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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン文庫

春の嵐

春の嵐


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:400pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 シャーロット・ラム(Charlotte Lamb)
 第二次大戦中にロンドンで生まれ、結婚後はマン島で暮らす。大の子供好きで、五人の子供を育てた。ジャーナリストだった夫の強いすすめによって執筆活動に入り、百作以上の作品を著す。二〇〇〇年秋、多くのファンに惜しまれつつこの世を去った。

解説

 デボラが音楽会社の重役アレックスの秘書になって4年。彼の巧みな誘惑は無視して、仕事だけを忠実にこなしてきた。魅力的なボスの、何人もいる女友達(、、、)の一人になる気はないわ! だが大事な予定があると伝えておいた週末にニース出張への同行を命じられ、思わずデボラは彼に抗った。それはまさに、デボラが彼の罠にかかった瞬間だった。アレックスが激した彼女をすかさず引き寄せ、耳元でささやく。「きみは近づくとすぐ逃げる。どんな男にもそうなのか?」そしてデボラをきつく抱きしめ、唇を奪った。

抄録

 ホテルのフロントでルーム・キーを受け取り部屋へ戻る時も終始無言、部屋の前でもアレックスは、おやすみとも言わなかった。デボラは心の中でぷりぷりしながら部屋へ入った。ドレスを脱ぎ、バスルームのアレックスの部屋側の鍵をかけてからシャワーを浴びる。そしてグリーンのレースのナイトガウンに着替えた。
 涼しい風と夜景にひかれて、デボラはバルコニーへ出た。ワインの酔いがまだ残っている。暗い海を見つめると、昼間の浮き台でのできごとが頭に浮かんでくる。あの時、アレックスにしっかりと抱き締められ、唇を受け入れていた……。あんなにアレックスを求めた自分が、どうしてロビンと結婚することができよう。ロンドンへ帰ったら、ロビンに話そう。あなたをあざむくことはできない、と。
 同時に、アレックスのもとからも去るのだ。でなければ、いつの日か必ずアレックスのえじきにされてしまう。デボラは自分がもはやアレックスの誘惑にあらがいきれないのを知っていた。
 考えごとに夢中になっていたデボラは、ふと背後に立っているアレックスに気づいてびっくりした。アレックスもシャワーを浴びたらしく、髪はぬれ、白いタオル地のガウンをまとっている。はだけたガウンから脚があらわにのぞいていた。
 バルコニーでちょっとのあいだだけ酔いをさますつもりでいたデボラは、ガウンの下にはネグリジェも着ていない。夜風に腰から下へスリットの入ったガウンがはためき、デボラはそれをアレックスに見つめられて体が震えた。「風が冷たいわ。わたし、部屋の中へ……」
 それより早く、アレックスがデボラの前に立ちはだかった。デボラの胸のうちをのぞき込むような強い視線に彼女は身動きできない。逃れなければと思っても、長いことこらえてきた衝動に体が動かされる。欲求がせきを切ったようにあふれた。もはや拒むことを忘れてしまったように、デボラはアレックスのくちづけを待ち受けていた。
「この瞬間だけを待っていたんだ」アレックスは荒々しくデボラの唇をふさいだ。
 デボラもアレックスの頭の後ろに手を伸ばしてアレックスを引き寄せ、ふたりは激しくキスを重ねた。半ば裸のデボラの細い体はアレックスの腕の中でおののいた。
「きみも待っていたんだろう? ね、デボラ」アレックスはちょっと唇を離してささやいた。
「ええ」デボラはかすかにうなずいた。
 アレックスはデボラを軽々と抱き上げた。開けてあったフランス窓を通り、デボラのベッドルームへ入ると、アレックスは彼女をベッドに横たえた。小刻みに震えながらも、デボラの体は熱でも出たかのように熱い。かたわらに横になるアレックスを、デボラは熱に浮かされたようなブルーのひとみで見上げた。
「きみを抱きたくてたまらなかったのに、きみとリッキーのやつがいちゃついているのを見ていなきゃならなかったんだ」アレックスは不満をぶちまけた。「あいつはきみの脚にまで手を伸ばしていた。きみはそれを許していたじゃないか」
 ジェラシーをむき出しにしたアレックスの声や表情にデボラは驚いた。「でも彼のご機嫌を取るために、わたしを連れてきたのでしょう?」
「きみはリッキーをすっかりつけあがらせてしまった。ぼくこそいい物笑いの種だった」
 アレックスの非難はデボラには心外だった。「あなたは自分では女性アーティストを手なずけ、わたしには男性アーティストの言いなりになるようにと言ったことがあったじゃありませんか」
 アレックスの表情が硬くなった。「嫉妬してるのかい、デボラ?」
 その勝ち誇ったような口調に、デボラは新たな怒りがわき起こって、ベッドの上に座り直した。
「まさか。あなたのビジネスのやり方を軽蔑してるだけですわ」
 アレックスの唇がゆがみ、表情はさらに硬くなった。そのまなざしの奥の険しい光に、デボラはうろたえ恐れた。アレックスの腕がデボラをベッドに押さえつけた。
 デボラの胸にうずきが広がる。デボラは顔を振りながらもだえ、逆らおうとしたが、ガウンのひもまではずされてしまった。デボラは、あきらめたようにまぶたを閉じた。今までだれひとりデボラに加えたことのないこの行為。まったく味わったことのない、鋭く、しかも甘美なこの感覚。
 デボラは再び彼のたくましい腕を払いのけようとした。ふしぎとアレックスがそれをさえぎろうとしない。目を開けたデボラは、ガウンのべルトをはずそうとしているアレックスを見て度を失った。
「いや!」と鋭く叫ぶ。
「きみだってぼくを求めているんだ。頼むから、おとなになってくれ、デボラ。もう止めさせないよ」
「わたし、どうかしてたの。きっと一時の衝動だわ。あなたと、こんなことしたくない。わたし、飲みすぎたんだわ。ワインのせいよ……」
「そうじゃない。きみはぼくが欲しいんだ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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