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殿下に捧げる初恋 青き海のプリンスたち I

殿下に捧げる初恋 青き海のプリンスたち I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ青き海のプリンスたち
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 レベッカ・ウインターズ(Rebecca Winters)
 アメリカの作家。十七歳のときフランス語を学ぶためスイスの寄宿学校に入り、さまざまな国籍の少女たちと出会った。これが世界を知るきっかけとなる。帰国後大学で、多数の外国語や歴史を学び、フランス語と歴史の教師になった。ユタ州ソルトレイクシティに住み、四人の子供を育てながら執筆活動を開始。これまでに数々の賞を受けたベテラン作家である。

解説

 ずっと胸の奥で燃え続ける恋がある。
 かなわないとわかっていても。

 護衛隊長の父とともに宮殿で暮らし始めた12歳のときから、アビーはヴィンチェンツォ皇太子を兄のように慕い、憧れていた。けれど身分の違いは明らかで、彼はやがて近隣国の王女と結婚し、彼女は良き友人として密かな恋心を封印した。やがて28歳になり、アビーは胸に大きな秘密と不安と喜びを抱えていた。子宝に恵まれぬ皇太子夫妻の代理母として、彼の子を身ごもっているのだ。不幸にも、皇太子妃は先日、不慮の事故で亡くなってしまったが。ヴィンチェンツォを励ますためにも、元気な赤ちゃんを産まなければ! しかし、アビーが宮殿にいられるのは出産までという契約。愛する皇太子との別れが、刻一刻と近づいていた……。

 ■大きな愛で読む人の心を潤す作家、R・ウインターズの最新2部作〈青き海のプリンスたち〉がスタート! 皇太子を想う気持ちは誰よりも深いのに隠し通さなければならない切なさ。皇太子の義母や姉から厳しい言葉を投げられ、心は今にも潰れてしまいそうで……。

抄録

「どれもとてもおいしかったわ」
 彼の黒い目に笑みが浮かんだ。「今夜は食欲があるね。いいことだ。これからもちょくちょくこういう機会を設けることにしよう」
 だめよ、それはだめ。「そんなにちょくちょくここで食べていたら、さっきあなたが言ったように鯨みたいに大きくなってしまうわ」
 彼はおかしそうに笑った。「そうかな?」
「そうよ」
 アビーがデザートのレモンタルトを味わっているとき、ヴィンチェンツォはコーヒーを飲みながら言った。「個人的なことをきいてもいいかい?」
 個人的なこと? アビーは身構えた。わたしが心の奥でひそかに思っていることがわかるのかしら?「何が知りたいの?」
「これまできみに特別な男性はいたのかい? いたのなら、なぜ結婚しなかったんだ?」
 ええ、いるわ。わたしの目の前に。そう思ったとたん、頬がかっと熱くなった。
「高校生のころにはボーイフレンドはいたけれど、大学に入ったら勉強で忙しくて。ロースクールに通っているときは判事の助手をしていて、その判事は週に百二十時間働くのが当たり前だと思っていたから、誰かとつき合う時間なんてほとんどなかったわ」
「ぼくの毎日の生活みたいだ」ヴィンチェンツォが言い、それが冗談ではないとアビーにはわかっていた。「この話は今までしたことはなかったけれど、前から不思議に思っていたんだ。最初は自分の子どもを産みたいとは思わなかったのかい?」
 アビーはうめき声をのみ込んだ。十代のころ、ヴィンチェンツォと結婚して子どもを産むことをどれだけ夢見ていたことか。それを知ったら、彼はどう思うだろう? その夢はある意味、かなったのだ。現実に彼の子どもを宿しているのだから。ただ、わたしの子どもではないというだけ……。
 アビーはごくりと唾をのんで口を開いた。「母親になりたいと昔から思っていたわ。わたしはいい母親になる自信があるの。母は早くに亡くなってしまったけれど、わたしは母に愛されて幸せな子ども時代を過ごしたから。でも、母親になることだけがわたしの人生の目標ではないの。母親になるということは、愛する男性と結ばれた結果だと思っているのよ。うちの両親みたいに。カロリーナは、わたしの父ほどすばらしい人はいないから、絶対にそんな人は見つからないって言うけれど」
 本当はヴィンチェンツォほどすばらしい人はこれまでいなかったし、これからも現れないだろうから、ほかの男性に興味が持てないだけだとしても。
「お父さんは幸せだな。きみとお母さんにそれほど深く愛されて」
 彼の声が沈んでいるような気がして、アビーは言った。「ミケリーナ妃殿下もそんなふうにあなたを愛していたでしょう。生まれてくるお子さんだってそうよ」
 ヴィンチェンツォは何も言わず、その表情からも何を考えているのかわからなかった。
 最初の花火が上がり、鮮やかな色の火花が夜空に散った。だがアビーはそれを心から楽しめなかった。さっきまではなごやかな雰囲気だったのに、今は重苦しい空気が垂れ込めていたからだ。
「夕食に出かけるのはあまりいい考えじゃないかもしれないわね、殿下」
「ヴィンチェンツォと呼んでくれるんじゃなかったのか?」
 また彼を怒らせてしまったのかしら? それだけは避けたかったけれど、いやでも彼とは距離を置いておかなければならない。「あなたは今も妃殿下の死を悼んでいるわ。だから、こうして食事に連れてきてもらったことは感謝しているけれど、あなたが妃殿下としていたことを別の誰かとするのは、まだ早すぎるんじゃないかしら? 妃殿下を最後にここに連れてきたのはいつなの?」
「ミケリーナをここに連れてきたことはない」
 アビーは驚き、息をのんだ。「そう。でも、こんなふうに食事に出かけた夜は妃殿下のことを思い出すでしょう」
 ヴィンチェンツォは口をつけていないワイングラスの柄をもてあそんだ。「祭りの開催を宣言したとき、春の気配を感じた。今夜も春の気配がする。新しい始まりの予感だ」彼はアビーの視線をとらえ、心の内を探るようにじっと見つめた。「だから過去を振り返るのはもうやめて、目の前に開けている未来を楽しみたい」
「もうじきあなたの赤ちゃんも生まれるから、きっとすばらしい未来になるわね」
「あと数カ月待たなきゃならないけどね。それまできみにも楽しんでもらいたい。その手助けならいくらでもするから」
 まるで妃殿下の話はもうしたくないみたい。アビーはそう感じた。きっとまだつらすぎて話す気にはなれないから気をまぎらわせたいのだろう。でも、わたしにその相手は務まらない。そんな勇気はないわ。
「わたしはもうあなたと食事をして楽しんでいるわ。思い出に残る夜をありがとう」
「どういたしまして。だったら、これからはもっと楽しいことをしよう」
「だめよ、ヴィンチェンツォ。あなたのそばで働いている人にわたしたちが一緒にいることを知られたら、噂になってしまうから」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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