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婚約と結婚の間

婚約と結婚の間


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マーゴット・ダルトン(Margot Dalton)
 RITA賞受賞作家。’94年に日本でも刊行された『私という名の他人』は、アメリカでテレビドラマ化され反響を呼んだ。その後も数多くのスーパーロマンス作品や単行本を中心に活躍。生涯の恋人であり夫であるロスは、カナダ王立騎馬警官だった。いまや二人の愛の歴史は半世紀にも及ぶ。

 ジーナ・ウィルキンズ(Gina Wilkins)
 アメリカ南部は物語の舞台にふさわしい、魅力にあふれた土地だと語り、根っからの南部人を自負している。南部、とくにアーカンソー州北部とミズーリ州南部にまたがるオザーク山地の一帯を舞台にし、そこに住む誇り高い人々を描いた作品を数多く書く。長くシルエット・シリーズで活躍しており、ジーナ・フェリス、ジーナ・フェリス・ウィルキンズというペンネームも使っていた。現在は夫と三人の子供とともに、アーカンソー州に住んでいる。

解説

 ●『涙の契約結婚』(マーゴット・ダルトン著)
 リーはある会社の面接会場で元婚約者のデイビッドと再会する。六年前、家族の事情で泣く泣く結婚をとりやめたのだが、彼女が婚約を破棄した本当の理由を知らない彼は冷たかった。だが、既婚者しか採用されないと知って戸惑うリーに、デイビッドは非情な契約結婚を持ちかけてきた。

 ●『迷える婚約者』(ジーナ・ウィルキンズ著)
 幼なじみのアランとの結婚を目前に控え不安に陥ったサーシャは、別荘で一人静かにすごし、ゆっくり考えることにした。ところが夜遅くにアランが現れ、彼女の心は千々に乱れた。休日返上で仕事をすると言っていた彼がなぜここに? 婚約者が別荘に訪れた理由を知って、サーシャは愕然とした……。

 ★婚約から結婚までの間にはさまざまなドラマが存在します。本作では、ベテラン作家たちの手になる感動の物語を二編収録してお贈りいたします。★

抄録

「ひどい格好だな」彼はリーをまじまじと見て言った。「眠っていたのか?」
「ひどい格好ですって?」リーは彼をにらみつけた。「人を傷つけなければ嘘をついてもかまわないっていう例の説法はどうなったわけ?」
 デイビッドが不敵な表情でにやりと笑った。「そう言われればそうだな。訂正する。今日のきみは実にきれいだ。ところで中に入れてくれるかな?」
「だめ」リーはドアを閉めようとした。
 だがデイビットが片足をさっとさし込んだ。「いいかい、リー? きみがぼくに電話をかけてきたんだ。ぼくはきみがどういう状況にあるかわかっている」
 リーは敗北を認めた仕草をしてからドアを開け、彼をアパートメントの中に通した。デイビッドは段ボール箱の山をしげしげと眺めた。
「きみはよほど採用される自信があったようだな」
「まさか、自信なんてこれっぽっちもなかったわ。ここはモイラと一緒に借りていたんだけど、彼女が恋人と南アメリカに行ったものだから、引っ越しせざるをえないのよ。わたし一人では、とても家賃を払いきれないもの。おまけに」リーは吐き捨てるように言った。「先週からは、失業中ときているわけだし」
 デイビッドが箱の山の近くで迷うように足を止めた。
「よかったら、その上にでも腰かけて」リーは手で箱を示した。「中は本なの。家具はもう運びだしたから」
「どこに?」
「ほとんどは競り市にね。シャーロット叔母さんのところの地下室に入れたものもあるけど」
「シャーロット叔母さんか、好きだったなあ」デイビッドが、まるでいつもこうして訪ねてきているように気さくに箱の一つに腰を下ろした。
「そうだったわね」リーは疲れた声で言うと、エアマットレスに腰を下ろし、再び窓の外に目をやった。「しかもあなたは叔母が人として認めた数少ない人だと思う」
 デイビッドが一瞬、不可解な計り知れない表情を向けた。そして胸ポケットに手をやると、公式のものらしいスタンプの入った書類を取りだしてリーにさしだした。リーはそれを開くと、文面にざっと目を通して唖然とした。
「これは……でもこれは……」両手が震えて紙がかさかさ鳴った。「デイビッド、これは結婚許可証じゃない」
「そう」彼が言った。「まさしくそのとおり」
「しかも……」めまいを感じながら、リーは書類を凝視した。「わたしたちの名前が書いてある。あなたとわたしの」
「なかなかの見ものだろう?」
「でもこんな……」めまいがおさまらず、リーは彼の向かいの、本のつまった箱に腰を下ろした。「こんなばかげた話、聞いたことがない」
 デイビッドが体をのけぞらせて、腕を組んだ。「どうしてばかげているんだ? ぼくたちは二人とも、同じ会社で働くためにスポケーンに行く。あれこれ面倒を避けるためには、きみには夫が必要だ。そして向こうに着いたとき、ぼくに妻がいたところでなんら不思議はない。ぼくはすでにそう話しているわけだからね。つまり、ぼくたちは今結婚して会社側の求める条件を満たし、秋頃に正式に離婚しても何も問題はないわけだ。会社も離婚したからってぼくたちを解雇することはできない」
 リーは目を大きく見開いて、彼を見つめた。「あなた、どうかしているわ」
 彼はその言葉を無視した。「その許可証はそれを使うと決めた時点で有効になる」
「でもこんなことが……」リーは自分が何か突拍子もない夢を見ていて、そのうち夢から覚めるのではないかと思った。「あなたとこんな会話をしているなんて、信じられない」
「ぼくに結婚を申し込むんだ」デイビッドが言った。
「え?」
「ほら、こう言うだけだ。“デイビッド、わたしと結婚して”考えてみろよ、リー。その一言で、きみは今抱えている問題すべてを解決できるんだ」
 もちろん、そのとおりだ。けれどリーはどうしてもその言葉を口にできなかった。自分のこの窮地を彼がこんなにも楽しんでいるとなれば、なおさら。
「いいかい。こうするしかないのはきみもわかっているだろう」デイビッドがもっともらしく言った。「それともほかに選択肢があるとでも?」
「マートロー夫妻に嘘をついたことを打ち明けるのよ」リーはわらにもすがる思いで言った。「先方はわたしの能力を気に入ってくれているわけだし。面接で多少の嘘がまじったとしても、きっと……」
 声がしだいに小さくなった。手に握りしめている真新しい結婚許可証の用紙を見つめる。
 デイビッドがわずかに暗い目を向けたまま、じっと待っていた。
 リーは必死でもがいた。ほかに選択肢はないかと、罠にかかったねずみのように大急ぎで思考を行ったり来たりさせる。そして結局、深く震える息を吐き出し、歯を食いしばった。
「デイビッド」苦悩に満ちた声でリーはつぶやいた。「わたしと……ああ、やっぱりだめ」
「さあ、続けて」デイビッドが促した。
 リーは屈辱の涙をこらえた。「わたしと結婚してくれる?」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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