和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>SF
著者プロフィール
神野 オキナ(かみの おきな)
1970〜
ガンマニアでアニメファン、ついでに少々古めの特撮ファン。99年「ファミ通えんため大賞」に「かがみのうた」で小説部門の佳作を受賞。同年末「闇色の戦天使」(ファミ通文庫)でデビュー。代表作「南国戦隊シュレイオー」(ソノラマ文庫)「鬼姫斬魔行」(カドカワハルキ文庫)「シックス・ボルト」(電撃文庫)など。
1970〜
ガンマニアでアニメファン、ついでに少々古めの特撮ファン。99年「ファミ通えんため大賞」に「かがみのうた」で小説部門の佳作を受賞。同年末「闇色の戦天使」(ファミ通文庫)でデビュー。代表作「南国戦隊シュレイオー」(ソノラマ文庫)「鬼姫斬魔行」(カドカワハルキ文庫)「シックス・ボルト」(電撃文庫)など。
解説
キャーティアシップが制御不能! 地球に堕ちてくる!? 地球防衛組織『バカルー・ハイペリオン!』を名乗る集団により、母艦とキャーティア大使館……つまり騎央の家が襲撃された! その結果、アオイと真奈美の防戦も空しく地上に降りていた艦長クーネは意識不明に……。システムを乗っ取られた母艦の墜落による被害を阻止するため、アメリカは核攻撃による母艦の撃破を宣言する。墜落を食い止めるためにはシステムを再起動するしかない。だが……再起動できるのは艦長クーネだけ。そして、エリスのシャトルも撃破され宇宙に上がる手段はない。この危機に一人残されたエリスはどう立ち向かうのか。
目次
プロローグ 艦長と一緒に丁稚が来た
第一章 いぬはいぬでもせんそーのいぬたち
第二章 手渡されても困るのだった
第三章 先にバラされ大変だった
第四章 とにかく宇宙へ上がるのだった
第五章 とにかく寒い宇宙への旅
第六章 準備は色々あるのだった
第七章 真っ赤な戦車、地を走り♪
第八章 うちゅーのおんなきし×2なのだった
終章 猫の耳と尻尾とあなた
あとがき
第一章 いぬはいぬでもせんそーのいぬたち
第二章 手渡されても困るのだった
第三章 先にバラされ大変だった
第四章 とにかく宇宙へ上がるのだった
第五章 とにかく寒い宇宙への旅
第六章 準備は色々あるのだった
第七章 真っ赤な戦車、地を走り♪
第八章 うちゅーのおんなきし×2なのだった
終章 猫の耳と尻尾とあなた
あとがき
抄録
「どうだ、バカ猫ども! 我々は地球に住む宇宙難民勇士により結成された地球防衛組織『バカルー・ハイペリオン!』『バカルー・ハイペリオン』だ――っ!!」
異様なハイテンションで、女は続ける。
「…………」
騎央たちは点目になってそのご高説を流れるがままにしていた。
「本日ただ今より、我々はキャーティアと地球との外交樹立を妨害するべく破壊工作を開始した! 取りあえず、お前たちの母艦を爆破してやるのだーっ!」
パンキッシュな美女はなおも続ける。
「さあ、わめけ、怒れ、絶望せよ! 私たちはお前たちなんかと仲良くなりたくなんかない! そして、『ビューティフル・コンタクト』のようにヘタレのポンポコピーとはワケが違う! 戦うのだ、戦うのだお前たちと! 永遠の戦いをこれから繰り広げるのだーっ! 我々はテロリスト! イカすテロリストだっ! お前たちの言うことなんか聞きたくないっ! 要求貫徹(かんてつ)を行うだけだーっ!」
「…………エリス」
こめかみのあたりを指で押さえながら、騎央は映像に背を向けて、エリスに話しかけた。
「とりあえず、宇宙に行かないといけないわけだよね?」
「宇宙? いったいどうしたの?」
アオイもそそくさと背中を向けてエリスの方を向く。
「いえ、実はかくかくしかじか…………」
