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誘惑のエーゲ海【ハーレクイン・セレクト版】

誘惑のエーゲ海【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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著者プロフィール

 ジュリア・ジェイムズ(Julia James)
 十代のころに初めてミルズ・アンド・ブーンのロマンスを読み、それ以来の大ファン。ロマンスの舞台として理想的な地中海地方、そしてイギリスの田園が大好きで、とくに歴史ある城やコテージに惹かれるという。趣味はウォーキング、ガーデニング、刺繍、お菓子作りなど。現在は家族とイギリスに在住。

解説

 パーティ会場で、レアンドラは自分の格好にうんざりしていた。露出度の高い悩殺的なドレスに厚化粧、これではまるで商売女だ。レアンドラはゲイの親友クリスに頼まれ、彼の恋人で、祖父に結婚を迫られているギリシアの若き富豪デモスのために、デモスの愛人役を演じるという芝居を打つことにしたのだ。だが、祖父に付き添ってパーティに現れたデモスの従兄テオを見て、その強烈なセックスアピールに、レアンドラはぼうっとなる。金目当ての悪女と決めつける、テオの蔑みの目に傷つきながら。やがて祖父の命令で、魅力的なテオと共に、美しいエーゲ海の小島に監禁されることになるとも知らずに。

 ■閉じ込められた島に二人きり。「従弟ときみを引き離すためだ」と、テオはレアンドラを誘惑して……。ハーレクイン・ロマンスの人気作家J・ジェイムズが溺れそうに甘く熱い恋のかけひきを描きます。

*本書は、初版ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 テオはそっけなく手を振っていなした。彼女の頬は赤らみ、目は曇り、肌がまだらになっている。あの晩、ホテルのパーティ会場でデモスの腕につかまっていたセクシーな美人とは大違いだ。
 奇妙な感情がこみあげてきたが、それが何かつかめない。女性に対して感じたことのない、なじみのない感情だ。そのとき気づいた、彼女に対する申し訳ないという気持ちに。
 テオは思わず二、三歩近づいていた。そこで足が止まった。
 自分が何をしようとしているか悟ったのだ。彼女の頬の涙をぬぐい、腕に抱き寄せる。キスするのではない。愛撫するのでもない。大丈夫、ぼくが悪かった、泣かせるつもりはなかったんだと言う。
 そんな自分にテオははっとした。この前女性を抱きしめたのはいつだろう。相手を思いやり、優しく抱いたのは……。
 それにしても、厄介の種でしかないレアンドラ・ロスになぜ優しい気持ちになる? 彼女がうなだれ、顔をくしゃくしゃにして、美しさとは無縁のみじめな姿をしているからというだけで……。
「どうして泣く?」テオは尋ねた。心とは裏腹にそっけない口調だ。
「あなたが嫌いだからよ!」彼女は憤然として答えた。「なぜほうっておいてくれないの!」
 彼女の声には真の怒りがこもっていた。テオは驚いたが、すぐに楽しそうな笑みを浮かべた。
「ほうっておいてほしいなら、体に触れられてうっとりしちゃだめだよ、かわいこちゃん《ペテイ・モ》。それに」いちだんと愉快そうな顔をする。「真っ白な胸をした海の精みたいな体をぼくに見せちゃだめだ」
 彼女の顔が真っ赤になったのを見て、テオはあっけにとられた。完全に困惑した。レアンドラ・ロスのような女性が赤面するとは。
「なぜ赤くなる? 胸を見られたから?」
 彼女はいっそう赤くなった。顔ばかりでなく、腕から首まで赤みが広がる。
「なぜだい?」
 レアンドラは目を閉じ、また開いた。
「恥ずかしいからよ!」そんなことをきくなんてばかじゃないの、と言わんばかりに吐き捨てる。
 テオが唖然とした顔で見ている。
「美しい胸なんだから、恥ずかしがることなんかないだろう。ほどよく豊かで張りがある。完璧だ」
 レアンドラはあきれはてた。この胸が彼の基準を満たさないのではないかと心配していたと思われている。開いた口がふさがらない。
「ひとつ言わせてくれ」テオがきりだした。
 レアンドラは身構えた。今度は何? 胸以外も彼の厳しい基準を満たすとでも言うつもり?
 いったい彼はなぜここにいるの? なぜ戻ってきたの? そうと知っていれば、今朝ヘリコプターを乗っとってでも本土へ運んでもらったのに。
「きみに謝りたい」謝りたくはなかったが、そうしなくてはいけないとテオにはわかっていた。十万ポンドをはねつけた女性なら、その態度を評価してもらいたいだろう。ぼくは寛大だから、必要とあらば謝りもする。レアンドラ・ロスがヒステリー女みたいなふるまいをやめ、抵抗などせず、ふつうの女性のようにぼくの関心を引こうとしてくれるなら、謝るだけの価値はある。
 テオは顔をしかめた。レアンドラはあいかわらずタオルとぐしゃぐしゃになったハンカチを握りしめ、口をぽかんと開けて見つめている。顔から赤みが消え、美しさが戻ってきたが、表情は読みとれない。また例の不可解で芝居じみた発作を爆発させるのだろうか? こんなに興奮しやすい女性は初めてだ。いや、それももうじきおさまるだろう。ぼくが触れれば、レアンドラ・ロスはすぐに猫のように喉を鳴らす……。
 とはいえ、レアンドラはぼくを怪物でも見るような目で見つめている。
「謝る?」彼女が口を開いた。「謝りたいの?」
 まるでぼくがすっとんきょうなことを口にしたとでも言いたげだ。
「ああ。ゆうべも今朝も、ぼくが金を渡そうとしたらきみは侮辱されたと感じた。だがぼくは本当に侮辱するつもりなどなかった。きみのためになる……解決法だと思っただけだ。あきらかにぼくの間違いだった。この件にはけりがついたことにしよう」
 さあ、これからだ。テオは次の項目に移った。
「ところで……」声音を変える。「今朝、服が足りないとか言っていたが、その状況を改善しておいたよ。シャワーを浴びてさっぱりしたら好きなものを選んでくれ」
 テオは腕時計を見た。
「一時間後に食前酒でもどうだい? テラスで。そうだ」ドアに向かいつつ彼は思い出した。「化粧道具もそろっているはずだ。秘書にきみの肌の色を教えておいたから」
 最後にもう一度振り返る。彼女はあいかわらず同じ場所にじっとしていた。
「レアンドラ」テオは静かに言った。「肩の力を抜いてくれ。これからぼくらの関係はすばらしくなる。約束するよ」
 彼女を見つめる目は穏やかだ。
「ぼくを信じて」
 それだけ言い残してテオは立ち去った。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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