと楽しいと実感させるためなのだと!
 しかしハリエットはすでに背中を向けて、ぶつぶつ言いながら引きだしのなかを探し始めていた。「たしかここに入れておいたはずなんだけど……」
 レースのついたシルクの布切れがはらりと床に落ちた瞬間、マシューは息を押し殺した。クリーム色のシルクのパンティ? 両脇をリボンで結ぶタイプの? とたんに想像力を激しくかきたてられ、興奮が一気に高まった。あのリボンを歯で引っ張れば結び目は簡単にほどけてしまうだろう。そして、その下に隠されているやわらかな肌がぼくのものになるのだ!
 ようやくバスローブを見つけたハリエットは、ほっと息をついて引きだしを閉めた。下着が落ちているのに気づいたのはそのときだった。
 下着はハリエットのすぐそばにあったが、マシューのほうが敏捷だった。腹の立つことに、彼はその小さな下着をつまみあげると、彼女の鼻先でぶらぶらさせた。
「これもプレゼントかい?」マシューは挑発した。
「まさか」ハリエットは澄まして答えた。「自分で買ったのよ」
 マシューのしかけた罠にまんまと引っかかってしまったと気づいたときは手遅れだった。
「バージンだってかわいい下着が好きなのよ」彼女は頬を赤らめて、不機嫌に言った。
「これをかわいいとは言わない」マシューは即座に宣言した。「どんな男だって、この下着を刺激的でセクシーだと思うね」
「刺激的で……セクシー?」
「おそろいのブラジャーもあるのかい?」マシューは興味をそそられて尋ねた。
 目の前でハリエットの胸が波打ち、揺れているせいで、気が散って彼女の返事に集中できなかった。
 マシューはハリエットを自分だけのものにしたいという、じりじりと追いたてられるような熱い思いに圧倒された。彼女を抱きしめて男の目にふれたことのない場所から下着をとり去りたい。できるならベッドルームで……。ぼくのベッドルームで。
「先にバスルームを使う?」ハリエットが冷淡な口調で尋ねた。
「先に? ふたりで一緒に入るんじゃないのか?」マシューはからかった。「誰かに背中を流してもらうのは本当に久しぶりだ」
 ハリエットは疲れ果てていた。自分ではホルモンの働きをコントロールできないのに、ホルモンは彼女を意のままに操っている。そのせいで、熱く燃えあがったマシューの一糸まとわぬ体に組み敷かれたいと願い、彼に……。
 去年のクリスマスに、大おばがありがたくも贈ってくれたあたたかいパジャマをとっておいてよかった。いつもは裸で寝る習慣だと話したら、マシューになにを言われるか容易に察しがつくもの。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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