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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・コルトンズ

嘘つきな秘書

嘘つきな秘書


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・コルトンズ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 ヴィクトリア・ペイド(Victoria Pade)
 多数の作品がベストセラーリストに登場歴を持つ。コロラド州に生まれ育ち、現在もそこで暮らしている。ヒストリカルロマンスやミステリーなども執筆。本作を執筆にするにあたり、ワシントンDCに取材で訪れた彼女は、国際人になった気分になれたという。

解説

 辣腕弁護士ランド・コルトンの元秘書だったおばに頼み込まれ、ルーシーは気が進まないながらも彼の臨時秘書を引き受けた。聞きしにまさる横暴さと人使いの荒さに辟易するものの、彼のセクシーさと、ときおり見せる優しさに、しだいに心を惹かれていく。そんなある日、ランドが背中を怪我して動けなくなり、治るまでの間、ルーシーは彼の自宅へ出勤することになった。バスローブ姿のランドのたくましい体を目にして、彼女の思いは危険なまでに募り……。

抄録

「気分はよくなったかしら?」ルーシーは、まるでランドから頼まれた仕事以上のことはなにもしていないかのように尋ねた。
「ものすごく久しぶりに気分がいいよ」ルーシーを安心させるようにそうこたえたランドの声は、どことなく今までと違った。深みのある声になっている。
 突然、ランドの目がルーシーの瞳に釘づけになっていて、ふたりのあいだに親密な空気が流れ始めたような気がした。
 わたしの想像だろうか?
 おそらく。というのも、ルーシーはここから先はどうなるのだろう、どうなりたいのだろうと考えていたというのに、ランドはコーヒーテーブルに皿を置いて立ちあがったからだ。
「もうぼくは帰ったほうがいいね。そうすれば、きみも少しは自分の時間が持てる」
 わたしはなんてこたえればいいの? いいえ、もっとあなたといたいわって? もちろん、そんなことは言えない。
 そこでルーシーも立ちあがり、自分に言い聞かせた。今みたいに勝手にわきあがる衝動がこれ以上手に負えなくなる前にランドが帰ってくれてありがたいと思うのよ、と。
 玄関で、ルーシーはクローゼットからランドのコートを出し、コートから彼のアフターシェーブローションの香りが漂っていることには気づかないふりをした。着せかけてあげたい、両手をあの広い肩にかけて背中に這わせたいという思いに抗った。代わりに、彼女はコートをただ手渡した。
「明日の朝も車を迎えによこすけれど、一緒には出社しない」ランドはコートをはおりながら言った。「ロンドンの相手と電話会議をすることになっているから、ぼくは先に出社する」
「それじゃ、車のなかで今夜残した仕事をするわ」ルーシーは言った。これが本来の関係だとわかっていても、ふたりがまた上司と秘書に戻ったことが残念でならなかった。
 ランドは玄関のドアに向かったが、すぐ前まで来てもドアノブに手をのばそうとはしなかった。振り向いて、コバルトブルーの瞳でルーシーを見つめる。その熱のこもったまなざしのせいで、彼女は電気毛布に包まれているかのように全身が熱くなるのを感じた。
「今夜は通常の仕事の範囲を超えていたが、家族の問題に解決の糸口を見つけることができて本当に助かったよ。今までこの件については誰にも話したことがなかったから、客観的な意見を聞けてよかった。きみが提案してくれたことや、手助けを買ってでてくれたことは言うまでもない」
「たいしたことじゃないもの」ルーシーは控えめに言った。「わたしでお役にたつなら、喜んで協力するわ」
 ランドにじっと見つめられ、ルーシーはその男らしさに圧倒された。男らしく角ばった骨格、すっと通った鼻筋、きりりとした眉、そしてなんともセクシーな唇……。
 そのとき、突然、ランドにキスをされた。
 彼がさっと顔を寄せてきて、キスをしたのだ。
 短い挨拶のようなキスで、感謝の気持以外のなにものでもないはずだ。一瞬触れただけで、ルーシーが意識する前にもう離れていた。楽しむ間も、味わう間も、反応する間もなにもなかった。
 もう一度お願い! ルーシーは心のなかで叫び声をあげた。もう一度、今度はもっと長く!
 だが、もちろん、声に出して言ったりはしなかった。
「ありがとう」そうつぶやくように言ったランドの声は、先ほどよりさらに深みを増していた。
 ルーシーができたのは、うなずくことだけだった。もう一度キスをしてほしいという欲求にわれを忘れていて、言葉などなにも思い浮かばなかった。
「じゃあ、また明日」ランドはそう言って、ドアを開けた。
「明日ね」ルーシーがかろうじてこたえると、ランドは出ていき、家の前の歩道ぞいにとめたシルバーのジャガーへと歩いていった。
 そして車に乗りこむと、ランドは走り去った。とり残されたルーシーは開け放した玄関に立ちつくし、外を見つめたまま欲求を感じていた。
 今のキスはただ感謝のしるしにしただけなの? ルーシーはそう自問せずにはいられなかった。
 そうであったほうがいいのだろう。だけど、ああ、どんなにそうであってほしくないと思っていることか。
 そのとき犬を連れた男性が通りかかったので、ようやくルーシーはわれに返り、ドアを閉めた。ドアを開け放したままここに立っていても、ランドを呼び戻すことはできないのだから。
 もしそうできるのなら、ひと晩じゅう立っているかもしれない。
 今はなによりも、ランドに戻ってきてもらって、もう一度キスをしてほしかったから。
 あんなたわいない、キスとも言えないキスでこれだけ血がたぎっているのに、どうして願わずにいられるだろう?

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

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