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恋の罪、愛の罰 ファム・ファタールの息子たち I

恋の罪、愛の罰 ファム・ファタールの息子たち I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンスファム・ファタールの息子たち
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アビー・グリーン(Abby Green)
 ロンドン生まれだが、幼少時にアイルランドに移り住む。十代のころに、祖母の愛読していたハーレクインのロマンス小説に夢中になり、宿題を早急に片づけて読書する時間を捻出していた。短編映画のアシスタント・ディレクターという職を得るが、多忙な毎日の中でもハーレクインの小説への熱はますます募り、ある日辞職して、小説を書きはじめた。

解説

 息子の存在を隠していたのはあなたのせい。
 なのにこれほどの責めを負わされるなんて!

 「サマンサ?」電話の向こうで、けっして忘れられない声が言った。サムをそう呼ぶのはラファエレしかいない。二人は4年前、ミラノで恋に落ち、激しく愛しあった。その結果が予想外の妊娠。ラファエレのあからさまな拒絶に、サムは流産したと嘘をついて彼のもとを去った。しかし息子の存在を知ったラファエレは激怒し、親子の絆を取り戻すために3人で暮らすことを強要してきた。サムの神経は限界まで追いつめられているのに、ラファエレは容赦なく彼女を罰しつづける――昼も夜もともに過ごし、彼への思いを燃え上がらせることで。かつて二人がどれほど情熱的に求め合ったか、思い出させることで。でもいくら望んでも、二度とラファエレに愛される日は来ない……。

 ■奔放で贅沢好きな母を持ったために、愛を信じられなくなってしまった御曹司たち。彼らの心を開いてくれるのは……? 今月から3カ月連続で、3大ラテンヒーローの激しい愛のドラマを、要注目の作家アビー・グリーンがミニシリーズでお贈りします。

抄録

 いつの間にか近づいていたラファエレが腕を伸ばし、サムの顎を手で包みこんだ。その手は力強かった。指先がちょっと硬くなっているのは、経営者にもかかわらず、エンジンをいじるのが好きなせいだろう。そういうところが最初に惹かれた理由のひとつだった。二度と味わうことはないだろうと思っていた感触に、体の細胞すべてがうれしそうに反応している。全身が熱くなり、溶けていく気がする。
 そのとき、ラファエレがサムの心の傷を広げるようなことをささやいた。「仕返しの始まりだ、サマンサ。三年以上もぼくから息子を奪っていた報いを、受けてもらおう」

 一瞬、ラファエレは自分がどこにいて、だれに話しかけているのか忘れそうになった。指先で触れたサムの肌はまるでシルクのようで、そのまま手をすべらせてうなじを包みこんで引き寄せたい、という衝動に負けそうになる。そうやって体を密着させて、あのピンクの薔薇のつぼみを思わせる唇に……。そこで突然、自分がなにをしているか気づいた。
 ラファエレはかすれた声で毒づき、手を引っこめてあとずさりをした。サムは大きなグレーの目で彼を見つめていた。顔は紙のように白く、両方の頬だけが淡いピンクに染まっている。
 やりかたを変えて、サムは嘆願するように手を差し出し、ハスキーな声でささやいた。「お願いよ、ラファエレ。わたしたちには話し合いが必要――」
「必要ない」言葉の途中ではねつけるように言われ、サムは黙りこんだ。歯ぎしりをしながら、ラファエレが言った。「きみが男だったら……」
「男だったら……なに? 叩きのめしていた? なら、どうしてそうしないの?」
「ぼくは女性には手を上げない。さらに言えば、男に対しても同じだ。それでも、あの子が息子だと気づいたときは、初めてきみを殴りたくなった」
 ラファエレはあふれる言葉を止められなかった。ショックがよみがえり、全身をめぐる。
「マイロはぼくの息子だ、サマンサ。ファルコーネ家の血を引く一員なんだぞ。まったく、なぜあの子の人生からぼくを切り捨てる権利があると思った?」
 さらに体をこわばらせ、サムはもっと顎を突き出した。頬が赤く染まっていく。「あの日、あなたは病院から急いで出ていこうとしてつまずきかけたくらいだったのよ。ほんとうに流産したのかどうか、わたしに確認しようと思いつきもしなかったのは、子どもがほしくなかったからだわ」
「たしかに、子どもを持とうと思ったことは一度もない」ラファエレはきっぱりと認めた。
 サムは振り絞るように言った。「あの日からほんの一週間後、あなたが別の女性といっしょにいるのをテレビで見かけたら、会いに行って真実を告げる気も失せてしまったわ」
 サムの息は乱れ、胸は上下していた。それを見たとたん、下腹部を熱いものが突き抜けたが、ラファエレは無理やり抑えこんだ。サムの顔に気持ちを集中させて、実は彼女と別れてから一年間、女性とベッドをともにしなかったことは忘れようとする。そういう機会が訪れるたびに、体の奥でなにかのスイッチが切れたのだ。そしてそれ以降はというと、女性との関係で満足したことは一度もなかった。今、その事実を思い出すはめになったのがいらだたしい。
 彼女が苦しげに言った。「わたしたちの関係がどんなものだったかは、忘れようにも忘れられない。セックスしただけでしょ? 会話も、ふたりでくつろぐひとときもなく、ただ裸のままベッドで過ごした。あなたの態度ははっきりしていたわ、ラファエレ。ぼくを好きになるなと、何度も何度も言っていたのは、そのつもりがなかったからでしょう」
「でも結局、きみはぼくを好きになった。そうだろう?」自分を抑えきれず、ラファエレが批判がましく言うと、サムは真っ青になった。
「あなたを愛していると思っていたわ」そう言って、口をゆがめる。「だって、あなたはわたしの初めての恋人だったのよ。初体験の相手に夢中になるのはふつうでしょう?」
 ラファエレの頭の中が、ベッドに横たわるサムの裸体でいっぱいになった。豊かなまるい胸、細い腰、すらりと長い脚。透きとおるような白い肌は雪花石膏そっくりだった。しかも、彼女には男性経験がなかった。なめらかで、きつく、熱い場所にはじめて体を沈めた感触を、ぼくはけっして忘れないだろう。あんなに官能的な記憶はほかになかった。ショックに息をのんだ彼女が、やがて喜びのあえぎ声をあげたことも忘れられない。
 サムはつづけた。「でも、心配しないで。わたしはすぐに立ち直って、あのころの思いの浅はかさに気づいたから。妊娠と赤ちゃんという現実と向き合ったのがきっかけよ」
「現実?」ラファエレは歯ぎしりをした。「それは、きみがひとりで立ち向かおうと決めた状況のことだな。これは罰なのか、サマンサ?」ラファエレは尋ね、さらにつづけた。「深い関係を求めずに、きみと別れた罰か? 結婚前提で付き合わず、赤ん坊を望まなかったのが悪かったのか?」
 ラファエレの中の悪魔はしゃべりつづけた。
「いや、問題は、きみがぼくを好きになったことじゃないのか? ぼくが好きにならなかったものだから、きみは腹を立て、罰することにしたんだ。どう考えても、そうとしか思えない……」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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