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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ スペシャル

愛と魔法と満月と

愛と魔法と満月と


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マリーン・ラブレース(Merline Lovelace)
 アメリカ・ロマンス小説界最高峰のRITA賞をはじめ、数々の受賞歴を誇り、USAトゥデイ紙のベストセラーリストにもしばしば登場する人気・実力ともに一流の作家。アメリカ空軍士官として、国防総省や世界各地の基地で二十三年間を過ごしたのち、小説家に転身したという異色の経歴の持ち主でもある。作品数は七十を超え、総発行部数は七百万部以上にもおよぶ。執筆以外の時間は、彼女だけのハンサムなヒーローである夫とともにオクラホマ州に住み、旅行やゴルフ、友人や家族とのにぎやかなディナーを楽しんでいる。

 ミランダ・ジャレット(Miranda Jarrett)
 ブラウン大学で美術史を学ぶ。もし作家になっていなかったら、アーティストかデザイナーになっていたと語る。二人目の子どもの産休中に初めて書いた作品をハーレクイン社に送ったことがきっかけとなり、作家への道を歩み始めた。ゴールデン・リーフ賞受賞やRITA賞のファイナリストなど、数多くの実績を持つ。

解説

 ●『洋上の月』(マリーン・ラブレース著)家族の借金清算とひきかえに、サラは英国海軍キャプテンと気の進まぬ婚約をした。目下、未来の夫の帆船軍艦に同乗し、大西洋を航行している。サラが夜空の月を眺めつつ、逃れられない結婚に思いを馳せていたとき、不意に轟音が響いて砲弾が飛んできた。やがて船に乗り込んできた男は、傲慢な態度でサラの顎の下に拳を当て……。

 ●『月とかがり火』(スーザン・キング著)翌朝には絞首刑に処せられる父親の望みを叶えようと、全速力で荷馬車を疾走させていたジェニーの前に男が立ちはだかった。サイモン? 四年前愛を誓ったあとで姿を消し、ジェニーの希望という希望を奪い去った男。月光が、彼のハンサムな顔を隈なく照らし出す。なぜ、今ごろになって戻ってきたのか――。会いたくなどないのに。

 ●『いたずら好きの月』(ミランダ・ジャレット著)アサウォール伯爵ハリー・バートンは賭け事に明け暮れ、しかも、やりきれないほどの退屈を覚えていた。彼を自堕落な生活に駆り立てたのは弟の死と愛する人の裏切り。ソフィは彼にすべてを捧げながら、身分が違うと言って去っていった。十年後の四月、まるで満月が仲立ちしてくれたかのように、別れ別れになった二人は再会を果たすが。

