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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ

少女から妻へ

少女から妻へ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ
価格:400pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サンドラ・マートン(Sandra Marton)
 アメリカの作家。少女のころから書くことが大好きで、早くからラブストーリーを書いていた。ロマンス作家としてのデビューは一九八六年。その後次々と作品を発表している。

解説

 父は生前、友人から、姪の後見人になってほしいと依頼されていた。長男で弁護士のグラントはさっそく少女クリスタに会いに行った。ところが顔を合わせたクリスタは、もうすぐ二十一歳になるという女性だった! しかも革の超ミニスカートに、セクシーな体の線もあらわな格好だ。グラントは頭を抱えた。こんなに魅力的で気性の激しい相手に、いったい、どんな“生活指導”をしろっていうんだ……。

抄録

 彼の目が何をとらえているかは一目瞭然だ。体にぴったりしたTシャツに、ばかみたいに短い革のスカート、それにまぬけなブーツ……。
 どうしようもないブーツだ。グラントは思った。これほどセクシーな代物を見るのは初めてだ。それにこの革のスカート……腿の半分までもないじゃないか。その上には幅広のベルトが驚くほど細いウエストに締められ、その上には……。
 ああ、そうとも。その上には雨に濡れた淡いピンク色のTシャツに包まれた胸が量感豊かに盛りあがっている。乳首の輪郭がはっきりと見てとれる。彼はつい手を伸ばして触れそうになるのを懸命にこらえた。
「ねえ、たっぷり見たかしら、坊や?」冷ややかな声で言うと、クリスタは足を引っこめ、立ちあがった。「なら、ママのところにお帰りなさい」
 グラントも立ちあがった。彼女の目はすみれ色からプラム色に変わっている。またしても腹を立てているようだ。笑わせるじゃないか。
 女がこういう挑発的な身なりをするのは、男の誘いを期待している以外になんの理由があるというのだ。
「もちろん」グラントは言った。「引きとめるつもりはない。弁護士との約束があるんだろ?」
 クリスタはレインコートの前をしっかりと合わせた。「よけいなお世話よ」なんとか威厳を装い、片方のヒールが折れていることを念頭に置いて背を向けると、ビルを出るために玄関ドアに向かって歩きだした。
 いやなやつ。よろめかないよう慎重に歩を進めながら胸のなかでつぶやいた。この服を着ているときに男たちから投げかけられる物欲しげなまなざしには慣れている。でも、あの傲慢な男のまなざしはそれだけではなかった。品定めするような目でわたしを見ていた。まあ、驚きはしないけれど。ずぶ濡れにはなっていたが、服装や態度は見るからに金持のエリート然としていた。自分の独断的な価値基準に達しない人間は、彼にとって軽蔑するにも足らない存在なのだろう。
 弁護士と会うという話を信じてさえいなかった。もっとも、わたし自身もおぼつかないけれど。約束の時間はとうに過ぎてしまっているから……。
 壁にかかった案内板がふと目に入り、クリスタは足を止めた。ブラックバーンのオフィスはこのビルの十二階にあったんだわ。
 クリスタはきびすを返した。エレベーターは二台あって、両方とも扉が閉まりかけている。どちらかにあの男が乗っているはず。
 だから、どうだっていうの?
「ちょっと待って」クリスタは叫んだ。
 閉まりかけた扉がいったん停止し、それから開いた。クリスタは急いで乗りこんだ。乗客はふたりいた。ブリーフケースをさげた中年女性と、あの男。
 クリスタは冷ややかな視線を男に投げつけ、背を向けて胸の前で腕を組んだ。エレベーターはゆっくりと上昇しはじめた。
 三階で女性が降り、ふたたびエレベーターが動きだした。クリスタは黙ったまま背を向けていたが、六階で止まると振り返って男をにらみつけた。彼は壁に寄りかかり、足首を軽く交差させている。
「ぼくはまだ降りないけど……」男がばかにしたような笑みを浮かべて言った。「どの階を選ぶかはきみの自由だ」
 クリスタの顎がひきつった。「選べないと思っているのね」
「ぼくを追っても無駄だ。何がねらいなのか知らないが」
「うぬぼれないでよ。ここにいる権利はわたしにもあるのよ。わたしは……」
「約束がある。ああ、そうだろうとも」
 内心せせら笑っているんだわ。かまうものですか、赤の他人にどう思われようと平気よ。だが体が勝手に彼のほうに向きなおっていた。
「下劣きわまりない人間だと誰かに言われたことがない?」
 彼の目が険しくなった。「図に乗るのもいい加減にしろ。ぼくがきみなら……」
「あなたは傲慢で、横柄で、冷酷な人でなし……」
 いきなり腕をつかまれ、クリスタは悲鳴をあげた。コントロールパネルに手を伸ばそうとしたが、それより先に彼の拳がパネルをたたいていた。
 エレベーターががくんと止まった。
「もうたくさんだ!」彼はうなるように言った。
 厄介なことになるぞ。理性が警告を発していたが、グラントは耳を貸さなかった。もっとも、原始的な方法で黙らせても、この手の女が文句を言うとは思えない。
 拳が胸に打ちつけられるのもかまわずに、グラントは腕のなかに彼女を抱き寄せ、強引に唇を重ねた。単に後悔だけでなく、屈服させたかった。
 クリスタはそのどちらもしなかった。唇を離した彼に、ののしりの言葉を浴びせかけた。
 そら見たことか。グラントのなかであざける声がした。彼女を放すんだ。自分に言い聞かせたが、怒りに突き動かされて両手で彼女の頭を押さえつけ、ふたたびキスしていた。彼女はまたしても悪態をついた。
 グラントは凍りついたように身じろぎもしなかった。いったいぼくは何をしているんだ。与えずに奪うだけの男ではなかったはずだ。一方的に求めるだけの男では……。彼女をその気にさせたい。腕のなかで燃えあがらせたい。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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