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愛は華麗に II【ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版】

愛は華麗に II【ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ別冊愛は華麗に
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミランダ・リー(Miranda Lee)
 オーストラリアの田舎町に、四人兄弟の末っ子として生まれ育つ。スポーツが大好きな子供で、本を読むよりは外で遊ぶほうが好きだったという。父は教師、母は才能あるドレスの縫製師という家庭に育ち、全寮制の学校を出てクラシック音楽の勉強をしたのち、シドニーに移った。幸せな結婚をして三人の娘に恵まれたが、家にいて家事をこなす合間に姉エマ・ダーシーのすすめでロマンス小説を書き始める。趣味は幅広く、長編の物語を読むことからパズルを解くこと、そして賭事にまで及ぶ。小説を書くときのアイデアは、普段読む新聞、雑誌、小説、伝記、テレビ、そして少なくとも週に一度は見に行く映画から得る。現実に自分のまわりにいる人たちを登場させることはなく、“いつ私をヒロインにしてくれるの?”という娘たちの問いかけに、“決してないわ”と答えつづけているという。

 ジュリア・ジェイムズ(Julia James)
 十代のころに初めてミルズ・アンド・ブーンのロマンスを読み、それ以来の大ファン。ロマンスの舞台として理想的な地中海地方、そしてイギリスの田園が大好きで、とくに歴史ある城やコテージに惹かれるという。趣味はウォーキング、ガーデニング、刺繍、お菓子作りなど。現在は家族とイギリスに在住。

解説

 『誘惑のモロッコ』(ミランダ・リー著)長い黒髪を革紐で束ねた男が馬を引いて競売場に出てくると、ベスは息をのんだ。すばらしい馬に、強烈な印象の男性だ。馬の買いつけのためにアフリカまで来た彼女は、ふとした偶然からその男性――アザイアの城を訪れることになる。モロッコの王族である彼が女性を城に招くとき、それはベッドへの招待であることなどつゆ知らず。

 『恋するアテネ』(ジュリア・ジェイムズ著)冷酷な大富豪の祖父と直談判するため、アンドレアはアテネに来た。豪壮な屋敷に着き、家の中を見てまわる途中、テラスに立つ男性に気づいてアンドレアは息が止まりそうになった。このうえなくハンサムな顔に、なぜか蔑みの表情を浮かべている。彼が、私を卑しい身分の女だと考えているのは間違いない。だが夕食の席で、その男の正体を知ったアンドレアは呆然とした。

