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ぴよぴよキングダム(1)

ぴよぴよキングダム(1)


発行: KADOKAWA/メディアファクトリー
レーベル: MF文庫J シリーズ: ぴよぴよキングダム
価格:580pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 木村 航(きむら こう)
 岩手県釜石市出身。蓬莱学園1990年度卒業生。新城カズマ物語教室聴講生。茗荷屋甚六名義でゲームのテキストも執筆。小説家としてのデビュー作は『神秘大戦 歌う虚』(ファミ通文庫)。代表作『ぺとぺとさん』(ファミ通文庫)『CANNON BALL』 (ラティアーソフト)など。最近刊に『さようなら、ぺとぺとさん』(ファミ通文庫)がある。

解説

 高校生森山拓は、ある朝目を覚ますと……頭の上に『ヒヨコ』が住み着いていた。『ヒヨコ』は高次元生命体ピッチパッチのピックルと名乗り、拓の頭を領土として宣言。伝統にのっとり、この未開の惑星・地球で恋をするのだという。お相手は美しく慈愛にあふれたチュルリラ姫? とりあえずピックルを頭に載せて登校した拓を待っていたのは、チュルリラ姫と、姫の領土になったクラスメート・磐座あかりだった! ピッチパッチの恋の儀式のために、あかりに近づく拓とピックルの前に、大富豪の御曹司と『融合』したピッチパッチ、『ブラ麿』が現れ、恋の行方は混沌と……。クールな笑いとほんわか涙がいっぱいの、ファンタジック学園SF登場。

目次

プロローグ ピッチパッチがやってきた
第一幕 森山拓の大混乱
第二幕 磐座あかりの大暴走
第三幕 地球の夜明けのてっぺんで
エピローグ ようこそ我が家へ
あとがき

抄録

 朝っぱらから頭の上をヘリが行ったり来たりしている。うるせーなーいま何時だよついさっき寝たばっかだよと思いながらひっかぶっていた毛布から顔を出したら、俺のベッドの真上に、オレンジ色の光の球が浮いていた。そいつが高い声で言った。
「目覚めたか、モリヤマ・ヒラク」
「え……!?」
「モリヤマ・ヒラク。貴様の名前だ。そうだな? 我輩の言うことがわかるか?」
 ヘリの爆音の中でも、その声はくっきりと響いた。声変わり前の男の子みたいに高くて細くて、ちょっと舌っ足らず気味の声だった。そのくせ、しゃべり方は妙に古くさい。
 俺はうろたえた。確かに俺は森山拓《もりやまひらく》だ。でも、オレンジ色に光って宙に浮いてるよーなヤクザなやつに心当たりは全然ない。
 手探りで枕元《まくらもと》から眼鏡《めがね》を取った。それをかけても事態は好転しない。相変わらず光球はそこにあり、薄暗い俺の部屋を透明感のある色調の光で照らしている。光球の大きさはスイカくらい。いやメロンかな。人魂《ひとだま》にしちゃ大きいけど、UFOにしちゃちっこい。
「……大山《おおやま》さんのお知り合いですか?」
 俺の問いかけには答えず、呟くように光球は言った。
「言語は通じているな。では、これよりフェイズ変換に移る」
 光球は強い光を発しながらサクランボ大に縮んだ。同時に猛烈な風が巻き起こった。
「なっ……!? ちょ、やめ……」
「リィィリリリリリィーッチ!」
 ただでさえ散らかった俺の部屋は風に巻かれてぐちゃぐちゃだ。その渦《うず》の中心で、光球が激しく燃え上がり、形を変えてゆく。まばゆい光から目をかばいながら俺は見た。
 光球から、ちいさな頭と手足が現れる。いや、手じゃない。羽? 翼か?
「フェイズ変換! 三次元モード! リリィィーッチ!」
 一瞬、閃光が走った。
 直後、部屋中にあふれかえっていた光と風とわけのわからんエネルギーとがグッと圧縮され結晶化したみたいに、俺の目の前、ベッドの上に、ちょこんと立った者があった。
 ――鳥? てゆーか、ヒヨコ!?
「フェイズ変換完了」
 得意そーにそいつは言ったが、サイズも姿もヒヨコそのものだから、胸張ったって全然貫禄《かんろく》はない。しかも、ヒヨコはヒヨコでも、たまに露店で見かけるカラーヒヨコみたいに、全身チョー派手なオレンジ色だった。そのうえ眉毛《まゆげ》があった。黒くて太くてガンコそーな眉だ。ついでにトサカみたいな目立つ羽まであった。リオのカーニバルの美女たちが頭に飾っているような、逆立って広がってふわふわ揺れる巨大なトサカで、しかも真っ赤だ。なんつーか頭悪そうだ。全体的なプロポーションも丸っこい。俺は東京名物・銘菓ひよこの中身のあんこが一・五倍になったやつを連想した。
 芝居がかった大げさなポーズでヒヨコのやつは翼を広げ、ふんぞりかえって言った。
「いざ聞け! 我が名はピックルス・ル・チュンチュン三世。遥《はる》か銀河中枢《ちゅうすう》部より三百三十三ワープの旅を経て、未開辺境の蛮地《ばんち》・地球へとやってきた。この大いなる冒険は、ただひとつ……恋のため!」
「……はぁ? 銀河? ワープ?」
 思わず聞き返した俺の声は、ちょっと笑っていたかもしんない。
 ヒヨコは黒い太い眉毛を不愉快そうに動かして、俺をにらみつけた。
「理解できない概念《がいねん》ではあるまい? 我ら高次元文明人の技術のうち、貴様ら地球の日本人の言語に翻訳《ほんやく》不可能だったのは、リリッチだけのはずだ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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