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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・スペシャル・エディション

ドクターの贈り物 都合のいい結婚

ドクターの贈り物 都合のいい結婚


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・スペシャル・エディション都合のいい結婚
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 クリスティン・リマー(Christine Rimmer)
 ウォールデンブックスやUSAトゥデイ紙のベストセラーリストにたびたび登場する人気作家。アメリカ・ロマンス作家協会のRITA賞に作品がノミネートされ、ロマンティック・タイムズ誌でも賞を獲得した実力の持ち主。作家になるまで、女優、店員、ビルの管理人など実にさまざまな職業を経験している。すべては、作家という天職に巡り合うための人生経験だったと振り返る。オクラホマ州に家族とともに住む。

解説

 赤ちゃんの父親は彼だけれど、ぜったい結婚するわけにはいかない。

 ■レイシーは婚約者に逃げられたローガンを慰めようと彼の家を訪ねたところ、思いがけず結ばれてしまった。ほどなく妊娠していることに気づいたが、ローガンにはいっさいそれを伝えなかった。彼の心は、いまだに去った婚約者にあるのを知っていたから。しかし、あと一週間ほどで出産予定日というときになって、やっとレイシーはローガンに事実を知らせた。大あわてで駆けつけた彼が言ったのは、“結婚しよう”という言葉。昔から口うるさい兄のような存在だったローガンのことだから、プロポーズは単なる責任感によるものにすぎないはず。愛のない結婚なんて、ぜったいするわけにはいかない。レイシーはローガンのプロポーズを断固としてはねつけた。

抄録

 レイシーもグラスを掲げたのち、ふたりは同時にグラスに口をつけた。
 そのあと、レイシーも乾杯の言葉を思いついた。
「わたしのかわいい娘の父親に。揺らぐことのない誠実な心と、驚異的な我慢強さの持ち主に、乾杯」
「誠実な心と我慢強さ、か」ローガンが頭をさげてみせた。「ほめ言葉だな。ありがとう」
 レイシーはうなずいた。「どういたしまして」
 そしてまた、ふたりはミルクを飲んだ。
 グラスを置くとレイシーは穏やかに言った。「このあとあなたがどう出るつもりか、わたしにはわかるわ。どうしてかしらね?」
 ローガンの笑顔は少し悲しげですらあった。「きみも認めてくれるだろう。ぼくは我慢してきた。ほめられてもいいほどだ。少なくとも、もう四十八時間くらいになるかな?」
「そうね、ローガン。よく我慢したわ」
「ぼくの求めるものは変わっていない。それに今、ひょっとしたらきみのほうも考えなおしてくれているのではないか、という気がするんだけど」
「もしかしたら、あなたの思っているとおりかもしれない」
「もしかしたら?」
「そっちからきいてくれなきゃ、答えられないわ」
 ローガンはわずかにレイシーの表情をうかがい、まじめな声で尋ねた。「ひざまずいたら、もっとうまくいくかな?」
「そうねえ……」レイシーは一瞬考えるふりをしてから答えた。「男の人がひざまずくのは見てみたいわね」
 まじめな顔つきこそ変わらなかったものの、彼の瞳は楽しげに輝いていた。「その言葉にはコメントを控えたい」
「賢い決断ね。きっと後悔しないですむわ」
 ローガンはナプキンをテーブルに置き、二歩でレイシーの横に来た。今日の彼はジーンズに黒のニットシャツといういでたちだ。これほどすてきな姿を見たことがない。でも実を言うと、ローガンを見るたび、これほどすてきな彼ははじめてだと思うのだけれど。
 彼が片膝を突いた。「お手をよろしいですか?」
 レイシーが手を差しだすと、ローガンは頭を垂れた。彼女は自分の手に彼の唇がやさしくふれるのを感じた。
 やがてローガンがレイシーを見あげた。その黒い瞳に輝いているものは愛情ではないかもしれない。でも、愛に負けないくらいすてきなものだった。
「ミズ・ブラボー……」
 レイシーはうつむき、彼の改まった口調に調子を合わせた。「ドクター・セベランス」
「ミズ・ブラボー、この数日のあいだに、わたしたちにはいろいろなことが起こりました。これだけのことがあれば、わたしの慎ましい望みをもう一度口にしても許されるのではないでしょうか」
 レイシーは片方の眉をあげて彼を見た。「慎ましい? あなたの望みが慎ましいですって?」
 ローガンはおどけて一瞬顔をしかめてみせたが、すぐにまた真剣な面持ちになった。「ミズ・ブラボー、ぼくと結婚してください」
「信じられない。本気なの?」
「ああ、本気だ」
 レイシーは大きく息を吸いこみ、それから一気に吐きだした。「驚いたわ」
 ローガンが再びレイシーの手にキスをした。心地よい震えが腕を駆けあがっていくのを彼女は感じた。
「ぼくはきみを養っていける」
「つまり……」レイシーはまた大きなため息をついた。「あなたは将来有望な人物ということ?」
「それ以上さ」
「それ以上ですって?」レイシーは目をぱちくりさせた。「詳しく説明してよ」
 ローガンがわざとらしく咳払いをする。「もちろんかまわないよ。きみが聞きたいのなら」
「聞きたいわ。とっても。恥ずかしがらなくていいから、あなたの持っているものを全部教えて」
「先に言っておこう。ぼくが持っているものは、すべてきみが思いどおりにできるんだ」
「あら、どんどんすてきな話になっていくわね。続けてちょうだい」
「そうだな……。ぼくには家がある。それに手がたい投資もしている」
「お父さまの遺産もたっぷりあったわね?」
「ああ。それもあるな」
「まあ、すてきだこと。先をどうぞ」
「ぼくは地元では尊敬される立場にある。そう言っても大げさではないと思うよ」
「あなたの地元というと……」レイシーは眉をひそめた。「カリフォルニアのメドウバレー?」
「そう、カリフォルニア州メドウバレーだ」
 レイシーはゆっくりと、ひどく意味ありげな笑みを浮かべた。「わたしもメドウバレーではちょっとした評判があるの」
 ローガンはまじめな表情を保っていたが、整った唇だけがかすかにゆがんだ。「ああ、聞いているよ。だがぼくは、そんなことは気にならない」
「やさしいのね、ドクター・セベランス」
「いつもそう言われるよ。で、どこまで話したっけ?」
「あなたは尊敬されていて……」
「ああ、メドウバレーではね。それに、充分な収入もある」
「マイナス面はひとつもないの?」
「きみはぼくの子供を産んだばかりだ。それを忘れちゃいけないよ」
 レイシーはそっとおなかに手をあてた。「忘れるものですか」
「それに……ぼくはきみに好意を持っている」
「好意ですって? だんだんわたし、気持が傾いてきたみたい。あなたって説得がうまいのね」
 ローガンがすっと立ちあがり、レイシーの目を見つめた。彼の表情はおどけたものから、もっと深い思いをたたえたものへと変わった。
 ローガンが彼女の名を呼ぶ。「レイシー……」
 震えがレイシーの全身を突き抜けた。

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