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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・クラシックス

ルージュの刻印

ルージュの刻印


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・クラシックス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アマンダ・ブラウニング(Amanda Browning)
 イングランドのエセックス州に生まれ、今もそこに住む。本で読むような、波瀾万丈の人生を二人の兄や双子の妹とともに生きてきた。本が大好きで図書館に職を得たが、やがて独身の身軽さで作家として身を立てる決意ができたと語る。成功したことがまだ信じられないが、今では余裕ができ、刺繍やバードウォッチングなどの趣味も楽しんでいる。

解説

 彼の笑顔は危険きわまりない武器。わかっていても、女は心を近づけてしまう。

 ■メガンはヨットのデザイナーとして仕事に打ち込んできた。ところが、兄ダニエルが経営する造船所は不況のあおりで経営難。おまけに兄はギャンブルと酒に溺れる日々だ。造船所の経営立て直しに一人頭を悩ませていたメガンの前に、ある日、ルーカス・カンフィールドが現れた。ルーカスとは幼なじみで、八年ぶりの再会だった。彼は、今やコンピュータ会社の社長で、名うてのプレイボーイ。その日もブロンドの美女を連れ、これ見よがしにメガンの前でキスをした。ルーカスは昔とちっとも変わらない。一方、メガンはすっかり変わっていた。心の奥底に、ある秘密を持った日から……。

抄録

 肩にショールをかけてもらいながら、メガンはあくびをした。
「眠い?」ルーカスはメガンの肩を抱いて階段を下り、駐車場へ向かった。
「ちょっとね。でも今夜は楽しかったわ」
「期待していなかったわりには?」
「あら、それはそうよ。これまで顔を合わせるたびにけんかばかりしていたんだから」メガンはルーカスが開けてくれたドアから車に乗りこんだ。
 ルーカスはドアを閉め、運転席にまわった。「なぜだかわかる?」そう尋ねてからエンジンをかける。
 メガンはかすかにほほ笑んだ。「さあ。でもあなたには何か思い当たることがあるんでしょう?」
「けんかするのはね、レッド、けんかするのが楽しいからだよ」
 メガンはそれを聞いてはっとした。彼女もまったく同じことを考えていたからだ。
「それはつまりどういうことだと思う?」
「二人ともマゾヒストだとか?」彼女は冗談めかして言った。車が走りだすと、あたりはすっぽり闇に包まれた。世界が車の中の小さな空間に閉じこめられてしまったかのようだ。
「けんかはぼくたちの関係に味わいを添えるスパイスになる」ルーカスが答えを引き取った。
 メガンの目はいつしかハンドルを握る彼の手にくぎづけになっていた。車を巧みに操る長い指。あの手は女性の肌に触れるときも同じように巧みに動くのかしら。女性を目覚めさせ、快感を与えて……。
 いやだわ、何を考えているの! メガンはぱっと背筋を伸ばして座り直した。「あなたの発言には一つだけ誤りがあるわね。わたしたちには関係も何もないわ」
「まだね」ルーカスはじっと前を見つめたままだ。
 メガンはうろたえた。それはどういう意味? 「これからもないわ。わたしはあなたと関係なんか持ちたくないもの」
 彼は笑った。「ぼくもごめんだね」その言葉にほっとしていいはずなのに、なぜかメガンはそんな気になれなかった。
 それきり二人は黙りこんだ。意識するまいとしても、つい彼の一挙一動に目がいってしまう。腿の筋肉が盛り上がるのを見ると、その感触を想像せずにはいられなかった。ああ、しっかりしなければ。相手は女性関係が新聞で大きく取り上げられるような男性なのよ。わたしはもうだれとも深い関係に陥ったりはしない。特にルーカスとは。
 やっと家の前で車がとまったとき、メガンは落ち着いた笑みを浮かべてみせた。「今夜はどうもありがとう」そしてドアに手をかけようとしたが、ルーカスが素早く身を乗り出してそれをとめた。
「まだ終わっていない」ルーカスはメガンの耳元でささやいた。
 エンジン音と共鳴するように、メガンの胸は高鳴った。「どういうこと?」
「きみの本にもう少し情報を提供しようと思って」
「本?」
「ああ。ほら、『誘惑――カンフィールド流』だったかな?」ルーカスはメガンの頬にはらりとかかった髪をかき上げた。
 メガンは飛び上がりそうになった。あんなくだらないことを言わなければよかったと、今さらながら後悔した。「今夜はもう充分研究させてもらったから」かすれた声で言い、またドアを開けようとしたが、ルーカスも譲らなかった。彼の吐息がますます間近に感じられる。
 メガンは喉が締めつけられたようになり、神経質にまばたきを繰り返した。外は暗く、車の中には二人しかいない。ほんのわずか頭を動かしさえすれば、唇が触れ合ってしまいそうだ。
“それがそんなに悪いこと?”と頭の片隅でささやく声がする。研ぎ澄まされた防衛本能が“災いのもとよ”と答えた。
「充分とは言えないな。きみにキスしないことには。もちろん、純粋なる研究の一環として」
 はっとしてメガンが振り向いたとたん、ルーカスが唇を重ねた。
 メガンはとっさに片手を上げ、ルーカスを押しのけようとした。が、その手は握り締められたまま、彼の肩のところでとまった。体の奥で熱い感覚がほとばしり、手足から力が抜けていく。あとはじらすようなキスの感覚に身をまかせるしかなかった。
 長いこと抑えつけてきた感情が一気に噴き出したようだった。理性は官能の波にあとかたもなくさらわれていった。ルーカスはまだかするような軽いキスを続けている。メガンは喉の奥でうめき、頭をのけぞらせた。もう何も考えられない。ついに彼女は唇を開き、ルーカスを受け入れてキスを深めた。
 やがてルーカスはメガンを膝に抱いた。全身がどくどくと脈打って、彼を求めている。メガンが体をすり寄せると、ルーカスは低くうめき声をあげて、いっそう強く体を押しつけてきた。彼の欲望の高まりが伝わってくる。メガンはこらえきれずにルーカスの肩に腕をまわしてしがみついた。もうどうなってもかまわない。情熱の嵐に喜んで身を投じたい。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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