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再会は甘美な罪 予期せぬウエディング・ベル I

再会は甘美な罪 予期せぬウエディング・ベル I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア予期せぬウエディング・ベル
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アンドレア・ローレンス(Andrea Laurence)
 文字が読めるようになって以来、ずっと読書と物語の執筆に夢中。世界中の人たちに自作の小説を読んでもらうのが長年の夢で、ロマンス小説作家として、現代物のみならずパラノーマル作品でも数々の受賞歴を誇る。10年来の恋人とともに、シベリアンハスキー犬や猫たちに囲まれ、幸せに暮らしている。

解説

 あなたには、婚約者がいる。もう触れることさえ許されないはずなのに。

 ブリーは婚約記念写真の撮影の仕事で雪の別荘を訪れた。依頼人はかつて初恋を捧げた大富豪、イアン・ローソン。9年ぶりの再会に動揺などしないと思っていたブリーだが、視線を交わした瞬間、彼への想いはふたたび燃え上がった。でも、イアンには婚約者と、生まれてくる子供までいる。もう過去には戻れないのよ。仕事に集中して。しかし雪は猛吹雪に変わって、婚約者が来られなくなり、ブリーはイアンとふたりきりで別荘に閉じ込められてしまった。彼と顔を合わせるたび、熱い抱擁やキスを思い出さずにいられない。すると、イアンが幸せとはほど遠い心の内を語り始めて……。

 ■実力派作家A・ローレンスの4部作〈予期せぬウエディング・ベル〉がスタート! 9年ぶりに会ったイアンは、成功して大金持ちになり婚約もしているというのに、まったく幸せではなさそう。彼に何があったのでしょう? そして真実を知ったとき、ブリーは……。

抄録

 彼はギターをつま弾いてみた。音がずれていたので、チューニングしてから、メジャーなコードを弾いた。するとその音に魂が共鳴したように心が揺さぶられた。彼はコーヒーショップでよく演奏していた曲を弾きはじめた。思っていたほど腕はさびついていなかった。コードを変えても指がすばやく器用に動いた。まるでギターを弾く天賦の才能を与えられているかのように。
 曲を最後まで弾き終えると、また別の曲を試した。今度は曲に合わせて歌ってみた。歌いだしてすぐに、こうしていると、時間がどれほどあっという間に過ぎるのか思い出した。今では仕事が同じ役目を果たしてくれているが、歌っているほうがはるかに楽しかった。
 彼は顔をほころばせて息をついた。あと一曲だけ。
 そしてライオネル・リッチーの≪ハロー≫を弾きはじめた。ブリーと出会った晩、コーヒーショップでその曲を演奏していたのだ。店に入ってきたブリーにじっと見つめられていることには気づいていた。イアンも彼女を意識し、顔を上げるたびに目が合ったからだ。意を決して彼女の目の前まで歩いていって最後のフレーズを歌った。それからデートに誘った。ブリーがうなずくと、コーヒーショップの客たちも喜び、ふたりに拍手を送った。
 今、こうして思い出の曲を演奏することがいいことだとは思えない。それでも途中でやめることはできなかった。ブリーと出会ったときの思い出に浸りながら、イアンは目を閉じて自分が奏でるメロディに耳をかたむけた。だが最後のフレーズを弾き終わると、むなしさが襲ってきた。
 もう終わってしまったのだ。音楽もブリーも過去のものだ。ギターを再びクロゼットのなかに戻さなくてはならない。
「昔からその曲が大好きだったわ」
 イアンはソファーからぱっと立ち上がり、振り返った。階段の下にブリーが立っていた。彼女はいつから聴いていたのだろう? そう思うと、頬がかっと熱くなるのがわかった。こんなに動揺するなんていつもの彼からは考えられなかった。
「すまない」イアンはあわてて言った。「起こしてしまったのかな?」
「いいえ、わたしも眠れなかったの。だから本を読んでいたんだけれど、水が飲みたくなって階段を下りてきたの。そうしたらギターの音が聞こえてきたから。わたしこそあなたの邪魔をしてしまったんじゃない」
 イアンは肩をすくめた。「邪魔してもらってよかったよ。もう寝なきゃならないからね」
 ブリーは彼の隣まで歩いてきた。ブロンドの髪を無造作に結い、長袖のシャツを着てフランネルのパジャマのズボンをはいていた。他の女性だったら、そんなくだけた格好をしていても欲望を感じることはなかったかもしれない。けれどもブリーはちがった。
 ズボンを腰で引っかけるようにはいていたので、腕を動かすたびにシャツがめくれ上がり、素肌がのぞいた。ブラジャーはつけていないらしかった。そう思うと、イアンの全身はかっと熱くなった。
「もう一曲弾いて。わたしの曲を」
 ブリーがそう言うと、イアンの体は急に水を浴びたように冷たくなった。今でもその曲が演奏できるのかわからなかったし、演奏できたとしても、彼女のために書いたその曲にはあまりにも多くの思い出があった。「弾けるかどうかわからない、ブリー」
「お願いだから」ブリーはそう言うと、彼の手をつかんでソファーに再び座らせた。彼女の大きな目は懇願するように見開かれている。その目を見ると、イアンは昔から抵抗できなくなった。
 気がつくと、彼はソファーに座り直していた。ブリーもすぐ隣に腰を下ろし、曲がはじまるのをじっと待っている。
 彼女の願いを拒絶することはできなかった。ふたりのあいだに何があろうと、ブリーにとってなんの意味もない人間にはなりたくなかった。たった一曲演奏すればいいだけだ。イアンは自分にそう言い聞かせた。曲を歌っているあいだ、ブリーではなく、ギターに意識を向ければいい。手をつかまれただけで、彼女の肌がどれだけすべすべでやわらかいのか思い出したとしても。
 イアンは邪念を追い払うために目を閉じ、歌いはじめた。そして半分終わったところで目を開けた。部屋のなかが静まりかえっていたので、ブリーがどこかに行ってしまったのではないかと心配になったのだ。
 ブリーは隣に座り、彼の曲に耳をかたむけていた。ブルーの大きな目が涙で濡れている。
 イアンはギターを弾く手を思わずとめた。「大丈夫かい?」
 ブリーはふいに体を寄せてきて、唇と唇を触れ合わせた。それは会えなかった九年分の思いをこめたようなやさしいキスだった。イアンは突然の出来事にすっかり動揺したが、唇を引き離すことはできなかった。今でも心からブリーを求めていた。そんな感情を持ってはいけないとわかっていても。
 彼女の唇はやわらかで、寝る前に飲んでいたペパーミントティーの味がした。ブリーは唇を重ねたまま吐息をもらし、手を上げて彼の無精髭の生えた顎にそっと触れた。たちどころにイアンの体に欲望の火が燃え上がった。今すぐにふたりの体を隔てているギターを放り投げ、ブリーを力いっぱい抱き締めたかった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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