抄録

 脱艦者にどんな理由があったとしても、イギリス船は定期的に海上でアメリカ船を止めては脱艦者を取り戻す。最近では、アメリカに入港したイギリス船の将校たちが、宿屋と酒場に入っていって脱艦者とおぼしき者たちをテーブルからすぐさま連行してきたということがあった。当然ながらアメリカ政府は抗議した。近年その問題をめぐり、両国間の政治論争は激しくなるばかりだ。サラは政治はどうでもよかったが、いつだって母国の行為を弁護した。
「もしあなたたちアメリカ人が、高いお給料で釣ってイギリスの水夫を誘い出さなかったら、彼らを銃で脅して取り戻す必要はないのです」サラは冷たく言った。
「もし君たちイギリス人が、水夫に堅パンの代わりに鞭を与えるようなことをしなかったら、彼らも機会あるごとに艦から逃げ出したりしないかもしれない」ブレークが切り返した。
 これにはサラも返事のしようがなかった。海軍士官が規律を守らせるためにいかに鞭打ちの手段に訴えるか、この航海で疑いの余地なく証明された。というより、あるひとりの海軍士官が、いかにたびたび鞭打ちの手段に訴えるかが。
「それに誤解のないように言っておくが……」
 アメリカ人が身を乗り出し、彼女の横の壁に手をついた。彼がすぐ間近に迫ったのでサラは息をのんだ。彼の目尻の斜めじわが数えられる。彼の上着の青いブロードの下で筋肉が盛りあがっているのもわかった。
「サー・ジェームズが僕の艦から連行していったのはアメリカの市民だ。彼らはそれを証明する書類を持っていた」
「あら!」彼の堂々たる風格に気圧されるのはまっぴらだった。「そんな書類、手に入れるのは簡単よ。二、三ペニー出したら、代書人がなんでも書いてくれるわ」
「それらの書類にはヴァージニア州の印が押してあった」
「それならあなたの乗組員は英国海軍省に苦情を申し立てるべきだったわね」
 彼は鼻先で笑いとばした。「この十年間どれだけ大勢のアメリカ人が、君たちイギリス人によって勤務につかされてきたか、君は知っているのか?」
「いいえ、わたしは――」
「八千人以上だぞ。経験を積んだ働き者の船乗りばかりだ。そのうちでイギリスの海軍省に訴状を提出したあと家族のもとに戻った者は、ひとりとしていない」
「わたしたちはこの十年以上戦争してきたのよ。それをわかっていただかないと」
「それは君たちの戦争で、僕たちのではない」
「そうですともね。あなたたちアメリカ人は、懸命に中立を守ろうとしたんだったわね? あらゆる国の船の入港を許して。イギリスとフランスの両国に武器と綿と食糧を供給して。サー・ジェームズが公海であなたの船を止めただけなんて不思議。沈めなかったのが驚きだわ!」ひとことひとことに軽蔑があふれた。
「沈めようとしたとも」
 それは刃のように鋭い切り返しだった。彼の視線も刺すようだ。
「ローウェルは公海で僕たちに呼びかけた」ブレークは歯を食いしばって話をつづけた。「艦を止め、彼の部下に脱艦者の捜索をさせたいと言うので僕が断ると、あの男は砲門を上げて撃ってきた。それは明らかに公海におけるアメリカ船の主権侵害だ」
「そんなこと、彼はしません!」
 反論したものの、男性の話は事実ではないかとサラは思った。もしジェームズが乗組員不足に悩んでいるとしたら、補充のために必要ならどんな手段でも取るだろう。
「ローウェルは僕の部下を十二人無理やり徴発した。それに彼はあらゆる公海法に反し、シーホークを航海不能のまま漂流させたんだ」
 彼の目がサラをねめつけた。彼女は壁に両のてのひらを当てたが、顔は高く上げた。この男性の前ですくみあがるつもりはない。すくんでたまるものですか!
「僕たちは今までかかって船を修理し、リンクス号を追ってきたんだ」彼の声に満足げなすごみが加わった。「ようやく艦をつかまえた。そして艦長も」
「何を……?」サラは息をのみ、喉につかえるかたまりをのみ込んだ。「彼らをどうするつもりなの?」
「ローウェルを彼の艦の桁端からつるそうと思っていたが、今は……」
 彼が真剣な目でじっと見下ろしたので、サラの胸は痛いほどどきんとした。
「今は」彼がつぶやいて顔を下げ、ふたりの息がまじり合った。「もっといい復讐方法が偶然見つかったようだな」
 サラが指を曲げて爪を立て、いつでも彼の顔を引っかけるように身構えたとき、彼が唇を重ねた。
 彼女は短い結婚の前もあとも、男性からキスをされた経験は十分あった。結局のところ彼女の振る舞いは評判にたがわなかった。
 頭の片隅で、このアメリカ人がキスをし慣れていることにサラは気づいた。とても上手だ! 彼はまだ片手を壁についたまま身を乗り出している。こちらに触れてはいないものの、彼の体温が伝わってくるほど近い。彼の唇が……。
 彼の唇が唇に重なり、サラがこれまで経験したことのない、ひそやかで甘美な喜びを期待させた。サラは男性に唇を押しつけられて血が駆けめぐるのを感じたことは一度もなかった。これほどすぐさま感覚がかき乱されたのは初めてだった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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