和書>小説・ノンフィクション>SF・ファンタジー小説>日本SF小説
著者プロフィール
横田 順彌(よこた じゅんや)
一九四五年、佐賀県に生まれる。法政大学法学部卒。子供の頃からSFに熱中。高校時代に古書店で押川春浪『海底軍艦』に出会い、古典SFの収集・研究を開始する。同人誌「SF倶楽部」を主宰して創作・評論を発表していたが、「友よ、明日を…」(SFマガジン71年3月)以降、本格的な作家活動に入る。ナンセンスとギャグに満ちた新分野・ハチャハチャSFを開拓、代表作に『宇宙ゴミ大戦争』『対人カメレオン症』など多数。73〜80年、SFマガジン連載の『日本SFこてん古典』(全三巻)で古典SF研究にも先鞭をつけ、87年の『快男児 押川春浪』(會津信吾氏と共著)で第9回日本SF大賞を受賞した。88年、明治SF『火星人類の逆襲』を発表。以後、明治ものを中心に幅広い活動を続けている。
一九四五年、佐賀県に生まれる。法政大学法学部卒。子供の頃からSFに熱中。高校時代に古書店で押川春浪『海底軍艦』に出会い、古典SFの収集・研究を開始する。同人誌「SF倶楽部」を主宰して創作・評論を発表していたが、「友よ、明日を…」(SFマガジン71年3月)以降、本格的な作家活動に入る。ナンセンスとギャグに満ちた新分野・ハチャハチャSFを開拓、代表作に『宇宙ゴミ大戦争』『対人カメレオン症』など多数。73〜80年、SFマガジン連載の『日本SFこてん古典』(全三巻)で古典SF研究にも先鞭をつけ、87年の『快男児 押川春浪』(會津信吾氏と共著)で第9回日本SF大賞を受賞した。88年、明治SF『火星人類の逆襲』を発表。以後、明治ものを中心に幅広い活動を続けている。
解説
名探偵金田一耕助とは縁もゆかりもないダジャレ探偵・金大事包助は、またの名を銀河パトロール隊レンズマン(へ)の18番といった。都会の巷に難事件を追い、宇宙空間にパトロール艇《あっボロ1号》を駆って、太陽系の危機を救う。抱腹絶倒ナンセンス、珍奇な事件のオンパレード。ヨコジュン・ハチャハチャSFの大傑作。
目次
金大事包助の事件簿 まだらのひもの
銀河パトロール報告 ○ちとの遭遇
金大事包助の事件簿 Yの悲劇
銀河パトロール報告 ワースト・レンズマン
金大事包助の事件簿 外人二十面相
銀河パトロール報告 十月十日では遅すぎる
金大事包助の事件簿 じんぎすかんの秘密
銀河パトロール報告 宇宙船ビーゲリ号の冒険
金大事包助の事件簿 そして誰もいなかった
銀河パトロール報告 太陽族最後の日
銀河パトロール報告 謎の小惑星強奪団
金大事包助作品集
麻雀西遊記
親孝行病源体
ポカリ!! キュー
代償
奇病
銀河パトロール報告 ○ちとの遭遇
金大事包助の事件簿 Yの悲劇
銀河パトロール報告 ワースト・レンズマン
金大事包助の事件簿 外人二十面相
銀河パトロール報告 十月十日では遅すぎる
金大事包助の事件簿 じんぎすかんの秘密
銀河パトロール報告 宇宙船ビーゲリ号の冒険
金大事包助の事件簿 そして誰もいなかった
銀河パトロール報告 太陽族最後の日
銀河パトロール報告 謎の小惑星強奪団
金大事包助作品集
麻雀西遊記
親孝行病源体
ポカリ!! キュー
代償
奇病
抄録
「……その時、ダース・ヴェーダーとモフ・ターキンの陰謀によって、レーア姫とルークに危機が迫る。ところが、このチューバッカという猿人が図体のわりには弱虫なんだ。……ん、そういえば、おまえチューバッカに顔が似ているな」
俺がいった。
「にーい!」
ネコのワトソンが鳴いた。
よくいえば、想像を絶する、はっきりいってしまえばばかばかしいとしかいいようのない『外人二十面相』事件を、なんとなくみごと解決してから、二週間ほどたったある夜のことだ。俺は六畳ひと間しかないアパートの住居兼事務所の畳の上にあぐらをかき、ワトソンを相手に、その日、五回目を見てきた『スター・ウォーズ』のストーリィを説明していた。ワトソンは二、三日前屋根伝いにふらりと俺の部屋に入りこんできて、そのまま居ついている大きなキジ色のネコだ。
このネコが、最初に俺の目の前に現われた時はおどろいた。テレビで鍋島の化け猫映画を見ている時に、窓のガラス戸のすきまから部屋にとびこんできた。びっくりした俺は思わず叫んだ。なんて叫んだか、おわかりか?
