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砂の王宮のシンデレラ

砂の王宮のシンデレラ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニー・ルーカス(JENNIE LUCAS)
 本屋を経営する両親のもとたくさんの本に囲まれ、アメリカ、アイダホ州の小さい町で遠い国々を夢見て育つ。十六歳でヨーロッパへ一人旅を経験して以来、アルバイトをしながらアメリカじゅうを旅する。二十二歳で夫となる男性に出会い、大学で英文学の学位を取得した一年後、小説を書き始めた。現在、幼い子供ふたりの育児に追われながらも執筆活動を通して大好きな旅をしているという。

解説

 最愛の人のために守ると誓った純潔。
 もし、その相手があなただったなら……。

 貧しい家に生まれ、身持ちの悪い母と姉を見て育ったアイリーン。彼女はただ一つ、自分に誓っていることがあった──愛する人とめぐり逢い結婚するまで、純潔を守り通すこと。だが親友の結婚式で彼を見たとき、一瞬その決意が揺らいだ。プレイボーイと噂の砂漠の国の首長シャリフがあまりに美しく、あまりにセクシーで、あまりに尊大だったから。シャリフはうぶなアイリーンをやすやすと誘惑して唇を奪うと、いつものごとく強引に彼のベッドへ連れ去ろうとした。ところが彼女の予想外の拒絶に遭い、酷く困惑したようだった。翌朝、アイリーンはシャリフから今度は驚くべき提案をされて……。

 ■乗りに乗っている人気作家ジェニー・ルーカスの、胸に迫るせつないシークのロマンスです。徐々に明らかになるシークの悲しい過去、無垢なヒロインの思い……もう涙が止まらない!

抄録

「アイリーン」背後から彼の声がし、体にぞくりと興奮が駆け抜けた。「まぶしいくらいすてきだ」
 アイリーンは笑顔で振り返り、タキシード姿のシャリフが目に入るや、心臓が喉元までせり上がった。どうして彼はここまで格好よくなれるの?
 シャリフはアイリーンの手を取って口づけた。彼の唇が触れ、かすかに熱い息を感じただけで、全身がかっと熱くなる。彼はにっこりと腕を差し出した。
「さあ、みんなに見せに行こう」
 今回は少しも躊躇せずに彼の腕に手をかけた。二人は舞踏室へ入り、大勢の視線を感じながら何度も踊り、シャンパンを飲み、幸せな新婚夫婦に乾杯をし、また踊った。そしてありとあらゆる話をした。シャリフにほほ笑みかけると、彼はアイリーンをじっと見下ろし、視線で彼女を愛撫した。
 一言一言が、一瞬一瞬が、不思議な魔力と心地よい緊張に満ちているようだった。アイリーンは幸せに酔いしれていた。心ならずも、シャリフの腕に抱かれるのはどんな感じだろうという思いが頭をよぎる。この数時間だけでなく、今夜一晩だけでもなく、明日も、明後日も。
 音楽に合わせて踊りながら、シャリフはアイリーンの顔から後れ毛をそっと払い、セクシーな笑みを見せた。彼の柔らかい指先が触れただけで踊っているのを忘れかけ、アイリーンは思わずつまずいた。するとシャリフは優雅な動作で彼女の背中を支え、そのまま背中をそらせるようなポーズを決めた。
「ありがとう」アイリーンは息をのんだ。
 彼の目は熱を帯びている。「どういたしまして」
 背中を床とほぼ平行にそらしている時間が数分にも数時間にも思える。ベッドで彼に見下ろされるのはこんな感じかしらと思うとどきどきした。膝がぐらついて倒れそうになると、シャリフの手に体を起こされ、たくましい体にきつく抱き寄せられた。
 彼のシャツに頬が押し当たる。彼のぬくもりと力強さを感じ、彼の胸の鼓動も聞こえる気がした。
 シャリフは踊るのをやめ、荒く息を吸い込んだ。
「アイリーン」低い声で言う。
 アイリーンは恐怖に襲われた。興奮かもしれないが、もはや違いはわからない。わかるのは、これから何が起こるのか、そしてそれを止める術はないということだけ。止めたくはない。ゆっくりとシャリフの胸から身を引き、顔を上げて彼と目を合わせる。
 シャリフの目には暗い炎が燃えていた。彼の両手がむき出しの肩を包み込み、そっと背中までなで下ろす。ごつごつした手の感触を、大きさを、力を感じる。指先が腕から首までなで上げ、親指の先がうずく唇をそっとなぞった。触れられた場所はじりじりと熱くなり、彼が欲しくてたまらなくなる。
 彼の手が顔を包み、ぐいっと上に向かせた。彼の温かい息と熱く硬い体を感じたとたん、時が止まったように思えた。周囲の人々を忘れ、踊るのも忘れ、理性的な考えもすべて忘れた。息をするのさえ。
 シャリフの顔が下がり、二人の唇が重なった。
 こんなキスは初めてだった。二年前のカーターのぞんざいなキスの記憶は一瞬にして消え去った。彼の唇は力強く、熱く、甘く、優しい。音楽も消え、聞こえるのはどくどくと脈打つ血管の音だけ。体と心を駆け巡る歓喜の荒波にのまれ、体の力が抜けていく。アイリーンはシャリフの肩をぎゅっとつかんだ。このキスだけが自身を救ってくれるかのように。
 私は彼を求めている。偉大なる大富豪のシークを。私にとってただのシャリフになってくれた彼を。たとえそのせいで私の心が打ち砕かれようとも……。
「花火だ! ごらん! 花火が上がった!」
 さまざまな言語でその台詞が飛び交い、人々が歓声をあげてテラスに出ていくのがわかった。シャリフが体を引いたので、アイリーンはゆっくりと目を開けた。ハンサムな顔と欲望にけぶる黒い目が見え、思わずどぎまぎした。そして、その目に浮かぶのは欲望だけではないのに気づいた。
 うぬぼれ。してやったりと言わんばかりの満足感。
 アイリーンは目をしばたたき、深く息を吸った。
「いったい何を考えているの?」小声できいた。
「わからないか?」シャリフは首をかしげ、欲望に燃える目で見下ろしながらアイリーンの頬をなでた。「君を誘惑しているんだ、アイリーン」
 衝撃がアイリーンの全身を貫いた。ちくちくした痛みが体を駆け上がり、耳たぶから胸へ、さらに下へと駆け下りる。「私を――誘惑しているの?」
「花火は放っておこう」シャリフが耳元でささやく。「僕の部屋に戻って、二人の花火をあげるんだ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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