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珊瑚礁の愛人

珊瑚礁の愛人


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ロビン・ドナルド(Robyn Donald)
 ニュージーランド北部の牧場主の家に、一男五女の長女として生まれた。十五歳で師範学校に学び、十九歳で結婚、同時に小学校の教師となる。子育てを終えて一時休んでいた教職に戻り、かたわら執筆を始めた。蘭の花が咲き、キウイやオレンジの実る美しい北部の村に住む。

解説

 私を愛人呼ばわりして蔑んだ男──なぜ彼と6カ月も同居しなければならないの?

 ジョアンナは伯母を看取るため、南太平洋に浮かぶ島へ渡った。家政婦である伯母の雇い主の富豪は好人物で、伯母亡きあともジョアンナを娘同然に可愛がり、面倒をみてくれた。だがその富豪も亡くなり、入れ替わるように島へやってきた、富豪の義理の息子ルークの存在が彼女の運命を大きく変える。彼は最初からジョアンナを継父の愛人だと決めつけ、敵意をむき出しにしてきた。その理由ははっきりしている。伯母の雇い主は、血縁のないジョアンナに多額の遺産を遺していたのだ。しかも不可解な条件付きで。相続のため、彼女は6カ月間、ルークと一緒に暮らすほかなかった。

抄録

 極めて単純な解決策がジョーの頭にひらめいた。
「トムの融資をあなたが引き継いだら? 彼のときと同じ条件で返済するわ。そうすれば、半年も同居しなくてすむじゃない」
 ルークは数秒間、黙りこんだが、答えは明確だった。「だめだ」
「トムの遺産は私に渡らないし、お互い我慢する必要もなくなるわ」
「だめだ。トムはあの金を君に与えたかった。それを奪うつもりはない」
「それなら、なぜこの状況を受け入れて、できるだけ苦痛の少ない方法を試さないの? そんなに難しいことかしら?」
 答えはなかった。ジョーは相手の表情を探ったが、瞳は濃いまつげになかば隠れ、何も読み取れない。
 気まずい沈黙が続いた。どこか期待に満ちた濃密な緊迫感に耐えきれず、彼女は再び口を開いた。「いちおう言ってみただけよ」素早く背中を向けたものの、ルークの声にびくりと止まった。
「君は別の解決策を提案しているのかな?」
 ジョーは肩越しに振り向いた。狙いを定めたハンターを思わせる彼の物腰に脈が速まり、思考が乱れる。自分が獲物になった気分だ。「そのとおりよ」
「どうも焼きがまわったらしい」ルークは落ち着き払った目を向けた。声は何かに納得しているようだった。「いつもはこんなに鈍くないんだが」
 会話が噛み合っていない。「言っていることがよくわからないわ」
「そうかな。君の提案はさほど遠まわしではなかったはずだ」彼の手が伸び、ジョーのうなじに触れた。
 言葉の意味に気づいたときは遅かった。ジョーは誤解だと言おうとしたが、うなじから背筋へと衝撃が走り、秘めた渇望がドラッグのようによみがえる。
「やめて!」声が震えている。
「どうして?」
 ルークの声に怒りはなかった。少し頭が働けば、楽しんでいると気づいたはずだ。思いがけず優しい彼の指先に、ジョーの体はとろけそうだった。
「なぜだ、ジョアンナ?」彼の声は冷静で、まなざしは思わせぶりだ。
 経験が乏しいことを教えるつもりはない。彼の瞳で灰色に代わって燃えあがる鮮烈な青い炎を見据え、ジョーはかすれた声で答えた。「あなたがどう思おうと、私は気軽な情事なんてできないからよ」
「一つだけ約束する」ルークの声音が荒々しくなった。「気軽なところは少しもない」
 ルークは彼女を引き寄せた。
 こんなの初めて――たったいま自分の唇に重なる彼の唇以上に刺激的なものを、これまで経験したことはなかった。引き締まった体が押しつけられると、ジョーの心臓の鼓動が激しく轟いた。
 抵抗する間もなく興奮が体を貫き、彼女の意志に反した反応を引き起こした。炎のように熱く、蜜のように甘く、彼の唇のように荒々しい。膝から崩れかけた彼女にルークが体を密着させた。彼女の動悸がいっそう激しくなった。彼も欲望を感じている。
 ジョーの中で勢いづいた原始からの危険な脈動が急激な欲望を呼び覚まし、理性を奪っていった。彼女のもろさを察知したように、ルークがさらに深く唇をむさぼると、彼女の体は熱い欲望の塊になった。
 そのとき、ルークが何か粗野な短い言葉を吐き、後ずさった。熱情から抑制に転じた彼への不満が、ジョーの胸に一瞬渦巻いたが、分別がかろうじて彼女を正気に戻した。ジョーは椅子の背をつかんで肺に空気を入れ、大きく見開いた目を彼に向けた。散り散りになった思考のかけらが頭の中で渦巻いている。ルークの表情は硬く、険しかった。戦士の顔だ。魅惑的な唇も、いまはきつく引き結ばれている。
「すまなかった」彼はぶっきらぼうに謝罪した。
 ジョーの耳の奥で心臓の鼓動が反響していた。かぶりを振った彼女は、きっちりまとめていたはずのポニーテールが乱れていることに気づいた。
 ルークが手を差し入れた? その光景を想像したとたん、快感と動揺が同時に彼女を襲った。
 彼の鋭い声が響く。「なんとか言ったらどうだ」
「珍しく」ジョーは小声で言い返した。「何も言うことなどないわ」
 怒りがみじめさに増幅されていた。またしても彼のキスの虜になった。情けないことに、官能の炎の残り火がまだ体の奥でくすぶっている。
 強引で力ずくだったのに。我を忘れて応えてしまい、彼をあおってしまった。みだらな関係をしかけてきていると思わせて、キスを許してしまうなんて。
 なぜ冷静なままでいて、はねつけてしまわなかったの? 彼の腕の中で簡単に燃えあがってしまった。
 それは、あの力強い腕の魅力に抵抗するすべを知らなかったから。彼の発する男の欲望が、私の体のどこかに眠っていた同じような衝動を呼び覚ました。
「本当かな? キスに関しては、言ったとおり少しも気軽なところはなかっただろう」彼は言葉を切ったが、返事がないので続けた。「君もわかっていたはずだ。レストランで目が合った瞬間から、僕たちは互いを強烈に意識していた。否定できるかい?」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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