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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

月明かりで愛して

月明かりで愛して


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリーム
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ビバリー・バートン(Beverly Barton)
 幼いころ、祖父から贈られた『美女と野獣』の絵本を読んでロマンス小説のとりことなり、九歳のときに初めて物語を書いた。それ以後、小説、詩、脚本と、学生時代を通じて創作活動に親しむ。結婚し、二人の子供を産んでから専業主婦となっていたが、執筆活動に復帰してからはアメリカロマンス作家協会に加入し、大いなる貢献をする。1990年にデビューして以来、マギー賞や全米読者選賞を受賞。ロマンス小説界の最高峰RITA賞の最終選考にも残ったことがある。とりわけ、百戦錬磨のボディガードを主人公にした出世作『狼たちの休息』シリーズは新作が出るたびに各メディアから賛辞を受け、世界的ベストセラー作家リンダ・ハワードからも賞賛のコメントを贈られるほどの人気連作。人を守るため命すら投げ出す強者たちだが、唯一真実の愛の前では無防備――そんな理想のヒーローが登場する作品を書き続けていきたいという。

解説

 火災で家族を失い、自らも背中にひどい火傷を負ったエミリーは長い入院生活を終え、普通の暮らしを始めたばかりだ。周囲の人は、よき伴侶を見つけて人生をやり直すよう言うけれど、醜くなった私を誰が愛するというのだろう。絶望する彼女の前に、謎めいた男性ミッチェルが現れる。会うたびに凍りついていた心が溶けていく気がするものの、彼女はどうしても牋Δ靴騰瓩里劼噺世言えなかった。もし、彼が私の背中を見たら……。苦悩するエミリーは知るよしもなかった。生涯癒えぬその傷に、ミッチェルが深くかかわっていることを。
 ★NYタイムズベストセラー作家ビバリー・バートンの全米読者選賞受賞作品。過酷な運命に翻弄される主人公たちの究極の愛の物語が、読む人を深い感動の渦に巻き込みます。なお、大人気ミニシリーズ『狼たちの休息』新作は2006年1月から三カ月連続で刊行予定です!★

