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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・アシュトンズ

花婿は大富豪

花婿は大富豪


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・アシュトンズ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
みんなの評価 ★★★★★2
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著者プロフィール

 モーリーン・チャイルド(Maureen Child)
 旅行をこよなく愛する彼女は、機会さえあれば夫と連れだって研究旅行に出かける。ハッピーエンドが大好きで、六十冊を超える作品を書き、今でもこの職業を世界最高と自負している。現在は夫と子ども二人、それに誇大妄想気味のゴールデン・リトリーバーとともに南カリフォルニアに暮らす。ウォールデンブックスのベストセラーリストに登場歴を持つ。

解説

 「ぼくと結婚してほしい」サイモン・ピアスの提案に、メガンは唖然とした。挙式直前に花嫁が逃げ出したからといって、イベント・プランナーの私が彼の花嫁になる必要はどこにもない。きっぱりとはねつけたメガンだったが、ビジネスのためにどうしても結婚したいと言われ、心が揺らいだ。彼女も非情な父に、望まない相手との縁談を進められていたからだ。ここで彼と形ばかりの結婚をしてしまえば、すべて丸くおさまる。一年間の期限つきで同意したものの、彼の次の言葉に驚いた。「浮気がだめなら、本物の結婚にしてもらう」
 ★カリフォルニア州ナパ・バレーを舞台とした名家の人々を描いたシルエット・アシュトンズ。噂の当主がいよいよ本作でお目見え。さらなるスキャンダルが明らかになります。★

抄録

「だから、この結婚を成立させなければならないんだ」彼はつぶやき、また腕時計に目を落とした。
 控え室のドアが開いたので、サイモンは振り返り、入ってきた結婚式のプランナーを鋭い目で見据えた。
 メガンは背の高いブロンドの女性で、瞳は澄んだグリーン、気性はあまり忍耐強いほうではなさそうだ。この一カ月余り、一緒に式の計画を練ってきて、サイモンは何度か、彼の決定に何か言い返したそうにメガンが唇をかみ締めるのを目にしていた。だが、有能そうであることは確かだ。だからこそ、このアシュトン家の屋敷で雇われているのだろう。
 ところが、今部屋に入ってきた彼女は、この場以外ならどこへでもいいから逃げ出したいという顔をしている。
 交渉相手の顔色を読み取る能力は、仕事のうえでサイモンの強力な武器になっている。今もメガンの顔をひと目見て、彼は何か好ましくない事態が持ち上がっていることを察知した。
「ミスター・ピアス」
 彼は単刀直入に尋ねた。「問題はなんだ?」
 メガンは控え室のドアを閉めると、もう一人の男性に素早く目を走らせた。
 彼女のためらいを感じ取って、サイモンは言った。「彼のことは気にせず、話してくれ」
「わかりました」メガンはごくりとつばをのみ込んで続けた。「残念ですが、ミスター・ピアス、花嫁がいなくなったらしいんです」
「なんだって?」サイモンは怒鳴るようにきき返した。
 だが、ブロンドのイベント・プランナーは彼の怒りにひるむ様子もなかった。「ミズ・モアランドは、この会場から出ていかれたようです」
「そんなことはありえない」
「ありえないことが起こったらしいんです」
 ふつふつとわいてきた怒りに、サイモンは素早く蓋《ふた》をした。腹を立てても、この問題は解決しない。「彼女の携帯には電話したのか?」
「ええ」メガンは答えて、またデイヴ・ヒーリーに落ち着かなげな視線を投げた。「電話には出ませんでした。ただ応答メッセージが流れて、これから数カ月間、外国に滞在するとのことでした」
 外国に?
 サイモンは婚約者と交わした最後の会話を思い出した。彼女はしばらくロンドンに住みたいというようなことを言っていた。だが、もちろん、サイモンは即座にそんな提案を退けた。どうやら、ステファニーは彼抜きで行くことに決めたようだ。
 サイモンはスラックスのポケットに両手を突っ込み、冷たい怒りを脇《わき》へ押しのけて考えようと努めた。結婚相手は慎重に選んだつもりだった。ステファニーは、自分と似たような考え方の持ち主だと思っていた。面倒な感情抜きの結婚。双方にとって利益となる、二つの家族の満足すべき合併。
 それが、今になって袖《そで》にされるなんて。古めかしい言い方だが、この場合ぴったりだ。
 胸の奥底で、押し込められた怒りが息を吹き返した。
 確かにステファニーが逃げ出したことは頬をたたかれたような衝撃だったが、サイモンの心は痛まなかった。自分でも認めるが、花嫁が消えたことには悲しみよりも怒りを感じる。彼はこの事実が外に漏れたときの世間の騒ぎを想像した。頭に浮かんだそのイメージは、愉快なものではなかった。
 この手のスキャンダルは、彼の会社とデリー財団との合併を数週間は遅らせるだろう。下手をすると数カ月は話が滞る。デリー老人は古い頭の持ち主で、しっかりした家庭を持った男とでなければ手を組みたがらない。今から代わりの結婚相手を探す暇もないし……。
 なんてことだ。
 こんな事態がぼくの身に降りかかるはずはない。
 ぼくは勝負に負けたことなどないんだ。
「当方といたしましても残念ですわ、ミスター・ピアス」メガンが何か言っている。サイモンは彼女に視線を戻した。「ご招待客のみなさまには、わたしからお話しします。どう申し上げたらよろしいでしょう?」
 サイモンは彼女をじっと観察した。そして、実に魅力的な女性であることに、改めて気づいた。ブロンドの髪は、後ろできちんとポニーテールにされている。大きなグリーンの瞳は、今は重々しい表情を浮かべているが、その目が楽しそうにきらめいたり、怒りに燃えたりするのを、彼は何度も見てきた。メガンは知的で、教養があり、落ち着いていて、洗練されている。それに仕事熱心で、物事をなしとげる能力もある。このぼくが高く買う資質だ。体のサイズまで、ステファニーとほぼ同じではないか。
 つまり、目の前にいるこの女性は申し分ないということだ。
 それに正直なところ、こうなったらやけになるしかない。
 彼女をじっと見つめたまま、サイモンは口を開いた。「実は、メガン、きみにはそれとは別の頼みがあるんだ」
 けげんそうな表情でメガンは彼からデイヴに目を移し、またサイモンに戻した。
 彼女の困惑を感じて、サイモンは親友を振り返った。「デイヴ、しばらく彼女と二人きりで話をさせてもらえるかい?」
「もちろん」デイヴは部屋を横切り、ドアから外へ出ていった。
「わたしに頼みというのは、どういったことでしょうか?」ドアが閉まると、メガンは尋ねた。
「きみにしかできないことなんだ」サイモンは言って、彼女の反応を推し量るようにその目を見つめた。「ぼくと結婚してほしい」


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

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