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シンデレラと聖夜の奇跡

シンデレラと聖夜の奇跡


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆3
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著者プロフィール

 ルーシー・モンロー(Lucy Monroe)
 アメリカ、オレゴン州出身。姉の影響でハーレクインのロマンス小説を読み始めた。大学在学中に“生涯でいちばんすてきな男性”と知り合って結婚し、子供が生まれてからは母親としての道を選んだ。十八歳の夏に家族で旅行に行ったヨーロッパが忘れられず、今も時間があれば旅行を楽しんでいる。

解説

 極秘かつ前代未聞の求人情報――
 それは、“大富豪との愛なき結婚”

 弟の学費を工面できずに苦悩していたオードリーは、仕事の休憩中に上級秘書たちの会話を偶然耳にして唖然とした。若くして巨万の富を築き上げたヴィンチェンツォ・トマジ――エキゾチックな黒髪、地中海のように美しい青色の瞳、そして映画スターのように見事な体躯を持つ完全無欠のCEOが、義理の子供のため、母親役を務める女性を雇おうとしているなんて。ずっと秘かに憧れていた彼の元で、幼い子供たちの世話をする……それで弟が進学できるのなら、もう私が欲しいものなど何もないわ。ところが面接に臨んだオードリーに、ヴィンチェンツォは言った。「母親だけじゃない。僕の妻を演じるのも仕事だ――昼夜を問わずね」

 ■人気作家ルーシー・モンローによる、極上のクリスマス・ロマンスをお届けいたします。

抄録

 フランカとアンギルも同じ運命をたどると言いたいのだろうが、もうこの話はうんざりだ。ヴィンチェンツォはデスクに軽く腰かけて言った。「君は今も結婚するまで純潔を守るつもりでいるのか?」
 オードリーが咳きこんだ。「はい? どうしてそんなことを?」
「子供たちとの相性はもちろん、僕とのセックスの相性も重要な要素だからね」
「候補者全員とセックスして決めようと言うんですか?」
 誰もいやがる者はないと言ってやりたかったが、わなわなと震える彼女が妙にいとおしかった。
「誤解だよ、オードリー。僕は候補者を絞ったうえで、これと思う女性を子供たちに引き合わせようと思っている。同時に僕ともデートを重ねて、あらゆる意味での相性を確かめるんだ」
「まるで採用試験みたいに言うんですね」
「まさにそのとおりだ」
「あなたってふつうじゃありません」
「とんでもない、僕の住む世界ではごくふつうに行われていることだ」
「ええ、さぞ成功をおさめているんでしょうね」
 ヴィンチェンツォは怖い顔をした。
 オードリーも負けずに顔をしかめた。「もし私がセックスのお試しなんてごめんだと言ったら?」
「残念だが、交渉の余地はない」
「そんなの法律違反です。採用と引き換えに体を要求するなんて」
「もちろん。だが、これは採用試験のようであって採用試験ではない。君はトマジ・エンタープライズで働くわけでも、トマジ銀行で働くわけでもない。あくまで僕の妻、子供たちの母親になるんだ。ここでのやりとりや今後の選考結果が君の仕事に影響を及ぼすことはない」
「そんなの詭弁です」
「僕が嘘をついていると?」
「嘘とは言いませんが、もし私があなたの妻に選ばれたとして、あなたは私に仕事を辞めるように言うはずです」
「ああ、そうだ」
「だったら……」
「確かに、最終的に選ばれたあかつきには今の仕事に影響が及ぶだろう。だが、それは昇進して環境が変わるのと同じことだ。一方、もし選考の途中で君が離脱したとしても、それによって今の仕事や今後の出世に支障が生じることはない」
「離脱というのはつまり……」
「肉体関係を拒むということだ」
「そんな……どうかしています」
「とんでもない。実に理にかなっている」
「ご存じとは思いますけど、性行為にお金を払うのは州法で禁じられています」
「誰がセックスに金を払うと言った?」
「私にはそうとしか聞こえません。年間二十五万ドルで買うと」
「それは、僕の妻たる者が自分の自由になる金欲しさに外へ働きに出たいなどと思わずにすむようにするためだ。男なら誰だってやっている」
「あなたの住む世界ではそうかもしれませんけど」
 よその世界など知るはずもない。だから、ヴィンチェンツォは反論しなかった。
 オードリーがもじもじとカップをいじった。「それでは、その……セックスを拒めば、この話もなし?」
「そういうことだ《シ》」
 オードリーが黙りこみ、それから顔を上げた。
「私にキスをしてみてください」
「なんだって?」きっと聞き違えたのだ。「君にキスをしろというのか?」
「ええ」
「どうして?」
「言うまでもないと思いますけど」
「説明してくれ」
「もし私たちのあいだにキスしたいと思うほどの感情もないなら、このまま面接を続けても無駄です。あなたが二人の肉体的な相性にこれだけこだわっている以上は」
 もっともな意見だ。彼女にキスしたい衝動に負けまいとするあまり、考えが及ばなかった。
 ヴィンチェンツォはうなずき、立ちあがって手を差し出した。「すばらしい指摘だ」
 まるでなぜその手がそこにあるかわからないというように、オードリーはしばし呆然と見つめていたが、やがて自分の手を重ねた。たったそれだけで、彼女を見た瞬間からずっとくすぶりつづけていた情熱がいっきに燃えあがった。しっかりとつかんで立ちあがらせると、二人の体が急速に近づき、視線がからみ合った。
 オードリーの目に浮かんでいたのは、大きな不安と……欲望だった。
「君は僕が欲しいんだ」
「いいえ、キスだけ」だが、真実はそこにあった。
 とはいえ、オードリーの不安を無視するわけにはいかない。二人にとってこれが未来を分ける試験だと思えば、彼女がかつて経験したこともない最上のキスが必要だ。彼女が恐れをなすほどの激しさは禁物だが、二人のあいだに潜在する炎を伝えるものでなければ。
 自信のない男などでないことを自ら証明するべく、ヴィンチェンツォはオードリーの首のうしろに手をまわし、体を抱き寄せた。
 オードリーがはっと息をのんだ。まだ唇も重ねないうちから、その瞳は情熱に燃えている。どうしたらこんな女性が今日までバージンでいられたのだろう?
 唇をかすかに触れ合わせると、オードリーの口がわずかに開き、吐息がもれた。その瞬間をヴィンチェンツォは逃さなかった。
 舌は使わず、唇だけでキスをした。渇望の波が押し寄せ、体がこわばった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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