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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

ボスと秘書の小さな絆

ボスと秘書の小さな絆


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆1
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著者プロフィール

 ミシェル・ダグラス(Michelle Douglas)
 8歳のときに将来の夢を訊かれて、すでに「作家」と答えていた。チョコレートを隠し持つヒロイン、笑い方を知っているヒーロー、そしてハッピーエンドをこよなく愛する。全米読者選賞、ロマンティックタイムズの批評家選賞のほか、オーストラリアで“ロマンス界のアカデミー賞”と称されるRUBY賞にもノミネートされた、いま注目の作家。オーストラリア東海岸のニューキャッスル郊外に、夫とともに住んでいる。

解説

 ゆうべのボスは、優しく情熱的な恋人。
 今朝の彼は、冷酷な見知らぬ他人。

 社長秘書キットの夢は、愛し愛される夫と結婚し子供を授かること。そんな彼女はボスのアレックスに密かに恋をしていたが、仕事が成功し祝杯をあげた夜、ついに念願叶って彼と一線を越えた。翌朝、幸せな気分で出社すると、さっそく社長室に呼ばれ、甘いひとときの続きを予感して胸をときめかせた。ところが、彼女を待っていたのは、アレックスの思いもよらない言葉だった。「ゆうべのことは後悔している。結婚も赤ん坊もごめんだからね」ああ、こんな冷たい人に恋してしまったなんて、なんて馬鹿なの……。3カ月後、キットは何も告げず会社を去った――彼の子を身に宿して。

 ■HQイマージュに大型新人が登場! オーストラリアで“ロマンス界のアカデミー賞”と称されるRUBY賞のほか、読者や書評家が選ぶ賞にノミネートされたM・ダグラス。日本デビューとなる本作は、冷血社長と愛情深い秘書が主人公の、シークレットベビー物語です。

抄録

 アレックスがマグカップを二つ持って現れた。レモングラスティーだ。その香りが胃の緊張をいくらか和らげてくれる。「あなたはコーヒーを飲んでもいいのよ。わたしのために我慢する必要はないわ」
「きみが飲めないのに飲むのは悪い気がして。それに、このレモン風味のはまあまあいける」彼は鼻にしわを寄せた。「でも、あのいけ好かないカモミールはきみが独り占めにしていいよ」
 キットは思わずくすくす笑った。たとえ心の中では不安が渦巻いていても。
「緊張している?」
 どうしてわかるのかしら。自分ではうまく隠しているつもりだったのに。「少しね」
 アレックスは探るようにキットを見てからマグカップを床に置き、両肘を膝について彼女のほうに身を乗り出した。「熱はすぐに引いたじゃないか、キット。ちゃんと安静にしていたし、栄養のある食事をして、薬ものんだ。赤ちゃんが健康ではないと考える理由は一つもない」
 キットはうなずいた。そのとおりなのはわかっている。
「だけど?」彼は優しく言った。
 キットはマグカップをベッドサイドテーブルに置いた。「あなたは運命を信じる、アレックス?」
「どうしてそんなことをきくんだ?」
「ひょっとしたら、わたしは母親になるよう運命づけられていないのかもしれないと思って。だって、三カ月も妊娠に気づかなかったのよ。その間にカフェインの入ったコーヒーや、ときにはワインも飲んでいたし、それに……それに、妊娠を知っていたらやっていたはずのこともやらずにいたのよ」
 彼は眉根を寄せた。「きっと大丈夫だよ」
「大丈夫ですって?」声がうわずる。「どうしてそんなことが言えるの? 月曜日だって、自分が病気にかかっていることさえ気づかなかった。だいたい、わたしはおむつの替え方も知らないのよ! たぶん……」キットはごくりと唾をのんだ。「たぶん、わたしは母親になれる人間じゃないんだわ」
「どうして……そんなわけがないだろう!」
 アレックスはぱっと立ち上がり、その拍子にマグカップをひっくり返した。短い罵りの言葉とともに着ているTシャツを急いで脱ぎ、それを雑巾代わりにしてこぼれたお茶を拭き取った。
 いきなり現れた広い裸の胸を前にして、キットは目を見開いた。とたんに思考が停止し、日焼けした筋肉質のしなやかな体に目を奪われる。その肌の感触とぬくもりがよみがえり、血がどくどくと全身を駆けめぐった。
「このラグに染みをつけたくないだろう」アレックスがちらりと顔を上げ、ぶっきらぼうに言う。
 キットは下唇をきつくかんだ。立ち上がったアレックスの見事な体を見て、あの夜のことを思い出した。ああ、どうしたらいいの!
「わたしは……いえ、だからって、あなたのシャツをだめにすることはなかったのに」
 彼の腕のたくましい筋肉、引き締まった力強さに、体がとろけそうになる。こんなに日焼けしているなんて。アフリカの灼熱の太陽の下でシャツも着ずに働いていたのかしら?
「きみはすばらしい母親になるよ、キット」
 その言葉に、はっとわれに返った。アレックスの目が濃さを増し、ひたと彼女を見つめている。まるでその目力で自分の言葉を信じさせようとでもするように。
「どうしてそんな確信が持てるの?」彼の言葉を信じたい。でも……。
「与えうる最高の人生を赤ん坊に与えるために、どれほどの労力を費やしているか考えてみるといい。きみは大好きな故郷に戻り、家を買って、子どもを迎える準備をしている」
 彼女はうつむき、唇をかんでいる。
「キット?」
 顔を上げ、また彼の目を見つめる。
「きみはその子を愛している。それは、おむつの替え方を知っているとか、カフェインを控えるとかいうことよりも……いや、何よりも大切なことだ。きみは母親になりたいんだろう?」
 キットはうなずいた。
「だったら、大丈夫。母親になるために知るべきことは、その過程ですべて学ぶことができる。そして、きみの家族や友人や育児書も助けてくれる」
 キットはまばたきをし、彼の言葉をかみ締めてから、弱々しい笑みを浮かべてみせた。「あなたの言うとおりね。ありがとう。ごめんなさい、ちょっと取り乱していたみたい」
「謝ることはないさ」
 アレックスが椅子の背に寄りかかった。おかげで引き締まった腹筋がよく見え、キットの口と喉はからからになった。
「きみと話し合いたいことがあるんだ、キット」
 キットはゆっくりと視線を上げたが、今度は彼の胸と肩に気をそらされてしまった。その胸が自分の胸と同じリズムで上下し始め、喉仏がごくりと動く。引き締まった唇が開くのを見て、熱いものがキットの体に渦巻きだす。
 アレックスがさっと立ち上がった。「すぐに戻ってくる」かすれた声が喉から絞り出され、キットの腕の産毛がいっせいに逆立った。まるで声の愛撫に降伏するかのように。彼はすばやく部屋を出ていき、キットはとろけた体をまた枕にあずけた。頭がぼうっとしてまともに働かない。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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