エリスはなるべく映像の方を見ないようにしながら話を始めた。
「…………?」
「…………とまあ、こういうわけなんです」
「宇宙船は地球にぶつかる前に自爆するの?」
「ええ。ある一定以上の大きさの宇宙船は、減速無しに惑星に近づくと、船体を作っている物質の結晶構造が崩壊、爆発するように作られているんです…………小型なら乗務員の生命優先ですけど、大型はさすがにぶつかったときの被害が比べものになりませんから。まして恒星間用ともなると、エネルギーだけでも莫大なものになりますし」
「じゃあ、乗員は見殺し?」
「いえ、そうならないように小型艇で脱出するんです…………でも今回、船の中の時間を凍結されているんで、逃げ出すこともできないわけで」
「…………こ、こらっ。お、お前たちっ!」
「じゃあ、仮に宇宙にあがったとしても、凍結された人たちをどうにかしないといけないわけね?」
「でも、時間凍結って…………どうやって元に戻すの?」
「それに関してはちょっと考えがあります。でも問題は宇宙への道です。私の乗ってきた連絡艇は敵に襲われて、今反応が消えました…………ほら」
「あ、ホントだ、いつもこのあたりにピカピカ光る点があるのに、ない」
「ええ…………恐らく大破、下手をすれば完全に破壊されているかもしれません…………中枢部分は頑丈ですからまず大丈夫でしょうけど、エンジンが…………」
「あー、こら、お前たち」
「エンジン……ええと、宇宙に出られさえすればいいの?」
「ええ、最悪の場合、こっちの手持ちのシステムで計算しながら向かえばいいですし、宇宙にさえ出てしまえばアシストロイドたちと一緒に簡易移動装置を作れば…………」
「こらーっ無視すなーっ!」
金属球が揺れるほどの大声に、渋々騎央たちは映像の方を向いた。
「えーと、何でしょうか」
「こら、冷酷非情な過激テロリストが犯行声明を出しておるのだ、注目せんかぁっ」
顔中口にして喚(わめ)くパンク美女に、騎央、エリス、アオイは顔を見合わせ「困ったもんだ」と溜息をついた。
「いや、もうそんな下手な変装しなくてもいいですよ。そういうことにしておきますから」
いいかげんにしてください、という意味を言外(げんがい)に匂わせながら、エリスは、彼女にしては珍しく苦い顔で口をへの字に曲げた。
「犬の人も大変だと思いますけど、こっちも忙しいので、失礼します」
エリスは怒っているらしかった。
「な…………」
「それじゃ、僕も……」
「ま、まて、私は犬の人なんかじゃ…………」
「いい加減にしなさい」
じろり、とアオイが眼鏡の奥から冷たい一瞥を送り込んだ。
「この前の船の中で、私を散々手こずらせた相手が、そういうコスプレ趣味だというのはちょっと…………辛いわ」
「…………!」
パンクス美女……ジェンスの顔が憤怒(ふんぬ)よりも羞恥に赤く染まった。
「な、な、ななななな」
「…………私も行くわ。あなたも、これが最後の仕上げじゃないんでしょう?」
ここで一旦言葉を切り、アオイは更に視線の温度を下げた。
「私たちの反撃は鋭いわ、覚悟していなさい」
*この続きは製品版でお楽しみください。
異様なハイテンションで、女は続ける。
「…………」
騎央たちは点目になってそのご高説を流れるがままにしていた。
「本日ただ今より、我々はキャーティアと地球との外交樹立を妨害するべく破壊工作を開始した! 取りあえず、お前たちの母艦を爆破してやるのだーっ!」
パンキッシュな美女はなおも続ける。
「さあ、わめけ、怒れ、絶望せよ! 私たちはお前たちなんかと仲良くなりたくなんかない! そして、『ビューティフル・コンタクト』のようにヘタレのポンポコピーとはワケが違う! 戦うのだ、戦うのだお前たちと! 永遠の戦いをこれから繰り広げるのだーっ! 我々はテロリスト! イカすテロリストだっ! お前たちの言うことなんか聞きたくないっ! 要求貫徹(かんてつ)を行うだけだーっ!」
