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【近代生命主義叢書】「自覚に於ける直観と反省」

【近代生命主義叢書】「自覚に於ける直観と反省」

著: 西田幾多郎
発行: BBC文庫
シリーズ: 近代生命主義叢書
価格:945円(税込)
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著者プロフィール

 西田 幾多郎(にしだ きたろう)
 1870〜1945
 金沢生まれ。四高を中退、東大哲学科選科に入学、明治二七年卒業。郷里に帰り、中学教師、四高講師、山口高教授を経てふたたび四高教授に転じ、10年間在職、さらに学習院教授をつとめたのち明治四三年、京大文学部助教授に迎えられ、大正二年教授となる。この間、四四年には処女作『善の研究』を刊行したが,西田の根本思想はこの『善の研究』において確立され、これ以後はもっぱらこの根本思想の純化、徹底と特にそれの論理的反省に傾注された。その目標は、一般に西洋哲学で前提されている主観と客観,精神と自然の対立を究極的なものとせず、この対立以前の最も具体的包括的なものをとらえ、それの抽象化としていっさいのものを考えようとするにあった。  西田哲学には禅的体験が基礎となっておりしばしば神秘主義的といわれるが、けっしてこれを前提したものでなく、あくまで西洋哲学を徹底貫徹し、これと対決することによって自ら現成した東洋的な思想である。「形は形なきものの形、声は声なきものの声」というような伝統的な東洋的思想は本来論理を容れ得ない直観的把握であったが、西田哲学においてこれが論理化され、「哲学」となったといってよいであろう。しかも、この体系は西欧合理主義の産物たる数学、科学から芸術、宗教にいたるいっさいを包括しており、自ら東西の哲学を統一するものである。前人未踏という評価はけっして誇称ではない。(下村寅太郎「日本文学小事典」新潮社)

解説

 ★小坂国継「西田幾多郎の思想」(NHKシリーズ)より
 「此書は余の思索における悪戦苦闘のドッキュメントである。幾多の紆余曲折の後、余はついに何らの新しい思想も解決も得なかったといわなければならない。刀折れ矢端きて降を神秘の軍門に請うたというそしりを免れないかもしれない」(同書)といっています。
 このように西田の第二の主著『自覚に於ける直観と反省』は労多くして功少ない著作でしたが、そこには西田の強靭な思索力が余すところなく発揮されていて、読者をぐいぐいと自分の世界に引き込んでいく迫力と魅力を秘めています。物事を深くその根源へと徹底して掘り下げて考えるということがどういうことであるかを身をもって示した著作といっていいでしょう。また、この著作のなかで示された「自己の内に自己を映す」という自覚の概念は、これ以後の西田の思想の中心概念となりました。

目次

 序
 改版の序
序論
 一−三(自覚の意義・種々の疑問)
 四−六(意味と存在)
経験体系の性質
 七−十(純粋思惟の体系)
 十一−十三(純粋思惟の体系から経験体系への推移)
 十四−十六(知覚的経験の体系)
 十七−二十(意識の問題・主客の関係)
 二十一−二十三(直線の意識)
 二十四−二十五(反省の不可能)
経験体系の連結
 二十六−二十九(種々アプリオリの統一・知識客観性の発展)
 三十−三十二(数から空間への発展)
 三十三−三十四(直線の意識)
 三十五−三十九(知覚的経験の体系・精神と物体・意志の優位)
結論
 四十−四十一(絶対自由の意志)
 四十二(思惟と経験)
 四十三(種々の世界)
 四十四(意味と事実)
 跋

抄録

★「本文」冒頭において
 直観というのは、主客の未だ分れない、知るものと知られるものと一つである、現実その儘(まま)な不断進行の意識である。反省というのは、この進行の外に立って、翻(ひるがえ)って之を見た意識である。・・・・・・余は我々にこの二つのものの内面的関係を明にするものは我々の自覚であると思う。自覚においては,自己が自己の作用を対象として、之を反省すると共に、かく反省するということが直に自己発展の作用である、かくして無限に進むのである。反省ということは、自覚の意識においては、外より加えられた偶然の出来事ではなく、実に意識其者(そのもの)の必然的性質であるのである。


★「本文」跋において
 それで我々が人生の目的を充実して行くということは、抽象的立場からその具体的根元に移り行くことである。・・・・・・生命という語は曖昧であると思うが、要するに我々の意志を対象界に投射して見たものが生命である、即ち客観化せられた目的論的統一である。・・・・・・真の生命とは実在の具体的全体の統一であるということができる。 右の如き理由によって、真の生命というのは文化意識というものを除いて考うることはできぬ。「生への意志」は「文化への意志」でなければならぬ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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