抄録

「わたしってどう見える?」
「とても美しく、とても繊細で、感受性の豊かな淑女」ミッチェルは彼女を抱き寄せ、腕の中で溶けていくかどうか確かめたくてたまらなかった。
 エミリーはさりげなくミッチェルとの間隔を広げ、笑みを浮かべて金の鎖を撫《な》でた。つい今しがた彼が触れていた鎖だ。まだ彼の手の感触が残っている気がする。こんな気持ちになったのは初めてだ。ほかの男性の視線や声にこれほど反応したことはない。
「あなたは危険な人ね」今にも自制心のたがが外れそうで、エミリーは怖かった。わたしは間違っていたのだろうか?やはりこの人があの謎《なぞ》の男?声を聞きたいと電話をかけ、シェリーやバイロンの詩句を引用したラブレターをよこした人なの?「あなたをすぐに信用してしまう女性は愚かよね」
「君のお祖母さんは、見知らぬ人間には用心しろと教えたのかい?だとすれば賢い。確かにぼくは危険な男だ」そうとも、かわいいエミリー、ぼくほど危険な男はいない。
「祖母からは、人を見るときは自分の直感を信用しなさいと教えられたわ」
「君の直感はぼくについてどう言っている?」
 エミリーは真っ先に頭に浮かんだ言葉をのみこんだ。“あなたにわたしをささげます、わたしはあなたのもの”そんな言葉が口をついて出そうになる。頭が変になってしまったみたい。「あなたには気をつけなさい。そう言ってるわ」
 ミッチェルの目に浮かぶむきだしの情熱に気づいてエミリーはひるんだ。この人はわたしを求めている。そう思うなり、全身に興奮が走った。こんなふうに反応してはいけない。正体はおろか、名前さえ知らない人に対して。
 さあ、ここを立ち去れ。ミッチェルは自分に命じた。正体が知れれば、エミリーはぼくに憎悪しか感じまい。そんな女性と親密になるなど、あってはならないことだ。ただでさえ、自らの愚かさが原因で破滅した人生を懸命に立て直している最中ではないか。彼は横たわり、片肘をついて体を支えた。走れ、今すぐ走り去れ!
 エミリーもミッチェル同様、心が揺れていた。この人は見知らぬ人。そして、もしかしたら危険な人。なぜここを立ち去るよう言わなかったの?持ち物をかき集めてコテージに戻るべきだった。彼のすぐそばにいると面倒なことになる。愚かの極みだが、キスをしてほしい……この見知らぬ男性に。彼の唇の感触を味わってみたい。
 息がかかるほど顔を近づけてきたミッチェルに、エミリーは言った。「いい考えとは思えないわ。わたしたち、お互い何も知らないんですもの」
「君は、浜辺で出会った見知らぬ人間にいつもそんなふうに親切なのかい?」
「いいえ」エミリーは目を閉じた。この人から離れたい。男らしいアフターシェーブローションの香りから、自分の息とまじり合った彼の息から。「見知らぬ人はわたしのプライバシーに立ち入らないわ」
「ぼくが近づいたとき、どうして追い払わなかったんだ?」
「それは……あなたが隣人だから。お隣さんとは仲よくしていきたいもの」
「ぼくは何週間も君を見ていた。君には迷惑かもしれないが、どうしても君に会いたかった」
 わたしを見ていた?一瞬エミリーの心臓が止まった。「わたしもあなたを見ていたのよ。そしてどんな人かしらって考えていたわ」
「やっぱり君も孤独なんだね」これほど魅力的で美しく知的な女性なのに、なぜひとりでいるのだろう?死んだ夫をまだ愛しているのだろうか?
「ええ、わたしは孤独よ。夫が五年前に他界してからは、誰もいないから……」これからも、とエミリーは自分に言い聞かせた。体に大きな傷を負った女を求める男性はいない。
「ご主人のことは気の毒だったね。ぼくも五年前にある人を失った」
「亡くなったの?」
「いや、違う」ミッチェルは苦笑した。ロニを失ったことは、彼の身に起きた最悪の出来事とはとうてい言えない。「ぼくの婚約者は、ぼくの共同経営者と駆け落ちしたんだ」
「まあ」ぼくの共同経営者?この人は肉体労働者だとばかり思っていたけれど、かつては経営者だったのかしら?
「そろそろ自己紹介をしよう」ミッチェルは手を差し伸べた。「ぼくはレイ・ミッチェル。友人からはミッチと呼ばれている」彼は仕事場で使っている名前を告げた。過去に出会った誰かと一緒に仕事をすることになっても、“レイ・ミッチェル”なら気づかれる恐れが少ないからだ。エミリーに嘘をつき、本名を隠すのは間違っている。わかってはいても、別の機会に名乗ればいいと心が告げていた。もっとよく知り合ってからでも遅くはない。
「わたしはエミリー・ジョーダン」
 エミリー。ミッチェルは心の中で繰り返した。これまで何度その名を呼んだことか。彼女にぴったりの、古風でしとやかな名前だ。「いつかディナーに出かけないか、エミリー?」
 はい、と答え、大声で誘いを受けたい。しかしエミリーにはできなかった。レイ・ミッチェルはプラトニックな関係で満足するタイプではない。彼女には、傷ついた醜い体を差しだす勇気はなかった。
「友達を求めているなら、孤独をやわらげてくれる誰かが必要なら、わたし、あなたの友達になるわ」
「友達が欲しい」
 苦悩と孤独を色濃く映すミッチェルの目を見て、エミリーは思った。運命が二人を引き合わせたのだろうか、と。もしかしたらわたしが彼の苦悩と孤独をやわらげられるかもしれない。そして彼はわたしの苦悩と孤独を癒《いや》してくれるかもしれない。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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