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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ロマンス・ベリーベスト

伯爵の秘密 シンデレラ・ブライド

伯爵の秘密 シンデレラ・ブライド


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ロマンス・ベリーベスト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 エリザベス・ハービソン(Elizabeth Harbison)
 作家になろうと思ったのは小学生のころ。料理の本を三冊出版したのち、ロマンス小説の執筆を思い立った。現在、夫と娘、二匹の犬とともにメリーランドに住んでいる。

解説

 ワシントンの植物研究所で働くエマは、イギリスにやってきた。ガーンジー島にある美しい庭園を訪れ、研究にどうしても必要な薬草を採取するために。庭園の持ち主はブライス・パリサー伯爵――十七代も続く名門の当主だ。エマはこの二年ほど文通をしている男性に連絡を取り、一緒にガーンジー島へ向かった。島に到着したエマは、やがて驚愕の事実を知る。なんと文通友達の男性こそ、ブライス・パリサー伯爵だった!

抄録

 エマの全身を熱いものが駆け抜け、腰のあたりに留まった。ほとんど暗い中でも彼の顔が見える。瞳はじっとエマを見つめ、形のよい唇はすぐそこにある。「私……」エマの声はしりすぼみになった。自分の気持を表す言葉が見つからない。
 彼が近づいてきて、唇が触れるすれすれのところでしばらく止まった。二人の息は混じり合い、エマは自分が震えているのに気づいた。これ以上じらされたらおかしくなってしまうと思ったとき、ようやく彼は唇を重ねてきた。
 エマは自分の中にこれほど高まる欲望の渦を感じたのは初めてだった。二人は唇を重ね、舌を絡ませた。貪欲《どんよく》なキスは穏やかな触れ合いに変わり、また激しさを取り戻した。二人はかすかに唇を触れ合わせ、長い間じっと動かなかった。近くにいると彼の香りにますますうっとりする。エマは彼の滑らかな頬に触れ、整った輪郭を指先でなぞった。何か言いたいけれど、言葉が出てこない。
 彼はエマの背中に手をはわせた。エマはくすぐったさに体をのけぞらせ、彼の高ぶったものに腰骨を押しつけた。彼も私を求めている。押しつけられたものの感触がエマの情熱をますます燃え上がらせた。
 エマは彼の脚の間に片脚を滑り込ませ、さらに体を密着させた。抱きしめる彼の両腕に力がこもる。彼はエマの顎から肩の線を唇でなぞった。そこで動きを止め、黙ってエマを抱きしめる。
「抱いてほしいの、ジョン」単刀直入な言い方に、エマは自分でも不意をつかれた。
 彼の全身が一瞬こわばり、ひきつった声がした。
「ぼくもだ。信じてほしい。だが今は、いい考えとは思えない」
「だめなの?」傷ついたことがどうしても声に出てしまう。「何か……まずいことでもあるの?」数えきれないほどの言い訳が、エマの脳裏をよぎった。
 彼は体を離し、闇の中でエマを見つめた。「いいや、何もまずいことはない。ただ今度だけは正しいことをしようとしているんだ」
「あなたのタイミングは完璧《かんぺき》なのに」
 彼は仰向けになり、エマがその横顔をじっと見つめた。彼の顎がひきつる。「今は説明できない」かすれた声で言う。「もうすぐ説明するよ、誓ってもいい。そのあとは……」彼は言葉を切り、なんのことなのか、それ以上手がかりを与えようとはしなかった。
 エマはきつく目をつむった。沈黙が訪れる。教会の鐘が時を告げて沈黙を切り裂き、エマの思いをずたずたにする。無視したいけれど、いやでも浮かんでくる思いとともに、エマの頭の中で鐘はだんだん葬送の鐘のように響き出した。ジョンが私を求めていたことはわかっている。少なくとも私に少しは惹かれているのに、正しいことをしなければならないと言った。今は説明できないけれど、もうすぐ話すと。
 どういう意味なの?
 エマはじっと窓の外を見つめた。何時間もたったような気がしたけれど、たぶん二十分くらいだろう。月はとうにここから見えないところへ行ってしまい、見えるのは低く垂れこめた鈍い灰色の雲だけだった。不意に不吉な予感がした。
 エマは必死で頭を働かせ、ジョンの弁解に納得できる説明をつけようとした。でもどんなに逆らおうとしても、一つの恐ろしい結論へ戻ってきてしまう。
 別の女性がいるんだわ。
 そうに違いない。ジョンは誰か別の人と関係を持っていたけれど、わざわざ私には知らせなかったのだ。ある意味で私たちの関係は、そんなことを超越したものだったから。ほかの誰かを話題にするのは場違いだったろう。もっともジョンが打ち明けたとしても、気にしなかったわ。つまり、ジョンに会う前なら、全然気にしなかった。
 二人が恋愛の対象として惹かれ合うとは想像もしていなかった。でも私はジョンに惹かれたし、キスしたくらいだから、ジョンもきっと私に惹かれたのよ。そしてあのキスがすべてを変えてしまった。
 二人は友情の一線を越えて、恋愛の泥沼にはまり込んでしまった。どうにか安全なところまで引き返せたとしても、これからずっとわだかまりが残るだろう。禁断のキスと満たされなかった欲望の記憶は消えない。これから永遠に二人の間に立ちはだかるだろう。
 ようやく眠りに落ちる直前にエマが見たのは、雲の切れ間から再びのぞいた空だった。今度は二つの小さな星がエマにウィンクした。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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