「キャッと!!」
なんちゃって。これをいうだけのために、ネコを一匹登場させちゃうんだから、すごい小説だ、これは。
「さて、おまえに、いつまで『スター・ウォーズ』を話していてもしかたがない。といって寝るには少し時間が早すぎる。久しぶりにビニール本でも見るか」
“ネコの耳にSF”ということわざもあるように、ワトソンのやつは、『スター・ウォーズ』にちっとも関心を示さないので、俺はおもしろくないから、つい先だって、発売当日に発禁になったビニール本を押入れから引っぱりだし、ぱらぱらとページをめくった。すると、ワトソンが「にあん」と鳴いた。ワトソンの兄さんはひょっとしたら『にあんちゃん』かもしれない。
ピンク・レディーによく似たふたりのヌードの女の子が、あられもないポーズで読者にウィンクしているカラー写真のページがでてきた。俺は、その写真をワトソンに見せていった。
「おい、おまえ、ミイとケイとどっちが好きだ!?」
「ミイ〜」
「うむ、ミイか。俺と同じだ。すると、おまえは俺の強力なライバル……」
われながら、いい歳をしてばかなことをやってるものだ、と思った時、頭の中に声でない声がひびいた。
“(へ)の18番、ただちに発禁本を読むのをやめ、銀河パトロール隊第二辺境支部に出勤せよ! これぞ、すなわち第三種発禁遭遇”
あいもかわらず、銀河パトロール隊は遭遇ダジャレをやっている。
あわてて窓を開けると、アパートの上空に例の超ギンギラ円盤《ヤマギワ・シャンデリア号》が停止していた。
「準備完了!!」
俺がいった。次の瞬間、俺は見慣れた円盤の内部にいた。
「出勤ごくろうさん。またまた、きみの手を借りたい事件が発生した」
化学調味料のお中元詰合せセット二〇〇〇円箱みたいなでたらめなスタイルの、上司レンズマン(い)の1番がいった。 (「十月十日では遅すぎる」より)
俺がいった。
「にーい!」
ネコのワトソンが鳴いた。
よくいえば、想像を絶する、はっきりいってしまえばばかばかしいとしかいいようのない『外人二十面相』事件を、なんとなくみごと解決してから、二週間ほどたったある夜のことだ。俺は六畳ひと間しかないアパートの住居兼事務所の畳の上にあぐらをかき、ワトソンを相手に、その日、五回目を見てきた『スター・ウォーズ』のストーリィを説明していた。ワトソンは二、三日前屋根伝いにふらりと俺の部屋に入りこんできて、そのまま居ついている大きなキジ色のネコだ。
このネコが、最初に俺の目の前に現われた時はおどろいた。テレビで鍋島の化け猫映画を見ている時に、窓のガラス戸のすきまから部屋にとびこんできた。びっくりした俺は思わず叫んだ。なんて叫んだか、おわかりか?
「キャッと!!」
なんちゃって。これをいうだけのために、ネコを一匹登場させちゃうんだから、すごい小説だ、これは。
「さて、おまえに、いつまで『スター・ウォーズ』を話していてもしかたがない。といって寝るには少し時間が早すぎる。久しぶりにビニール本でも見るか」
“ネコの耳にSF”ということわざもあるように、ワトソンのやつは、『スター・ウォーズ』にちっとも関心を示さないので、俺はおもしろくないから、つい先だって、発売当日に発禁になったビニール本を押入れから引っぱりだし、ぱらぱらとページをめくった。すると、ワトソンが「にあん」と鳴いた。ワトソンの兄さんはひょっとしたら『にあんちゃん』かもしれない。
ピンク・レディーによく似たふたりのヌードの女の子が、あられもないポーズで読者にウィンクしているカラー写真のページがでてきた。俺は、その写真をワトソンに見せていった。
「おい、おまえ、ミイとケイとどっちが好きだ!?」
「ミイ〜」
「うむ、ミイか。俺と同じだ。すると、おまえは俺の強力なライバル……」
われながら、いい歳をしてばかなことをやってるものだ、と思った時、頭の中に声でない声がひびいた。
“(へ)の18番、ただちに発禁本を読むのをやめ、銀河パトロール隊第二辺境支部に出勤せよ! これぞ、すなわち第三種発禁遭遇”
あいもかわらず、銀河パトロール隊は遭遇ダジャレをやっている。
あわてて窓を開けると、アパートの上空に例の超ギンギラ円盤《ヤマギワ・シャンデリア号》が停止していた。
「準備完了!!」
俺がいった。次の瞬間、俺は見慣れた円盤の内部にいた。
「出勤ごくろうさん。またまた、きみの手を借りたい事件が発生した」
化学調味料のお中元詰合せセット二〇〇〇円箱みたいなでたらめなスタイルの、上司レンズマン(い)の1番がいった。 (「十月十日では遅すぎる」より)
本の情報
この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます
形式
【XMDF形式】
XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアはここから無料でダウンロードできます。
詳しくはブンコビューアダウンロード初めての方へをご覧下さい。
対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。


























