マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

ジュリエットの純愛

ジュリエットの純愛


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

解説

 一夜の恋人に捧げた純愛は、売名行為と蔑まれ……。

 難聴と闘いながらシェイクスピア劇を演じたミナは、客席から自分を見つめる世にもセクシーな男性に心を奪われる。まるでジュリエットのように、ひと目で恋に落ちてしまったのだ。惹かれ合う二人はホテルでひそかに情熱的な一夜を過ごす。だが翌朝、カメラのフラッシュが二人を待ち構えていた! その男性――アクセルは、北欧の公国を治める大公だったのだ。アクセルはマスコミの注目を集めるためにミナが仕組んだと誤解し、彼女の前から姿を消してしまう。わたしの愛を信じてほしい……ミナは彼を追って単身、極寒の国へと向かうが、自国で“氷の大公”と呼ばれる彼は、まるで見知らぬ男のようだった。

 ■シャンテル・ショーは、ハーレクイン・ロマンスの編集者が今いちばん注目している作家のひとり。物語から立ち上るロマンチックな雰囲気がすばらしい、というのがその理由です。雪に閉ざされた架空の王国を舞台にしたシンデレラ・ストーリーです。

抄録

 エレベーターが止まってドアが開いたとき、ミナは自分がほっとしたのかがっかりしたのかわからなかった。アクセルについてカーペットの敷かれた廊下を歩いている間、ミナの頭の中では全速力でエレベーターに戻れという声が響いていた。両開きのドアをアクセルが開けると、ミナは目をみはった。そこはこのうえなく見事な装飾がほどこされた部屋で、銀の食器とキャンドルがのったぴかぴかのダイニングテーブルには豪華なシャンデリアの光が映っていた。そこかしこに置かれた花瓶にはユリがいけられ、部屋を甘い香りで満たしている。ランプの明かりは薄暗く、親密な雰囲気がかもし出されていて、ミナは落ち着かない気分になった。
 アクセルがバーのほうに歩いていき、ワインクーラーからシャンパンを一本取り出した。彼は器用にコルクを抜き、ふたつの細長いグラスにシャンパンをつぐと、片方をミナに差し出した。
「メニューを見ながら飲もう」
 ミナはシャンパンを飲むアクセルの喉仏が上下するのを見つめた。ダークブロンドの髪に指を通してみたくてうずうずする。彼を凝視している自分に気づき、ミナはシャンパンをひと口飲んだが、おなかがすいているときに飲むべきではなかったと後悔した。アルコールがすぐに体にまわって、頭がくらくらした。
「こっちにおいで」アクセルがソファの袖にジャケットをかけて腰を下ろし、自分の隣のスペースをぽんぽんと叩いた。かかとをもう片方の脚の太腿にのせ、片腕を伸ばしてソファの背に置いているので、黒いシルクのシャツが広い胸板の上でぴんと引っ張られている。リラックスした様子の彼は危険なほどセクシーで、横に座ると考えただけでミナはどきどきした。
「ええと……食事の前に洗面所をお借りしたいのだけど」
「廊下の左側の、一番手前だ」
 しっかりしなさい。ミナは洗面所の鏡に映る赤い顔をした自分に向かって言った。普段とは顔が違って見える。いつもより生き生きしていて、まるで体の内側で電球がともったかのようだ。ミナは唇をなめ、アクセルの唇がどれほど力強く自分の唇を押し開いたかを思い出した。
 冷たい水で手を濡らし、沸騰しそうなほど熱くなった体温が下がるよう祈る。ジャケットを脱いだら涼しくなるかもしれない。しかし、薄いシャツの下で胸の先端がとがっているのが丸わかりになっているのを見ると、やめざるをえなかった。
 ああ、もう! 隠れていたいのはやまやまだが、出ていってアクセルと対面しなければならない。あなたは女優よ、とミナは自分に言い聞かせた。アクセルを観客の一人だと思って目を合わせなければ、冷静沈着な自分を装うことができるはずだ。
 深呼吸をして、ミナはダイニングルームに戻った。アクセルを見ずにすむよう、グラスを手に取ってシャンパンを飲み干す。彼は窓の外を見ていたが、ミナが部屋に入ると振り返ってこちらに歩いてきた。
「そのミステリアスな深いグリーンの目の奥で、きみはどんなことを考えているんだろうな」長いまつげを伏せたミナにアクセルがささやいた。
「実は、どうして五つ星ホテルに泊まれるような人が一番安いチケットを買って、二時間半の劇を立ったまま見たりするんだろうと思っていたの。しかも三日連続で。でも……」ミナは思いつくままにしゃべった。「出張ってことは、ホテル代は出してもらっているのよね。アースキンに泊まらせてもらえるなんて、あなたはよっぽど仕事ができるのね」
 アクセルはためらった。ミナがストーヴァルのことは知っていても、彼の正体を知らないのは明らかだ。公国の君主であることは教えなくてもいいだろう。今夜は、公族の責任を忘れていたい。
「ああ、確かに泊まる場所は確保してもらっている。ぼくが最初にグローブ座に行った日は、ステージ前の立ち見席のチケットしか残っていなくてね。二日目と三日目は桟敷席を取ることもできただろうけれど、白状するときみをよく見たくて立ち見席を選んだんだ」彼の声がかすれた。「初めてきみが舞台に登場するのを見たとき、心臓を撃ち抜かれたような気分になったよ」
 ミナは息が止まりそうになった。彼の言っていることがミナにはよくわかった。なぜなら、彼女も観客の中にいるアクセルを見つけたとき、まったく同じ気持ちになったからだ。ミナがぱっと彼の顔を見ると、その目はまるで飢えた獣のようだった。
「アクセル……」ミナの唇からもれた彼の名前は、誘うように、懇願するように響いた。
「ミナ……」アクセルが近づいてくる。あるいはミナのほうから近づいたのかもしれない。気がついたときには、ミナはアクセルの鋼のような腕に抱きしめられ、全身が燃えるようなキスをされていた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。