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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ロマンス

ドクターに夢中

ドクターに夢中


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リンダ・グッドナイト(Linda Goodnight)
 オクラホマ州で生まれ育つ。以前隣人だった超人気作家シャロン・サラがロマンス小説を執筆し始めたのを見て、小さな町の女性でも作家になれるのだと思った。看護師や小学校教師として働き、子育てをしながら、物書きのグループに参加しつづけて作家デビューした。六人の成人した子供がいる。

解説

 二年前に最愛の夫を亡くしたルーシーは、病気の義母をかかえて、リゾート島のホテルで働いている。実の両親とは疎遠になっている彼女にとって、今や義母の存在は、生きがいであり支えだった。ある日、ルーシーはホテル側の手違いでミスをおかし、滞在客ディエゴを怒らせてしまう。だがなぜか、それをきっかけに彼の存在が気になるようになった。もう二度と誰も愛せないと思っていたのに……。ディエゴも、ことあるごとに彼女に熱い視線を送ってくる。そんな矢先、ルーシーの義母の容態が急変する。
 ★リゾート島を舞台に繰り広げられるロマンスを描いたミニシリーズ『恋する楽園』の二作目です。今回はメリーの元で働くルーシーの物語です。貧しいながらも懸命に生きる彼女に心を打たれた資産家の軍医ディエゴは……。★

抄録

 ルーシーは広いリビングルームを横切ってバスルームに向かった。バスルームのドアを開けて一歩なかに足を踏み入れたとたん、男性らしい香りを吸いこんでしまい、息が止まりそうになった。
 正面のシンクの前に、完璧なたくましい体を持つ褐色の肌の男性が、一糸まとわぬ姿で立っていた。シンクの上の鏡に映ったオニキスのような黒い瞳に、驚きの色が浮かんだ。
 男性が肩越しに振り向き、問いただした。「なんの用だ?」
 ゆっくりとあとずさってドアのところに戻りながら、ルーシーは男性にタオルを差しだした。男性は彼女を凝視し続けている。
「わたしはホテルの従業員です。ミスター……」ルーシーは記憶のなかで男性の名を探した。たしかポケットベルに表示されていたはずだ。しかし、自分の名前すら思いだせないのに、客の名前を思いだすことなどとうてい無理だった。顔を赤らめながら、彼女は男性がタオルを受けとってくれるのを待った。「ノックにお答えがなかったので、どなたもいらっしゃらないと思ったのです。申し訳ありませんでした」
 長い腕を伸ばしてルーシーの手からタオルをとると、男性は優雅な動作で腰を覆った。これほどハンサムな、ほとんど裸の見知らぬ男性と同じ部屋にいることを意識すると、ルーシーの全身が熱くなった。服を着ていない客の前に立ったことなど、いままでなかった。
 そのとき、ルーシーの頭のなかに、ふっと男性の名前が浮かんできた。彼はドクター・ディエゴ・バルガスだ。
「それでは失礼します、ドクター・バルガス」ルーシーはきびすを返して歩きだそうとした。だが、足を一歩踏みだしたとたんにビーチサンダルが脱げてしまい、その場にとどまらざるを得なかった。
「待て」ディエゴがきつい口調で言い、ルーシーに近づいた。「きみは誰だ?なぜぼくの部屋に来たんだ?」
 ルーシーはサンダルをはき直し、彼の目を見つめた。「先ほども申しあげましたが、わたしはこのホテルの従業員です。タオルをお持ちするよう指示されたので、うかがったのです」
 彼は顔をしかめた。「このホテルの従業員はみんな水着を着ているのか?」
 しまった。ルーシーは心のなかで自分を責めた。プールでの仕事に備えて着替えたのをすっかり忘れていた。恥ずかしさで顔がますます赤くなり、胸の鼓動が激しくなる。「わたしはライフガードもしているのです」
 彼が片方の眉を上げた。
「それに、ウエイトレスやバーテンダーの仕事も……」ルーシーは説明に困り、口ごもった。
 映画俳優のアントニオ・バンデラスを彷佛《ほうふつ》とさせる魅力的な男性に出あったために、ルーシーの頭はショート寸前で、言葉がうまく口から出てこなかった。彼女はリゾート内のあらゆる場所で、あらゆる仕事をしている。ナオミの高額な治療費を稼ぐために、頼まれる仕事はなんでも引き受けているのだ。
「それに、スパの担当もしています」ルーシーはつけ加えた。
「それはすごい」
 形のいい唇が皮肉っぽくゆがんだのは、このハンサムな男性が彼女の説明に納得していないことを示していた。彼はルーシーの均整のとれた百六十五センチの体を眺め回した。
「きみは忙しい人なんだな」ディエゴがゆったりとした口調で、からかうように言った。「ほかにどんなサービスをしてくれるんだい?」
 彼のオニキスのような黒い瞳を見つめるうちに、ルーシーはどうかしてしまったらしかった。いけないことだとわかっていながら、彼女は視線を彼の目から胸もとへと移した。輝く水のしずくが彼の喉から胸もとへと滑り、革紐《かわひも》に下がる小さな金の十字架のネックレスを伝って、筋肉の発達した腹部を流れ落ちる。そしてさらに下へと……。
 ひと筋の水の流れに目を奪われながら、ルーシーはうわの空で答えた。「なんでもいたします……お客さまがお望みのことでしたら。お客さまに喜んでいただくのが、ラ・トルシェールのモットーです」
 言ってしまってから、彼女はこの場にふさわしい答えではなかったと気づいたが、もう遅かった。
「なんでも?」ディエゴがきいた。
「ええ。いえ、つまり……」
 これほど言葉につまるのは、生まれてはじめてだった。お互いに理解しあえるよう、この男性と話しあいたかったが、体を眺め回されて動揺していたこともあり、ルーシーは説明をあきらめて次善の策をとることにした。
「では、これで失礼します」
 彼女は足早にリビングルームを横切った。
 謎《なぞ》のブロンド女性の後ろ姿を眺めながら、ディエゴは彼女が突然この部屋に入ってきた理由を考えた。タオルを持ってくるよう頼んだ覚えはなかったし、世界中で豪華なリゾートを利用しなれている彼でさえ、水着姿でタオルを届けたり、多くの異なった仕事を口ごもりながら告げたりする従業員に会ったことはなかった。
 裕福なバルガス一族の一員で、社会的地位の高い医師であるディエゴは、つねに女性たちの興味を引く存在だった。女性たちが彼の資産や肩書きのために近づいてくるのを嫌って、彼は女性とのつきあいには慎重だった。
 この従業員も、彼の資産や肩書きに興味があるのかもしれない。だが、鏡越しに彼女を認めたとき、ディエゴの男性としてのアンテナが反応したのは事実だった。それも、信じられないほど激しく。


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