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熱いサンクチュアリ 華麗なるシチリア VII

熱いサンクチュアリ 華麗なるシチリア VII


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス華麗なるシチリア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ケイトリン・クルーズ(Caitlin Crews)
 ニューヨーク市近郊で育つ。12歳のときに読んだ、海賊が主人公の物語がきっかけでロマンス小説に傾倒しはじめた。10代で初めて訪れたロンドンにたちまち恋をし、その後は世界各地を旅して回った。プラハやアテネ、ローマ、ハワイなど、エキゾチックな地を舞台に描きたいと語る。

解説

 情事の舞台は、億万長者の豪奢な隠れ家。

 エレナは逃げていた。暴力をふるう婚約者から。陸地にいてはきっと見つかってしまう。そう考えた彼女は、豪華なクルーザーの掃除人兼雑用係として働き始めた。だがそこでエレナは、元婚約者よりも恐ろしい男と鉢合わせする。アレッサンドロ・コレッティ――悪名高いシチリア名家の跡取りだ。数カ月前、婚約者に連れていかれたパーティで、2人は出会っていた。あのとき、アレッサンドロはエレナをひと目見るなり、「あいつとは結婚するな。きみはぼくのものだ」と言ったのだ! エレナがとうに婚約破棄したとは知らないアレッサンドロは、クルーザーを発進させ、所有する島にエレナを連れ去ったのだった。

 ■シチリア名家を取り巻く人々の愛憎を描いた作家競作8部作〈華麗なるシチリア〉もいよいよ終盤。意味深長な会話とホットなラブシーンが印象的なC・クルーズが筆を執ります。次回はついに最終話――若手ナンバーワン作家M・イエーツが禁断の愛を描きます。

抄録

「彼に言われたわ。私をひと目見た瞬間、人生が一変したって」エレナはニッコロがハンサムでにこやかな通りすがりの人にすぎなかった頃のことを思い起こしながら言った。「村の上にある丘から自分で摘んできた花を届けてくれたり、海辺を一緒に散歩したり。彼に夢中にならずにはいられなかった。ニッコロは……私が出会ったなかで、いちばんロマンチックな男性よ」
「うさん臭い話だな」
 彼の意見に賛成できなくはないけれど、そんなそぶりは見せられない。エレナは鼻を鳴らした。「血の通わないビジネス契約が結婚の盤石な土台になると考える男性が、よく言うわ」
「だが僕はガマガエルじゃない」アレッサンドロは、目と唇の端に暗い喜びをにじませて指摘した。「それに、アレッシアは僕が優しかったから結婚を承諾したんじゃない。彼女の父親がそれを望んだからだ。僕が彼女に与える人生が贅沢で安楽なものだったからだ」そう言って皮肉っぽく眉を上げる。「いわゆる打算だな。僕たちの境遇はまるで正反対だ」
「本当ね」エレナは彼に笑みを向けた。「ニッコロが私を祭壇に残して立ち去るとも思えないし」
 アレッサンドロにしばらくじっと見つめられ、エレナはその怖いほどのまなざしにおののいた。彼の発散する熱がそよ風のように肌をかすめて鳥肌が立つ。彼はエレナを見つめたままナプキンをテーブルに放り、席を立った。流れるような優美さで。
 それでいて力強く、男らしさにあふれていた。
 逃げるのよ。エレナは自分に命じた。でも、とても動けそうにない。
 アレッサンドロがテーブルをまわり、背後にやってくる。息を吸うと胸が痛かった。息を止めても痛い。彼の両手が肩にのせられる。軽く、さりげなく、ほとんど礼儀正しいと言っていい。肌の熱さがきっと彼にも伝わっているわ、とエレナは思った。彼に触れられると、いつも私は赤々と燃える熱い炎と化してしまう。
「それなら、僕にも夢中になってくれ」
 アレッサンドロが上体をかがめ、エレナの耳もとにささやいた。くすぐるような彼の息が引き金になり、否定しようのない激しい欲求がわき起こる。
「必要なら草地からきみに花を摘んでくる」
「やめて」エレナは即座に返したが、その声はひどく弱々しかった。
「僕はきみを月の下に横たえよう」アレッサンドロはエレナの声など聞こえなかったように続け、片方の手を彼女の髪の下へと動かしてうなじの感じやすい肌を撫でた。「そして、感傷的な物語ではない唯一の愛を実践する。本物の愛を」
 そのときにはもう、エレナは体の震えを抑えられなくなっていた。彼はセックスのことを言っているんだわ。
「約束するよ、エレナ」アレッサンドロは、ニッコロの言葉をそのまま武器のように使った。「きみの人生はもういままでと同じではなくなる」
 心臓が肋骨にぶつかる。破裂するのではないかと不安になるほどの激しい動悸。私の負けだ。アレッサンドロの腕にしっかりととらえられ、自分を救い出すべき理由をただのひとつも考えられない。
 アレッサンドロの手が下がり、エレナを椅子から引き上げた。彼女が震える足で立ち、体の向きを変えて彼の美しい顔を見られるように。
 エレナの顔に視線を巡らせてアレッサンドロが顔をしかめ、もう一度、彼女の二の腕をとらえた。続いて親指で素肌を撫でられるや、彼のつくり出した衝撃波は体の芯を目がけて矢のように飛んだ。
 うずいている場所へ。熱くとろけている場所へ。
「だめだ」アレッサンドロの声は切迫感でざらついていた。「もう逃げないでくれ」
「でも、行かないと」エレナはそう答えたが、彼から目をそらすことはできなかった。動くことも。
「この島にはきみと僕と、秘密厳守のためにたっぷり金を払っているスタッフしかいない」
 誘惑と要求のすべてを込めたアレッサンドロの言葉に、エレナはめまいがするほどの熱を感じた。
「きみのすることを見る者も知る者もいない。きみがあとで嘘をついても否定する者はいない」
「そうでしょうね」エレナは静かに応じた。
 するとアレッサンドロの表情が変わり、エレナは自分が致命的なミスを犯したことに気づいた。二人のあいだの空気が炎となって燃え上がる。彼の顔が残忍なまでの勝利感に輝き、固い唇は弧を描いていた。
「それに、きみの道徳基準がどのあたりにあるか、僕たちは二人とも知っている」
「あなたには近づかないわ」慌てて言ったが、もはや手遅れだった。
「きみが嘘をつくのはいい兆候だ」その瞬間の彼は人間というより狼だった。「承っておくよ」
 強引に引き寄せられるといやでも震えが走り、エレナの体は彼に従っていた。抵抗すべきなのはわかっていた。
 だが、彼女はしなかった。
 抵抗しようとさえしなかった。
 アレッサンドロに唇を奪われ、キスはすぐに傲慢で情け容赦のないものに変わった。なすすべもなく、エレナは彼にもたれてとろけ、爪先立ちになって彼のキスに応えた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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