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砂漠の王と千一夜

砂漠の王と千一夜


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リン・レイ・ハリス(Lynn Raye Harris)
 祖母がガレージセールで買ってきたハーレクインのロマンス小説を初めて読み、将来はシークかプリンスと絶対に結婚すると心に誓う。その後軍人と結婚。クレムリンを訪問したり、地球の反対側にある火山を探索するといった世界中を飛び回る生活を送ることになる。有望なロマンス小説に贈られるアメリカ・ゴールデン・ハート賞で2008年度、最終選考まで残った。

解説

 姉の代理で身ごもった子が、砂漠の王の後継者だったなんて!

 シェリダンは不妊に悩む姉のために人工授精を受けた。だが、その一週間後、にわかに信じがたい知らせがもたらされる。病院で手違いがあり、義兄とは別人の精子が使われたというのだ。取り乱すシェリダンは、突然訪ねてきた男にさらに追いつめられる。今まで見たこともないほど美しく整った顔。黒い髪に黒い瞳。これほどまで凍てつくような冷たいまなざしには出合ったことがない。怯える彼女に彼は言った。「君のおなかにいるのは僕の後継ぎだ」彼の正体は砂漠の国のラシード王。つまり、この子は未来の国王? 思わず叫ぼうとしたシェリダンはキスで口をふさがれ、さらわれた――荒涼とした砂漠に囲まれ、文明から遠く隔たった未知の国へと。

 ■姉思いのシェリダンの身に起きた、ありえない運命のいたずら。出会う前から、その人の子を身ごもっていたとしたら? 衝撃的な展開に思わず引きこまれずにはいられない!

抄録

「つまり、君は自分の人生をいったん保留にして姉さんの子供を身ごもり、その子を産んだら姉さんに渡すのか。十カ月間、まるで君ではなく姉さんがその子を身ごもっていたかのように」
 喉につかえた塊は消えなかった。シェリダンは震えを抑えようと体に腕をまわした。空気がさらに冷たくなったようだ。「簡単なことだとは言わないわ。でも、愛する人のためなら、あなただって犠牲を払うはずよ」
 ラシードは身動き一つせずにシェリダンを見ていた。何か言うだろうと思ったのにいつまでも黙っているので、シェリダンはなぜか不安になり、そっと咳払いをした。
「何を言えばいいかわからないわ。あなたが怒っているのか、それとも、もともと口数が少ないのか、まったくわからない」
 ラシードが新たな興味を抱いたようにシェリダンを見た。「僕は怒っていない。いらだっているんだ」
「それは私も同じよ」
「そうかな?」
「私は……」この会話はどんどん手に負えない方向へ進んでいく。暗闇の中でラシードの瞳がきらめき、突然、情熱的に見えた。それに彼は限りなく裸に近い。「ええ、あの、もちろんよ。当然でしょう? こんなもどかしい状況にいるんだもの」
「僕には君が自分の子供を身ごもっているかもしれないという事実がとても不思議に思える。僕たちは深い関係になったこともないのに。僕は君の服を脱がせたことも、君を味わったこともない」
 シェリダンの体は、今度は冷えるどころか熱くなってきた。「ええ……そうね」
「君はそのことを考えたかい、シェリダン? この前のキスのことを?」
 シェリダンの心臓は狂ったように打ちはじめた。そう、考えた。キスだけでなく、一糸まとわぬ姿になった自分が彼に抱き寄せられることも。エネルギッシュで途方もなく魅力的なこの男性の恋人になるのはどんなかしらと、思いをめぐらした。
「もちろん考えたわ」シェリダンはそう答えながら、あっさり事実を認めてしまったことに動揺した。「でも、だからといって、何か行動を起こしたいわけじゃないの」
 嘘つき。もう一人の自分がささやいた。
「だったら、真夜中に誰かの部屋に足を踏み入れるときには、もっと慎重になったほうがいい」
 ラシードの声はまたもや氷のように冷たくなっていたが、どういうわけか熱っぽくも聞こえた。脅しているのではなく、何かを期待しているような響きがあり、シェリダンは身震いした。
「ここがあなたの部屋だとは知らなかったのよ。ここへ来たのは、べつにあなたに会うためでは……」
 シェリダンは最後まで言えなかった。耳が熱かった。うぶなバージンでもないのにこんなに動揺するなんて、どうかしている。これまでつき合った男性は二人だけだとはいえ、男と女が裸になって抱き合ったらどうなるか知らないわけではない。
 だが今、その想像がシェリダンを苦しめていた。ハンサムで、謎めいた危険な雰囲気を漂わせるラシードが自分の体に一心に意識を向けていると思うと、信じられないほど興奮した。彼のことなど好きではないと自分に言い聞かせたが、体はそんなことは気にしていないようだった。それがどうしたの? まるでそう言っているかのように脚の間が激しく脈打っている。
「たぶんそうなんだろう」ラシードがよどみなく言った。「だが、君はこうなることを求めている。君の目を見ればわかるよ、シェリダン」
 怒っているふうを装おうとしたが、胸の頂が硬くなり、シルクのローブを押しあげるのがわかった。シェリダンは寒さから身を守るふりをして体に腕をまわし、あとずさった。「私たちはお互いのことをほとんど何も知らないのよ。私に触れてごらんなさい、大声で叫んでやるから」
 ラシードが笑った。「ここがキルの宮殿で、僕が王だということを忘れているな。もし君をベッドに縛りつけ、ひと晩じゅう気のすむまで味わいたいと思えば、とめる者は誰もいないんだ」
 シェリダンの心臓の鼓動がまた速くなった。ベッドに縛りつけるなどという言葉は聞き流すべきなのに、興奮をかきたてられていた。
 ラシードがさらに近づいたが、シェリダンは逃げようとしなかった。ライオンに襲われるのを待つガゼルのように一歩も動かなかった。ラシードに引き寄せられると、薄いローブに包まれた体が彼のむき出しの肌に触れた。ラシードはシェリダンのヒップの上に両手を広げた。
 しかし、抱き締めはしなかった。だから逃げ出したければ逃げ出せたし、二人ともそれをわかっていた。そして、彼女は逃げようともしなかった。
 ラシードが再び笑った。穏やかに、勝ち誇ったように。「君は大嘘つきだな、シェリダン」かすれた声で言い、唇を彼女の唇に重ねた。
 この前のキスが強烈と言えるものだったとしたら、今回はまさに世界が揺らぐようなキスだった。ラシードの舌が唇の合わせ目をたどると、彼女は口を開き、自ら舌をからませた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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