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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ

君の瞳は謎めいて

君の瞳は謎めいて


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ
価格:400pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジョーン・ホール(Joan Hohl)
 シルエット・ディザイアの代表作家。アメリカロマンス作家協会のゴールデン・メダリオンを初めとし、数々の賞を受けている。彼女は現代的なロマンス小説に限らず、ヒストリカルやタイムトラベルものなどでも、その才能を発揮している。現在、夫と家族とともにペンシルベニアの東部に住む。

解説

 しなやかな長身の体に、彫りの深いハンサムな顔。偶然出会った警察官ジェイク・ウルフのことが、一日じゅうサラの頭から離れなかった。その夜、シャワーを浴びていたサラは、玄関のベルが鳴るのを聞く。「ジェイク・ウルフです。ドアを開けていただけますか?」サラは思わず、バスローブだけをはおって玄関に出た。

抄録

 知らないほうが幸せ。少しばかりの知識は危険なもの。サラはぞくっと冷気を感じた。これらの格言が語る真理は、アンドルー・ホリングズらとサラの関係にあてはまることだ。彼らの邪悪な行為を中途半端に知ったばかりに、サラは邪気のない心の平安を失い、危機に瀕している。
「ありがとう」うわの空に小声で言うと、サラは車に乗りこんだ。ジェイクがドアを閉めて運転席の方にまわる間、自分の心もとない立場を考えて、フロントガラスの向こうをじっと見つめていた。
「シートベルトを締めて」
 ジェイクにやさしく命じられて、内心の動揺がおさまった。そしてふいに、ジェイクがこうしてそばにいると、守られている安心感からとても安らかな気持ちになることに気づいた。
 でもそれは、単に男性のそばにいるから、あるいは警察官のそばにいるからではないかしら? サラはジェイクの言葉に従ってシートベルトを締めながら、横目でちらりと彼を見て、あやふやにほほえんだ。
「どうかした?」ジェイクは自分のシートベルトを締めていたが、きれいな輪郭の口元に好奇心いっぱいの笑みを浮かべた。
 このチャンスに彼に秘密を打ち明けるべきかしら? ジェイクの言葉をぼんやり聞いていたサラは、不思議そうに見つめる彼の目をのぞきこんだ。心配も恐れも、彼のたくましい広い肩にたくしてしまいたい。そんないいかげんな気分になっていた。
「サラ?」
 サラは三人の学生への疑惑を打ち明けるべきか否かを秤にかけて、ジェイクをじっと見つめた。背が高く、いかにも有能で信頼できる雰囲気を漂わせているジェイクを見れば、打ち明けてもいいと思う。その一方で、動かぬ証拠を示すことができないのだから、打ち明けるべきではないと思う。自分が耳にしたとりとめのない会話と、直観的な確信について話すことはできても、まったく証拠はないのだ。
“沈黙は金ですよ、ミス・カミングズ”
 ジェイクはアンドルーの脅しの言葉をどう思うだろう? 言い換えれば、あの言葉はどう受け取られるかということだ。アンドルーはあのときは役にたつ格言を口にしただけのことではないか?
「サラ、ハニー、どうしたんだい?」ジェイクの心配そうな鋭い声を聞いて、サラはもの思いから覚めた。
「なんでもないわ……私……」サラは言葉を切って、うわの空になっていたもっともらしい理由を考えようとした。無意識のうちに結論は出ていた。ジェイクを巻きこんで、彼まで危険な立場に立たせるよりも、アンドルーの言うとおり、黙っていることにしよう。
 ジェイクは不審そうに目を細めた。「なにかあるよ。君はとても……ぴりぴりしていて、まるでこわがっているみたいだよ」手を離したせいで、ジェイクのシートベルトが勢いよくもとの位置に戻ったが、彼はそれにはかまわず、身を乗り出してサラの目の奥をのぞきこんだ。「僕の部屋で二人きりになるのがこわいんじゃないだろうね?」
「まあ、そうじゃないわ」サラはすぐに言った。そして次の瞬間、自分はほんとうのことを口にしていると気づいた。「私、考えごとをしていたものだから……」さっきのおかしな態度をうまく説明する言葉をさがさなければならない。そのとき、サラは目をしばたたいてしだいに大きく見開いた。もう一つ気にかかることに気づいたからだ。「あなた、私をハニーと呼んだわ」
 ジェイクのけわしかった目元も口元も、みるみるやわらいだ。「うん、呼んだよ」
「どうして?」サラは巧みに質問する側にまわった。
 ジェイクの口元がゆるみ、その顔に笑みが浮かんだ。「君がかわいいからさ」ジェイクはいとも簡単に言ってのけたあと、楽しそうににっこりした。「君はほんとうに、ハニーと呼びたくなるかわいい女性だよ」
「まあ」サラは当惑した。ふだんは、軽々しくそんな甘ったるい呼び方をする風潮を軽蔑しているのに、今は強い喜びを感じたのだ。
 ジェイクがもっと近くに身を乗り出してきた。「そう呼ばれるのはいやかい?」彼の温かい息がサラの頬にかかり、波紋のように広がっていく。
 サラはふるえた。すばらしい感触だった。「い、いやじゃないけど……」サラはかぶりを振って息を凝らした。すると唇がジェイクの唇のそばに近づいた。
「味見してもいいかい?」ジェイクの低い声がゆれる。
 サラはぼんやりしていく頭で、ジェイクの言葉をしばらく考えていたが、意味がわかるとうろたえた。「ここで?」
「少しだけ」ジェイクが小声でつぶやき、サラの唇に彼の息がかかった。「食前酒のかわりだ」
 サラは口もきけず、なにも考えられなかった。できるのはただ感じることだけ。荒々しい快感が体を走り抜けた。唇は燃え、舌がうずく。サラの貧弱な防壁は崩れた。
「ええ、食前酒が欲しいわ」
 ジェイクがため息をもらした。サラはそれをどこか深いところで感じた。彼の唇がそっと触れると、サラは唇を開いた。その無言の誘いのままに、ジェイクが唇を押しあてる。
 その瞬間、電撃が走り抜けた。サラの体中が熱くなっていく。激しいキスでなくても、火はついてしまった。炎がだんだん大きくなっていく。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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