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世界一の花嫁 愛を知らない男たち I

世界一の花嫁 愛を知らない男たち I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ愛を知らない男たち
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・マレリー(Susan Mallery)
 USAトゥデイ紙や大型書店などのベストセラーリストの常連で、ユーモアと情感あれるロマンスで根強いファンを獲得。その作品数は百作以上にもおよぶ。雨の多さばかりが大げさな話題となり、締め切り前になるとお世話になる大量のコーヒーでも有名な土地ワシントン州に居を構える。最近は刊行される作品が着実に売り上げを伸ばし、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストにも登場。多くの読者から支持を得る人気作家となっている。

解説

 保安官のトラビスはスピード違反の車を捕らえた。運転していたのはエリザベス・アボット、二十八歳。茶色い瞳が印象的な、なかなかの美人だ。助手席には五、六歳の少女がおびえた様子で座っている。トラビスが質問を浴びせるうち、不意に、その女性は息を詰まらせてハンドルのほうに倒れこんだ。顔面蒼白で脈拍も速い──トラビスは病院に急行し、彼女は盲腸炎とわかって手術を受けた。この町に引っ越してきたばかりで、まだホテル住まい。結婚したことはなく、近くに親戚もいないと言うエリザベス。トラビスはエリザベスに強く惹かれたが、彼女は不審な点だらけだ。幼い娘を連れて越してきたというのに家具やおもちゃなど持ち物が何もないのもおかしい。それに、この女性が未婚のまま子供を産んだのだろうか……。

抄録

 エリザベスはまじまじとトラビスを見つめた。
「まったく、ルイーズはぼくのことをなんて言ってたんだい?」
「なにも」
 彼は眉をつりあげた。「ぼくが一度にふたり以上の女性とつきあっていると言ったんだろう?」
「そうなの?」
「まさか。ぼくは一夫一婦制はちゃんと守るべきだと思っているよ」
「例外なく? それとも、自分以外の人についてだけ?」
「エリザベス!」
 彼女は肩をすくめた。「ちょっときいてみただけよ。あなたはこの町では有名なプレイボーイだわ。そのことは認めるべきじゃない? 看護婦さんもルイーズもそう言っていたし、マンディですらそんなことを口にしていたのよ。あなたはマンディの先生とも、わたしの上司とも、デートしたことがあるんでしょう? ほかにどう解釈しようがあるって言うの?」
 トラビスはにっこり笑った。口元に白い歯がこぼれるのを見ると、エリザベスも思わずほほ笑んだ。女性たるもの、こんな男性には腹をたてるべきなのかもしれないが、トラビスのことが好きだった。明らかに欠点はあるが、彼は親切ないい人だ。
「ぼくは一度にふたり以上の女性とつきあったことはないよ、エリザベス。交際が続いている限り、ぼくは相手の女性しか目に入らないし、全エネルギーをその人に注ぎこむんだ」
 そう言って、トラビスはじっとエリザベスを見つめた。彼は両手を腰に置いているのに、なぜかエリザベスは全身を愛撫されているような錯覚を覚えた。彼の視線を感じるだけで、なぜこんなにからだが熱くなるのかしら?
 トラビスは不意に廊下に出ていったが、すぐに花束を抱えて戻ってきた。
「きみへのプレゼントだよ、エリザベス」
 相手の女性しか目に入らない、というさっきのトラビスの言葉を思いだしながら、エリザベスは花束から目をあげて彼の顔をぼんやり見つめた。まさか。そんな深い意味で言ったのではないはずよ。
「なぜ?」エリザベスは尋ねたが、答えを聞くのが怖かった。彼に求められたらどうしよう。いいえ、求められなかったら?
「手術してから一週間たっただろう? そろそろ励ましが必要かと思ってね」トラビスは花束をさしだした。「そんな困った顔をしないで。なにもくどこうというわけじゃないんだ」
「本当?」ほっとしていいのか、がっかりすればいいのか、わからなかった。
「きみがぼくの庇護のもとにあるあいだはね」
 ということは、彼の庇護のもとを離れたあとは気をつけなくてはならないということなのかしら? それとも、わたしには興味がないということをやんわり言っただけ? エリザベスは考えこんでから、自分をしかりつけた。いったい、なにを考えているの? 興味がないのは、わたしのほうだったはずでしょう? 誰ともかかわりあいになるまいと決めたのは、わたしだったはずでしょう?
 エリザベスは花束に顔を寄せてにおいをかいだ。色とりどりの花が豊かな香りを放っている。何週間も家をあけていたあとでサムが買ってきたバラの花束とは大違いだ。エリザベスはサムがくれるバラを黙って受けとったが、気に入っていたわけではなかった。茎の長いバラは形が整いすぎていて香りがなく、まるで人工の花のようだった。
 エリザベスは、カーネーションの明るいピンクの花びらに手を触れた。「ありがとう。きれいだわ。こんなことを言われるといやかもしれないけど、あなたはとてもいい人だと思うわ」
「うれしいよ」意外な答えが返ってきた。
 トラビスは一歩足を踏みだすと、彼女の腰に腕を回した。エリザベスは危うく花束を落としそうになり、あわててつかんだ。気が動転して、身を引くことができなかった。彼にたまらなく引かれていた。背はサムのほうが二、三センチ高かったが、トラビスはたくましく、力強かった。
 それに、あの目……。エリザベスは彼のブラウンの瞳のなかに燃える炎に照らされていたかった。彼女はトラビスの口元に目を落とした。幸い、彼はほほ笑んでいなかった。こんなときに笑っていられたら腹がたっただろう。エリザベスはとてもほほ笑む気持ちになどなれなかった。それどころか、懸命に涙をこらえていた。なぜかわからないが、声をあげて泣きたかった。トラビスの腕に包まれていると安心できるせいだろうか。ちょうどマンディくらいの年齢だったころ以来、こんなふうに、守られていると感じたことは一度もなかった。
 抱き寄せられて、エリザベスは左手をトラビスの肩に置いた。キスされるんだわ。初めて彼と触れあった瞬間から、この誘惑と闘ってきた。トラビスはわたしには似合わない、と考えて。それでも、彼にキスしてほしかった。ほんの一瞬でいいから、過去を忘れたかった。
 トラビスは期待を裏切らなかった。彼女の名前をささやきながら、彼は唇を近づけてきた。やさしく、激しく、熱いキスだった。エリザベスはふたりのあいだに燃えあがる炎を全身で受けとめながら、目を閉じた。理性も、この家の居候だという立場も、サムのことも、未来も、マンディも、強烈な喜びの前に消えていった。
 トラビスは強引に求めようとはしなかった。ただ彼女のからだを抱き寄せて、ゆっくりと唇を動かした。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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