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強引な求婚者【ハーレクイン文庫版】

強引な求婚者【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫ヒストリカル
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆1
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著者プロフィール

 ジュリエット・ランドン(Juliet Landon)
 イギリス北部の古代の面影を残す村に、引退した科学者の夫とともに住む。美術や歴史に対する興味が旺盛で、豊かな想像力が生きると思い、ヒストリカルの小説を書き始めた。作品を執筆するために調べ物をするのはとても楽しいと語り、特に中世初期がお気に入りの時代だという。刺繍について豊富な知識と技術を身につけ、その腕前はプロとして講師を務めるほど。

解説

 マリエッタは十八歳になっても結婚する気がなく、次々に現れる求婚者をことごとく断ってきた。継母のレディ・アリスは、そんなマリエッタにさじを投げ、十五歳になる実の娘エメリーンを先に結婚させようと考える。折しも、新しく獲得した荘園の隣に理想の結婚相手が! ソースゲルド城の城主アラン卿の出現に、エメリーンとレディ・アリスは色めき立った。ところが、アラン卿が目をつけたのはマリエッタ。逃げるマリエッタに求婚しようと、彼は少々強引とも言える行動に出る。

 *本書は、初版ハーレクイン・ヒストリカルから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「レディ・アリスの仕事ではないのか?」
 マリエッタは首を振り、すぐにそれを後悔した。また目がまわりはじめた。「いいえ……わたしが……やるの。好きなんですもの。庭仕事も……どれも……好き。あなたを避けていたわけじゃ……」
「嘘を言ってはいけない。避けていたのはわかっている。なぜだね? さあ、言ってくれ。そしてなぜ叔父上をそそのかした? 好きなのか?」
「いいえ」マリエッタはアラン卿をにらみつけると、長い袖をぐいとひっぱった。「好きじゃないわ! ただ……」そこで黙り込んだ。ニコラス叔父に何を求めていたか思い出せない。
「ぼくに関心がないことを示すためだね?」
「わからない……もう行ってください。また言い合いをするためにここへ来たのなら時期が悪かったわ。わたしは落馬してあざだらけだし……疲れています。エメリーンはあなたが魅力的だと言うけど、わたしには、うる……うるさいだけよ」
「妹さんのことはどうでもいい。今はきみのことを話し合っている」
「それにこの前わたしに会ったとき、あなたはとても……その……いやみだったわ」
「だから避けていたわけか? 二度とあんなことはされたくなくて?」
「……そうよ!」責め立てられたマリエッタは怒りに燃えて、アラン卿に向きなおった。そしてわざと彼を怒らせようとふたたび妹の話題を持ち出した。「なぜそんなにエメリーンをじらすの? わたしはそういうの好きじゃないわ!」そこで立ち上がろうとしたが、足元がふらついて倒れかかり、結局アラン卿に支えられることになった。その手を振り離すことはできなかった。
「じらす?」アラン卿がマリエッタを引き寄せた。息がかかるほど顔が近くにあり、視線を避けることもできない。東屋の茂みで陰になっていても、マリエッタのあらわな首筋から大きくあいた襟元、額にはめた金の頭飾り、カールした豊かな濃い茶色の髪、唇、目とさまよう彼の視線を感じた。「彼女をじらすと言うのか? こんなふうに?」
 緑の世界がひっくり返った。アラン卿の顔が東屋の丸天井と入れ替わり、すべてが一つの興奮に溶け合った。マリエッタはアラン卿の膝の上に横たえられていた。そんな場面を夢の中で望んだことはあっても、現実にはけっしてなかった。広い胸が彼女の上にあり、肩がやわらかな金色の夕日をさえぎった。その顔はほとんど黒に近い色の髪に縁取られていた。マリエッタの肌に彼の息がかかる。「ぼくのキスがどんなに激しかったか、彼女に言ったのか、マリエッタ? それとも自分だけの秘密にしていたか?」
「やめて。お願いですから、やめて……」
「なぜ?」
 アラン卿がエメリーンの夫候補で、自分はこの計画から仲間はずれにされているということ以外、筋の通った理由は思いつかなかった。目当ての相手がほかにいるのに、遊びで手を出そうとしているとしたら、これは騎士らしくない見下げ果てた行為ではないか。ここにいるのはわたしで、エメリーンではない。だから、大声で叫んで助けを求めればいいのだ。わたしが本気だと彼に知らせるために。
 でも、わたしは本気でそうしたいのだろうか? ひそかにそんな彼を、心奪われる記憶を求めてはいないだろうか? わずかなキスのあいだだけの夢とひとひらの現実、そして陶酔感を求めているのでは? マリエッタの結論を待たず、アラン卿が頭を下げてきた。
「あなたはエメリーンの……」マリエッタが思いついた言葉は、それだけだった。
「そう」アラン卿が唇を寄せてささやいた。「きみはぼくにそう信じさせたいんだろう? では、明日申し込みをする前に、ここで二、三はっきりさせておきたいが、いいかね?」
 いったいどういうつもりなのかききたくても、その機会はなかった。マリエッタの背にまわされた腕に力がこもり、唇が迫った。それは最初のときとちがって罰するようなキスではなかったが、同様に強烈なメッセージを伝える確信ありげなものだった。そしてマリエッタはまたしてもアラン卿の腕の力と、断固として彼女の反応を求める唇を感じた。
 これはマリエッタが夢見ていたキスとはまったくちがっていた。村人たちが畑や納屋の陰や大広間の暗い片隅でキスし合うのを見たことはある。そのときは、どうしてあんなに身をよじらせ、うめき、つらそうに見えるのかわからなかった。
 今、かすむ頭の奥で、少しずつわかりかけていた。人は新しい世界と経験の探求に駆り立てられるものなのだ。与え、そして寛大に受け入れ、自分より経験のある相手の要求に応じ、探らせ、見つけさせるものなのだ。マリエッタは進んでアラン卿に従った。彼に顔を寄せ、胸躍るすべての感覚を分かち合った。
 アラン卿の手が胴着のあいだから胸に忍び込むのを感じると、低い声をあげて自分の手を重ね、その感覚を高めようとした。彼はすぐに応えた。外衣とコタルディを肩から押し下げ、唇を胸へと移し、愛撫する。その強烈な感覚に、マリエッタははじめての経験ながら、何をされてもいい気分になっていた。
 アラン卿が顔を上げ、反応を確かめる。だが、彼女はその顔をまた自分の胸に引き寄せた。時のたつのが惜しいかのように、新しく体験する感覚の波に押し上げられ、互いを求め合う。まさに、そのとおりだった。マリエッタはアラン卿の与えるものをすべて受け取り、彼が求めるものをすべて与えた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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