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ハーレクイン・ロマンスセット 10

ハーレクイン・ロマンスセット 10


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・デジタルセットハーレクイン・ロマンスセット
価格:2,280pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アビー・グリーン(Abby Green)
 ロンドン生まれだが、幼少時にアイルランドに移り住む。十代のころに、祖母の愛読していたハーレクインのロマンス小説に夢中になり、宿題を早急に片づけて読書する時間を捻出していた。短編映画のアシスタント・ディレクターという職を得るが、多忙な毎日の中でもハーレクインの小説への熱はますます募り、ある日辞職して、小説を書きはじめた。

 リンゼイ・アームストロング(Lindsay Armstrong)
 南アフリカ生まれ。現在はニュージーランド生まれの夫と五人の子供たちとともに、オーストラリアで暮らす。オーストラリアのほとんどの州に住んだことがあり、農場経営や馬の調教など、普通では経験できない職業を経てきた。彼女の作品にはその体験が大いに生かされている。

 ケイト・ヒューイット(Kate Hewitt)
 アメリカ、ペンシルバニア州で育つ。大学で演劇を学び、劇場での仕事に就こうと移ったニューヨークで兄の幼なじみと出会い結婚した。その後、イギリスに渡り六年間を過ごす。雑誌に短編を書いたのがきっかけで執筆を始め、長編や連載小説も手がけている。読書、旅行、編みものが趣味。現在はコネチカット州に夫と三人の子供と住む。

 ケイトリン・クルーズ(Caitlin Crews)
 ニューヨーク市近郊で育つ。12歳のときに読んだ、海賊が主人公の物語がきっかけでロマンス小説に傾倒しはじめた。10代で初めて訪れたロンドンにたちまち恋をし、その後は世界各地を旅して回った。プラハやアテネ、ローマ、ハワイなど、エキゾチックな地を舞台に描きたいと語る。

解説

 ★お得なセット価格★ハーレクイン・ロマンス4作品収録。

 『恋の罪、愛の罰』――4年前、サムは内緒でラファエレの息子を産んだ。事実を知った彼は、サムを容赦なく責めつづける。その激しさはある夜、思いもよらない事態を招いた!

 『唐突な愛撫』――この人は私をからかっているの? ハリエットはダミアンの真意がわからなかった。屋敷の美術品の整理を依頼しておきながら、面接の席でキスするなんて!

 『プリンスの冷たいキス』――政略結婚と知りつつ、アリスは王子リオの花嫁になる。憧れ続けた彼にいつか愛されることを夢見て。そして一度も結ばれぬまま、ハネムーン先のカリブの島に。

 『熱いサンクチュアリ』――暴力をふるう婚約者から逃げ、豪華クルーザーで掃除人として働いていたエレナ。だが船の持ち主アレッサンドロは、以前彼女を婚約者から奪おうとした男で……。

抄録

 一瞬、ラファエレは自分がどこにいて、だれに話しかけているのか忘れそうになった。指先で触れたサムの肌はまるでシルクのようで、そのまま手をすべらせてうなじを包みこんで引き寄せたい、という衝動に負けそうになる。そうやって体を密着させて、あのピンクの薔薇のつぼみを思わせる唇に……。そこで突然、自分がなにをしているか気づいた。
 ラファエレはかすれた声で毒づき、手を引っこめてあとずさりをした。サムは大きなグレーの目で彼を見つめていた。顔は紙のように白く、両方の頬だけが淡いピンクに染まっている。
 やりかたを変えて、サムは嘆願するように手を差し出し、ハスキーな声でささやいた。「お願いよ、ラファエレ。わたしたちには話し合いが必要――」
「必要ない」言葉の途中ではねつけるように言われ、サムは黙りこんだ。歯ぎしりをしながら、ラファエレが言った。「きみが男だったら……」
「男だったら……なに? 叩きのめしていた? なら、どうしてそうしないの?」
「ぼくは女性には手を上げない。さらに言えば、男に対しても同じだ。それでも、あの子が息子だと気づいたときは、初めてきみを殴りたくなった」
 ラファエレはあふれる言葉を止められなかった。ショックがよみがえり、全身をめぐる。
「マイロはぼくの息子だ、サマンサ。ファルコーネ家の血を引く一員なんだぞ。まったく、なぜあの子の人生からぼくを切り捨てる権利があると思った?」
 さらに体をこわばらせ、サムはもっと顎を突き出した。頬が赤く染まっていく。「あの日、あなたは病院から急いで出ていこうとしてつまずきかけたくらいだったのよ。ほんとうに流産したのかどうか、わたしに確認しようと思いつきもしなかったのは、子どもがほしくなかったからだわ」
「たしかに、子どもを持とうと思ったことは一度もない」ラファエレはきっぱりと認めた。
 サムは振り絞るように言った。「あの日からほんの一週間後、あなたが別の女性といっしょにいるのをテレビで見かけたら、会いに行って真実を告げる気も失せてしまったわ」
 サムの息は乱れ、胸は上下していた。それを見たとたん、下腹部を熱いものが突き抜けたが、ラファエレは無理やり抑えこんだ。サムの顔に気持ちを集中させて、実は彼女と別れてから一年間、女性とベッドをともにしなかったことは忘れようとする。そういう機会が訪れるたびに、体の奥でなにかのスイッチが切れたのだ。そしてそれ以降はというと、女性との関係で満足したことは一度もなかった。今、その事実を思い出すはめになったのがいらだたしい。
 彼女が苦しげに言った。「わたしたちの関係がどんなものだったかは、忘れようにも忘れられない。セックスしただけでしょ? 会話も、ふたりでくつろぐひとときもなく、ただ裸のままベッドで過ごした。あなたの態度ははっきりしていたわ、ラファエレ。ぼくを好きになるなと、何度も何度も言っていたのは、そのつもりがなかったからでしょう」
「でも結局、きみはぼくを好きになった。そうだろう?」自分を抑えきれず、ラファエレが批判がましく言うと、サムは真っ青になった。
「あなたを愛していると思っていたわ」そう言って、口をゆがめる。「だって、あなたはわたしの初めての恋人だったのよ。初体験の相手に夢中になるのはふつうでしょう?」
 ラファエレの頭の中が、ベッドに横たわるサムの裸体でいっぱいになった。豊かなまるい胸、細い腰、すらりと長い脚。透きとおるような白い肌は雪花石膏そっくりだった。しかも、彼女には男性経験がなかった。なめらかで、きつく、熱い場所にはじめて体を沈めた感触を、ぼくはけっして忘れないだろう。あんなに官能的な記憶はほかになかった。ショックに息をのんだ彼女が、やがて喜びのあえぎ声をあげたことも忘れられない。
 サムはつづけた。「でも、心配しないで。わたしはすぐに立ち直って、あのころの思いの浅はかさに気づいたから。妊娠と赤ちゃんという現実と向き合ったのがきっかけよ」
「現実?」ラファエレは歯ぎしりをした。「それは、きみがひとりで立ち向かおうと決めた状況のことだな。これは罰なのか、サマンサ?」ラファエレは尋ね、さらにつづけた。「深い関係を求めずに、きみと別れた罰か? 結婚前提で付き合わず、赤ん坊を望まなかったのが悪かったのか?」
 ラファエレの中の悪魔はしゃべりつづけた。
「いや、問題は、きみがぼくを好きになったことじゃないのか? ぼくが好きにならなかったものだから、きみは腹を立て、罰することにしたんだ。どう考えても、そうとしか思えない……」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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