 *本書に収録されている『恋するアテネ』は、既に配信されている作品と同作品となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ベスは首を振った。これをなんと言い表せばいいのだろう。「この世のパラダイスみたい」
「ありがとう。だからこそここを買ったんだ。ここでは自給自足の暮らしができる。たいていの食べ物を収穫できるからね」
「ええ、ここまで上ってくる間にも畑がたくさんあったわね」
「果樹園やぶどう園もある。ワインだって作っている。もちろん難しい作物もあるが、できるかぎり努力しているんだ」
 アザイアが王子様としてのんきに暮らしているのではないとわかって、ベスは嬉しくなった。そして嬉しくなる自分に驚いた。「あなたたちの努力があってこの土地があるのね」
「そういうことだ。さあ、深刻な話はもういいだろう。あの丘のてっぺんまで競走だ」アザイアは唐突に言うと、ベスがまだ馬をそちらへ向けてもいないうちに走り出した。フラッシーはしかし、素早くはみを受けると、耳をぴたりと頭につけて黒い尾を風になびかせ、駆け出した。自分が生まれてきた目的を果たすために。レースに勝つために。
 しかしアザイアとの差は大きく、丘の中腹でようやくベスは彼をとらえた。勝利の叫びをあげて追い抜く。あの子馬で困難な壁を飛んだときと同じぐらい胸のすく瞬間だった。ただ、あのときより馬も乗り手も疲れるのは確かだ。頂上に着いたベスは馬を止めるなり鞍から飛び降り、地面に座り込んで大きく胸を上下させた。
 アザイアがすぐに追いついてきた。
「花を持たせてくれたっていいじゃないか」アザイアは笑いながら言った。疲れ果てた去勢馬がよろよろと足を止める。
 ベスは頬を紅潮させ、青い目をきらきら輝かせて彼を見上げた。
「ごめんなさい」しかし、少しも悪いとは思っていなかった。「我慢できなかったの」
 アザイアはしばらくじっとベスを見下ろしていたが、不意に鞍から降りると、彼女のすぐそばに座った。あまりにも近くだったので、ベスは思わず後ろへのけぞる格好になった。見上げると目と目が合い、視線がからみ合った。
「僕ももう我慢できない」アザイアがくぐもった声で言った。「これ以上……」
 彼の次の行動にベスは仰天した。抵抗することさえ忘れるほどの驚きだった。アザイアはベスの腰に腕を回して強く引き寄せ、激しいキスをしたのだった。
 私の沈黙は驚きのためだと、アザイアは気づいているのかいないのか。それとも、女性がこんなふうに力なく彼に寄りかかるのはいつものことなのだろうか。わからない。何もわからない。頭も意思の力も働かなくなってしまった。
 すでにアザイアはベスの頭からピンをはずしている。髪がふわりと背中に広がる。アザイアは大きな力強い手でベスの頬と顎をはさみ、激しく何度も唇を重ねた。
 ベスはある恐ろしい事実に気づいた。彼女はもはや、アザイアの欲望を無感覚に受け入れているだけではなかった。心臓の鼓動は激しく、全身が熱い。息が苦しい。
 もしかしたら私はアザイアのキスにこたえているのかもしれない。そんな恐ろしい事実は、認めたくなかった。私は彼のキスにこたえたりしていない。アザイアが私にキスしたいと思った、そのことにちょっと気をよくしただけ。こんな私でも、キスしたいと彼に思わせるだけの魅力があったなんて、悪い気はしない。ただ、それだけだ。
 以前、それでひどい目に遭わされたことがあったわ。ヴァーノンに。忘れたの?
 ベスは怒りにかられて身をかわし、驚くアザイアをにらみつけた。「何をするの?」怒りのあまり体がどうしようもなく震える。
「なんだって?」アザイアはあっけにとられている。ベスが突然身をかわしたことも、ひどく怒っていることもまったく納得できないらしい。
 ベスの顔は真っ赤だった。無邪気な被害者のふりをするには、キスを長く許しすぎた。それはわかっている。わかっているけれど、あとへは引けない。「よくも……こんな……こんな強引なことを。もう二度としないでちょうだい。いいわね?」
 アザイアは眉を上げて腕組みをした。怒っているというより、目にはどこかおもしろがっているような色があった。「おいおい、ゲームはとっくに始まってたんじゃないのかい?」
 ベスは面食らった。「ゲームですって? なんのゲーム?」
 アザイアは今度はうんざりした顔になった。「いいかげんにしてくれよ、ベス……下手な芝居はやめないか。やりすぎるとおもしろくもなんともない」
 アザイアが、組んでいた腕をほどいてもう一度ベスを抱き寄せようとした。とっさにベスが振り回した手が、彼の顔に命中した。アザイアが体をこわばらせた。ベスは生まれて初めて真の恐怖を味わった。
「ご……ごめんなさい。悪かったわ」胸と喉が締めつけられる。ベスはあえぐように息を吸った。
 アザイアは反対に大きく息を吐いた。赤くなった頬を手でさすって言う。「本当にそう思っているのかい?」
「思ってるわ」ベスの声はほとんどうめき声のようだった。アザイアの馬を買うかもらうかするという夢が、がらがらと音をたてて崩れていく。「本当に悪かったわ」ベスは絶望に打ちひしがれて首を振った。たとえ百歳まで生きたって、男というものは理解できそうにない。どうしてこんなときにキスなんかしてすべてを台なしにしてしまうの? どうして? それに、私がゲームをしているですって? なんのこと? ああ、わけがわからない。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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