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かつて誓った愛を 若き獅子たち II

かつて誓った愛を 若き獅子たち II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス若き獅子たち
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マーガレット・ウェイ(Margaret Way)
 書くことが大好き。息子がまだ赤ちゃんのころから小説を書きはじめ、今では執筆しているときが彼女のいちばん充実した時間になっている。楽しみは仕事の合間を縫って画廊やオークションに出かけること。また、シャンパンには目がない。オーストラリアのブリスベーン市街を見下ろす小高い丘にある家が彼女の安息所である。

解説

 恋人を裏切り、女優として成功した今、彼女は失ったものの大きさに苦しんでいた。

 ■親友ブロッドの結婚式に花婿の付き添いとして出席したレイフは、ブロッドの妹アリと再会した。かつて激しく愛しあったアリと。彼女は五年前、女優になると言って突然レイフのもとを去った。その才能は花開き、今ではテレビドラマの人気女優だ。彼女に裏切られたという思いは、レイフをずっと苛みつづけてきた。一方アリも後悔していた。彼の腕に飛びこみ、許しを請いたいと思う。レイフを求める気持ちは薄れるどころか、つのるばかりなのだから。ところが幼なじみのレイニーがレイフに恋していて、彼もレイニーを妻の有力候補と見ているらしい。もうもとの二人には戻れないの? アリの心は沈んだが、運命は彼女を見放さなかった。ストーカーに悩まされている事実をレイフに打ち明けると、彼はアリの部屋に泊まって、きみを守ると言い張ったのだ。

抄録

 彼女は抵抗をやめた。脱力感しかない。
「アリ、アリ」
 その声は、目出し帽のせいでくぐもった恐ろしいささやき声ではなかった。抑制のきいたすがすがしい声。しかも、なじみ深いうれしい声だ。
 レイフ。
 アリはぱっと目を開けた。
 ベッドに横たわっていた。ミイラのように何かが体に巻きついている。上掛けだ。髪をくしゃくしゃにしたレイフが彼女に腕をまわして顔をのぞきこんでいた。
「頼むよ、アリ、しっかりしてくれ! きみのせいで心臓が止まりそうだ」
 もうろうとしていた意識がはっきりしてきた。アリは上体を起こしてあえいだ。「ごめんなさい。ごめんなさい。恐ろしい夢を見ていたの」
「そうだろうとも!」レイフの声は皮肉を含んでいる。「まいったよ。噛みつこうとするんだから。きみの悲鳴を止めなかったら、この建物中の人がレイプだと騒ぎだしたところだ」
「ごめんなさい」アリはまた小声で言い、体に巻きついている上掛けから抜けだそうとした。
「ぼくにまかせて」レイフは彼女を転がすようにして上掛けから解放した。部屋を白く照らしている月明かりで、アリの姿がはっきり見えた。ナイトガウンの丸く大きく開いた襟ぐりから、まろやかな胸がのぞいている。
「誰かが様子を見に来るかしら?」アリは真剣な顔つきだ。
「警察に誰も通報しなかったのが不思議だよ」
「そんなにひどかった?」彼女は冷静になろうと必死だった。
「ぼくが口を押さえていなかったらどうなっていたか。アリ、いったいどんな夢を見ていたんだ?」
「正体不明のストーカーよ」弱々しい声で言い、急に枕をたたいた。「わたし、闘っていたの」
「噛みっぷりはみごとだったよ。よくもぼくの目をえぐりださなかったものだ」
「まあ、けがさせてないわよね?」アリはすり寄って彼の手をとった。「大変、冷えきってるわ」
 レイフは彼女に握られた手をすげなくひっこめ、皮肉を言った。「パジャマを着る時間がなくてね」すぐにこの部屋から出ろと頭の隅で声がする。
「着る必要はないわ」アリはかすれた声で言い、裸になった彼の魅力的な上半身に見とれた。広い肩から細い腰にかけてのみごとな線。無駄な肉はいっさいない。「たぶん、例のストーカーの話をしていたせいで夢を見たんだわ」
「そうだろう」わざわざ月の光に体を向けないでくれ。エロチックな体の線が誘っているようだ。
「夢に現れた人影にひっかかるものがあったんだけど」とげとげしい声でアリは言った。「忘れてしまったわ」息がはずんで、ばらの花びらのようなしっとりした質感の胸が襟元からせりあがる。
「ぼくを挑発しようなんて考えるなよ」レイフが眉根を寄せて忠告する。
 アリは腕を振りあげ、怒ったふりをした。どうしようもなく彼が欲しい。そのためならなんだってするつもりだ。「よく意味がわからないんだけど」彼女は嘘をついた。「あなたはちゃんと知っているじゃない……」
「何を? ぼくが何を知ってるって?」レイフが挑んでくる。
 せっぱ詰まった欲望にのみこまれ、アリは逆らうのをやめた。「あなたが欲しいの」拒絶される恐怖と欲望で体が震えだす。「あなたに抱きしめてほしい。ここへ、わたしのそばに来て」
 レイフのなかで怒りがわきあがった。悪夢を見たという騒ぎは彼女の策略だろうか。なにしろ相手は女優なのだ。「なるほど」声が険しくなる。「夜明けまで愛しあって、そのあときみはすばらしい仕事の待つシドニーへ帰っていくわけだ。ゆうべレイニーから聞いたよ。映画の話が来ているそうじゃないか。ぼくには言わなかったね」
「引き受けるかどうか、自分でもまだわからないのよ」アリは手をのばした。拒まれそうになったが、それでも彼女はレイフの手を握った。「そんなに冷たくしないで、お願い」握った彼の手を自分の胸元へ運び、激しい心臓の乱れが彼にも感じられるよう、そのまま胸に押しあてる。「あなたにひどいことをしたって、わかっているわ。だけど、少しでも事情を理解してくれる気にはなれない?」
 レイフはゆっくり手をひっこめ、軽蔑のにじんだ重々しい声で言った。「アリ、もうやめてくれ。きみへの思いを断つのに何年もかかったんだ。横になって眠れよ。そんなまねをしても、ぼくはまったくそそられないね」
 よく言ったものだ。すさまじい力と熱を帯びた欲望に体を締めつけられて、苦しくてたまらないくせに。帯電したみたいにもう抑制がきかない。
「あなたはとんでもない嘘つきね」アリの言葉はレイフをまごつかせた。「わたしと同じくらい苦しんでいるのに」また彼の手を握る。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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