「…………エリス」
こめかみのあたりを指で押さえながら、騎央は映像に背を向けて、エリスに話しかけた。
「とりあえず、宇宙に行かないといけないわけだよね?」
「宇宙? いったいどうしたの?」
アオイもそそくさと背中を向けてエリスの方を向く。
「いえ、実はかくかくしかじか…………」
エリスはなるべく映像の方を見ないようにしながら話を始めた。
「…………?」
「…………とまあ、こういうわけなんです」
「宇宙船は地球にぶつかる前に自爆するの?」
「ええ。ある一定以上の大きさの宇宙船は、減速無しに惑星に近づくと、船体を作っている物質の結晶構造が崩壊、爆発するように作られているんです…………小型なら乗務員の生命優先ですけど、大型はさすがにぶつかったときの被害が比べものになりませんから。まして恒星間用ともなると、エネルギーだけでも莫大なものになりますし」
「じゃあ、乗員は見殺し?」
「いえ、そうならないように小型艇で脱出するんです…………でも今回、船の中の時間を凍結されているんで、逃げ出すこともできないわけで」
「…………こ、こらっ。お、お前たちっ!」
「じゃあ、仮に宇宙にあがったとしても、凍結された人たちをどうにかしないといけないわけね?」
「でも、時間凍結って…………どうやって元に戻すの?」
「それに関してはちょっと考えがあります。でも問題は宇宙への道です。私の乗ってきた連絡艇は敵に襲われて、今反応が消えました…………ほら」
「あ、ホントだ、いつもこのあたりにピカピカ光る点があるのに、ない」
「ええ…………恐らく大破、下手をすれば完全に破壊されているかもしれません…………中枢部分は頑丈ですからまず大丈夫でしょうけど、エンジンが…………」
「あー、こら、お前たち」
「エンジン……ええと、宇宙に出られさえすればいいの?」
「ええ、最悪の場合、こっちの手持ちのシステムで計算しながら向かえばいいですし、宇宙にさえ出てしまえばアシストロイドたちと一緒に簡易移動装置を作れば…………」
「こらーっ無視すなーっ!」
金属球が揺れるほどの大声に、渋々騎央たちは映像の方を向いた。
「えーと、何でしょうか」
「こら、冷酷非情な過激テロリストが犯行声明を出しておるのだ、注目せんかぁっ」
顔中口にして喚(わめ)くパンク美女に、騎央、エリス、アオイは顔を見合わせ「困ったもんだ」と溜息をついた。
「いや、もうそんな下手な変装しなくてもいいですよ。そういうことにしておきますから」
いいかげんにしてください、という意味を言外(げんがい)に匂わせながら、エリスは、彼女にしては珍しく苦い顔で口をへの字に曲げた。
「犬の人も大変だと思いますけど、こっちも忙しいので、失礼します」
エリスは怒っているらしかった。
「な…………」
「それじゃ、僕も……」
「ま、まて、私は犬の人なんかじゃ…………」
「いい加減にしなさい」
じろり、とアオイが眼鏡の奥から冷たい一瞥を送り込んだ。
「この前の船の中で、私を散々手こずらせた相手が、そういうコスプレ趣味だというのはちょっと…………辛いわ」
「…………!」
パンクス美女……ジェンスの顔が憤怒(ふんぬ)よりも羞恥に赤く染まった。
「な、な、ななななな」
「…………私も行くわ。あなたも、これが最後の仕上げじゃないんでしょう?」
ここで一旦言葉を切り、アオイは更に視線の温度を下げた。
「私たちの反撃は鋭いわ、覚悟していなさい」
*この続きは製品版でお楽しみください。
本の情報
紙書籍初版: 2004/8/31
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