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壺振りお嬢、嫁に行く!?

壺振りお嬢、嫁に行く!?


発行: イースト・プレス
レーベル: アズ文庫
価格:650pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆5
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解説

 「大人ぶってんなよ、おっさん」
 組員全員が過保護状態で守ってきた律哉だが、そんな中でも極めつきの『溺愛』は若頭の諒二だ。――こっそり寝顔にキスしていたくせに律哉に煽られ、つい暴走してラブホで乱暴に抱いてしまった諒二と、大人と子供の狭間で揺れ動く律哉。恋愛下手すぎる二人に周囲はハラハラし通し。そんな折、シマをかけての壺振り勝負の挑戦が律哉のもとに……。

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

目次

 壺振りお嬢、嫁に行く!?
 あとがき

抄録

 夜更けのまどろみの中。
 部屋のドアが開く気配を薄ぼんやりと感じた。コンパで酒を飲みすぎた律哉の身体は、ベッドに引っついてしまったように重い。でも、誰が入ってきたのかは足音でわかる。踵からつま先へと静かに体重を移動させ、静かに忍び入っても許されるのは父親でも最年長のシゲ爺でもない。
『お嬢』と呼ばれる律哉を、ただ一人、かたくなに『坊』と呼ぶ男だ。
「風邪をひきますよ」
 笑っている声が囁いた。大の字に伸ばしている腕と足に布団がかけ直される。
 そのまましばらく沈黙が続いた。律哉の頭の中は少しずつ覚醒したが、起きている素振りは見せない。力を抜いて横たわり、相手の息遣いに耳を澄ます。
『足枷』という言葉を思い出すのとほぼ同時に、頬骨の辺りへ柔らかい感触が押し当たった。
「おやすみなさい」
 その行為がなんでもないことのように囁く諒二は、律哉が起きているとは思っていない。
 立ち上がる気配がした。そして、ドアが開き、閉じる音がする。
 そのすべてを身じろぎもせずに受け止め、律哉は大きく息を吐き出した。まぶたを開くと、部屋の隅に置いたルームライトの常夜灯で、ほのかに照らされた天井が目に入ってくる。
 起きていない振りをするのは楽じゃない。
 布団をかけ直されて見つめられるだけならまだしも、寝顔へのキスを盗まれているのだ。
 キスをする場所がくちびるじゃないとしても、悪ふざけでは済まされない異常行動だ。その上、常習犯。いつかはパチッとまぶたを開き、「最低」と罵るつもりだったのに、機会を逃してしまったせいでどうでもよくなっている。諒二にしても、本当に律哉が寝ていると思っているのかどうか怪しいものだ。
 たかがキス。されど、キス。額でも頬でも、くちびるじゃなくても……、意味もなくやるようなことじゃない。わかっているからこそ、罵る機会を逸し続けている。もうずっと、何年もだ。
 目を開けばいい。何か言ってやればいい。それができないなら、ドアに鍵をかければいい。

本の情報

形式

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