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無垢な公爵夫人【ハーレクイン・セレクト版】

無垢な公爵夫人【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

解説

 グレースは、父が銀行の金を横領していたことを知った。重病の母を想い、金に糸目をつけずあらゆる治療法を探した父は、やがて自身も精神を病み、ついに勤め先の金に手をつけてしまった。愛する父のため、グレースにできることはただひとつ――銀行頭取であるハビエル・エレーラ公爵に慈悲を乞うこと。グラナダの“獅子城”でグレースを迎えた公爵は、背が高く、琥珀色の瞳をした恐ろしく威圧的で美しい男だった。「なんでもします。父を助けてください」そう訴えるグレースに、公爵はなんと、1年間だけ妻になれという取引をもちかける。愛と誇り、そして純潔。すべてを捨てる覚悟で、グレースは頷いた。

 ■世慣れた大人の女性ならともかく、いまだ未来の夫へ捧げる純潔を頑なに守り続けている私に契約結婚を申し出るなんて。グレースは悩みますが、なぜか公爵に見つめられると、感じたことのない胸の疼きに苛まれ――注目作家シャンテル・ショーの意欲作です。
 *本書は、初版ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「生活の質が落ちるのを心配しているのか?」ハビエルは見下したようにゆっくりと言った。「収入源を失えば、きみはさぞ困るだろう。だが、ぼくの銀行はこれ以上、手癖の悪いきみの父親に協力して、きみの浪費の穴埋めをするつもりはない」
「父のしていることをわたしも知っていたと言いたいの?」グレースは怒りに声を震わせた。
「きみが知らなかったなどと誰が信じる? ぼくはばかではない。きみはその小さな手で父親を操っていたんだ」ハビエルは唇を引き結び、冷酷なまなざしでグレースを眺めた。「きみはお父さんに甘やかされて生きてきた。そして今、好き勝手にできるお気楽な世界が崩壊し、パニックに陥っている」
 ハビエルは容赦なく問いただした。
「ここに来て何をするつもりだった? 大金を横領しておきながら、ぼくを丸めこんで見逃してもらおうと思ったのか? その涙は父親には有効かもしれないが、ぼくにはなんの効果もない」ハビエルは壁の時計を見た。「約束した時間は終わった」
「ここに来たのは、父が横領したお金を返すと言うためよ」グレースは必死だった。「家と店の売却価格が決まったの。その代金に母の遺産を加えれば二百万ポンドになるわ」
「残りの百万ポンドは?」
「わたしはスペイン語が堪能なの。完済するまで銀行で働けるわ」ハビエルの顔にあざけりの笑みが浮かぶのを見て、グレースは急いでつけ加えた。「もちろん無給で」
「おやおや《デイオス》! ぼくがきみをエレーラ銀行に近寄らせると思うか? 金庫に手を突っこむベレズフォードはひとりで充分だ。それに給料なしでどうやって暮らすんだ? 利子を割り引いたとしても、何年も働かなければ百万ポンドにはならない。ばかばかしい」ハビエルは険しい目で彼女を見つめた。「きみが何を言おうと、興味はない」
 目の前の男性は人間の顔をした悪魔だと思う一方で、グレースは全身に震えが走るのを抑えられなかった。いったいどうしたの? よりによってこんな人のせいで、まともに頭が働かなくなってしまうなんて。たぶん、ハビエルが罪深いほどセクシーな男性だからだ。
 グレースは、彼の豊かな黒い髪から、薄手のシャツの下に見える筋肉質の胸へと視線を走らせた。
 あのシャツのボタンを外して肩から脱がせ、褐色の肌に指を這わせたい。グレースは自分らしからぬ激しい思いにとらわれた。けれど、欲望に身を任せている場合ではない。父を刑務所行きから救うことに集中しなくては。ハビエルを見て胸がときめいても、無視するのよ。
「服役することになったら、父は精神的にまいってしまうわ」グレースは小声で言った。「母の死で、父は失意のどん底に落ちたの。きっとこれ以上の苦難には耐えられないわ。自ら命を絶つかもしない。だから、どうか寛大な措置をお願いします」グレースは唇を噛んだ。涙を見せてもなんとも思わないと言われたばかりだ。取り乱してはいけない。「父を起訴しないでくださるなら、なんでもするわ」
「なんでも?」おもしろがるようにハビエルの眉が上がった。「昔ながらの方法でぼくにサービスを提供してくれるというのかい? 情熱的な夜を何度過ごせば百万ポンドになるのかな?」ハビエルはゆっくりとグレースの体を眺めまわし、真っ赤に染まる頬に、それから激しく上下する胸に目を留めた。
「そういう意味じゃないわ!」グレースはぴしゃりと言った。「どうにか取り決めができないかと思ったの……」そこで彼女は口を閉じた。体以外に大富豪に差しだせるものなど持っていないことに気づいたのだ。とはいえ、体を差しだすと思われるなんて、なんという屈辱だろう。たとえ一瞬たりともそんな話に心が動くはずないのに。彼と接近しすぎていると感じ、グレースは力なく目を閉じた。
 ハビエルの清潔でさわやかな香りにアフターシェーブローションのエキゾチックなムスクの香りがまじり、グレースの鼻をくすぐった。熱い血が全身を駆け巡り、無意識のうちに体が揺れて彼に近づく。すると、情熱的なぬくもりが彼女を包んだ。
「ぼくとベッドをともにするのはそんなにつらいことではないようだな」ハビエルは甘い声でささやき、金色の目を光らせた。「思わせぶりに誘うその熱い瞳を見れば、きみを喜ばせるぼくのほうこそ金を払ってもらうべきかもしれない」
“喜ばせる”という言葉がこれほど官能的に耳に響いたのは初めてだった。グレースは鋭く息を吸った。「そんなことはないわ」反論するなり慌ててあとずさったものの、ハビエルに指で顎を持ちあげられてしまい、視線を合わせるしかなかった。
「ぼくにははっきりわかる。ぼくを見るときみの目は陰りを帯びてコバルト色になり、唇が誘うようにわななく。ぼくのキスを求めているんだ」ハビエルの声はベルベットのようになめらかだった。「お互い、相性がいいと気づいている。生き抜くためにはもっと悪い仕事をせざるをえない場合もある」
 本気なの? グレースは動揺した。幾晩かかるかわからないけれど、父の負債を完済するまで、愛人になれということ? だけど、もしベッドでの献身的な奉仕を期待されているとしたら、未熟なわたしは残りの人生をすべて返済に費やさなければならない……。そもそも、こんな提案にちょっとでも気をとられるなんて、わたしはどうかしているわ。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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