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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

噂の関係

噂の関係


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャサリン・ジョージ(Catherine George)
 ウェールズ生まれ。早くから熱心な読書家で、その情熱はやがて書くことへと向いた。エンジニアと結婚し、九年間ブラジルに暮らす。その後、息子と娘の教育のためにイギリスに滞在することが多くなり、一人で過ごす夜に小説を書くようになる。執筆や読書の合間に、料理やオペラ、骨董品を見て歩くことを楽しんでいる。

解説

 エイヴァリーは小さな町でリフォーム店を営んでいる。父親のいない過去や都会で負った心の傷を乗り越え、今では穏やかな日々を送っていた。ある日、実業家のジョナスが仕事で町へやってきた。バーで偶然出会った彼から、思いがけずデートを申し込まれて、エイヴァリーは久しぶりに心がときめくのを感じた。いつも男性を遠ざけていたエイヴァリーと、裕福な実業家との付き合いは、町にさまざまな噂を巻き起こす。でも、決して深入りはしないと彼女は心に決めていた。私には、誰とも結婚できない大きな秘密があるのだから。

抄録

 本棚のある狭い部屋は、ほどよく雑然としていて居心地がよさそうだった。大きな窓に金茶色のベルベットのカーテンがかかり、コンピューターの置かれた机とソファ、それに暖炉がある。真鍮《しんちゅう》の火格子の奥では薪《まき》がぱちぱち燃えていた。
「私の書斎よ」そう言うと、エイヴァリーは暖炉に薪をくべた。「窓から裏庭が見えるの」
 ジョナスは机の上にトレイを置き、部屋を見まわした。「いい部屋だね」
「昔、母が使っていた部屋なの。父が亡くなって、実家に戻ってから」
 ジョナスはエイヴァリーがいれたコーヒーを受け取ると、不思議そうな顔をした。「そういえば、これまでお父さんの話はしなかったね」
 エイヴァリーはソファの端に腰を下ろした。とっさに話をそらそうかと思ったが、なぜかジョナスには父親のことを話したくなった。
「父のジョン・エイヴァリーは警察官だったの。母のエレン・クロフォードがロンドンの仕立て屋に勤めていたときに二人は出会って、愛し合うようになったそうよ。やがて赤ちゃんができて、バーモンジーの登記所で結婚式を挙げることになったの。ところが、その二日前に、父は犯人を追跡中に殉職してしまった。それで、母は生まれ故郷に戻って、一人で子供を産んだの。当時はシングルマザーという言葉さえなかったわ」エイヴァリーはかすかな笑みを浮かべた。「メロドラマみたいでしょう。でも、三十年前に、こんな田舎町で、未婚のまま子供を育てるのは大変なことだったのよ」
「君もつらい思いをしたんだろうね」
「母や祖父母が肩身の狭い思いをしているのを見るのがつらかっただけ。世間の冷たい目をはね返そうと思って、がむしゃらに勉強したわ。母が亡くなったあとシティに戻らなかったのも、今にして思えば、母から継いだ仕事を成功させて、この町の人たちを見返したかったのかもしれない」
「お父さんのご両親は健在なのかい?」
「まだ小さいころ、バーモンジーの父の実家に行ったことがあるけど、父方の祖父母は私が小学生のときに亡くなったの」そこでエイヴァリーはジョナスにほほえみかけた。「こんなこと、人に話したのは初めてよ。あなたは聞き上手なのね」
「そんなことを言われたのは初めてだよ。立ち入ったことをきくようだけど、お父さんのことはポール・モレルには話さなかったのかい?」
「母方の祖母が祖父のあとを追うようにして亡くなったあと、母はこの家を相続したものの、食べていけるほどの資産はなかったから、生活のために仕立て物をするようになったの。ポールのお母さんはお得意様で、私はよくできあがった服を届けに行ったものよ。それやこれやで、私はモレル家の息子の交際相手にはふさわしくないというわけなの」エイヴァリーは立ちあがってコーヒーをつぎ足した。「ブランデーを垂らす?」
「いや、いい」ジョナスは長い脚をゆったりと伸ばした。「今の僕は男が望むすべてを手に入れているから、これ以上欲ばらないことにするよ」
「意外に謙虚なのね」
「“意外に”はよけいだと思うけど」ジョナスは笑った。「だから、いくら君に欲望を感じても、無理に求めるつもりはないよ」
「やっぱりフランシスの言ったとおりだわ」
 ジョナスはきょとんとした顔になった。「なんの話だい?」
「男は手料理にたまらない魅力を感じるってフランシスが言ったの。ロンドンに住んでいたときは、電話一本でなんでも注文できたから、デートで手料理をごちそうしたのはこれが初めてよ」エイヴァリーはあわててつけ加えた。「いえ、今夜は別にデートというわけじゃないけど」
「僕が店舗のオーナーだから、もてなしただけってこと?君とは時間をかけて、もっと親しい関係になりたいと思っているんだ」
「せっかちに寝室の窓から忍びこんだりはしないってことね」
「君が待っていてくれるなら、命がけで忍びこんでもいいが」
 エイヴァリーは笑いながらかぶりを振った。「その段階に進むのは、もっとよく知り合ってからよ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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