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ボスはクリスマス嫌い

ボスはクリスマス嫌い


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミシェル・ダグラス(Michelle Douglas)
 8歳のときに将来の夢を訊かれて、すでに「作家」と答えていた。チョコレートを隠し持つヒロイン、笑い方を知っているヒーロー、そしてハッピーエンドをこよなく愛する。全米読者選賞、ロマンティックタイムズの批評家選賞のほか、オーストラリアで“ロマンス界のアカデミー賞”と称されるRUBY賞にもノミネートされた、いま注目の作家。オーストラリア東海岸のニューキャッスル郊外に、夫とともに住んでいる。

解説

この胸のときめきは、美しい街のせい?それともクリスマスの魔法?

田舎育ちのアディは世界中を旅する夢をかなえたくて、亡き両親から受け継いだ土地を売りに出すことにした。高額で買いたいと言ってきたのは、億万長者の実業家フリン。ただしあと2年は彼女が住み続け、管理するという条件付きで。がっかりするアディに、フリンはこう切り出した。そんなに外国に行きたいなら、彼の臨時の秘書として3週間のヨーロッパ出張に同行すればいい、と!横暴な申し出だが、憧れの地で過ごすクリスマスを思うと断れず、アディの初めての海外旅行は予想外のかたちで実現した。冷たいけれど魅力的で、なぜかこの季節を嫌う彼と二人きり……。

■ミシェル・ダグラス得意の、ボスと秘書のロマンティックな物語です。最も美しい季節のヨーロッパに、そして完璧すぎるボスに、ピュアなアディが恋してしまうのは時間の問題でしたが……。

抄録

 二頭の馬を見てから、アディは振り返った。「今、どんな気分? のんびり乗馬を楽しみたい? それとも……」いたずらっぽい笑みを浮かべて続ける。「挑戦してみたい気分?」
「アディ、まず覚えておいてくれ。ぼくはどんなときも挑戦するほうを選ぶ」
「それなら、あなたがブロッサムね」アディは葦毛の馬を指さした。「わたしはバンジョーに乗るわ」
「手を貸そうか?」フリンが申し出た。
 相手がローガンなら手を貸してもらっただろう。フリンがスーツを着たままなら、彼の技量を試すために手を貸してもらったかもしれない。だが、すぐそばに近づいてきたフリンの体の大きさ、ジーンズとTシャツがくっきりと浮かび上がらせる筋肉のたくましさにたじろぎ、アディは断った。「いいえ、大丈夫よ」
 鐙に足をかけ、ひらりと鞍にまたがる。皮肉のつもりで、手を貸しましょうかと尋ねる前に、フリンも鞍にまたがった。あっさりと。しかも灰色の巨体を躍らせるブロッサムを難なくいなしてしまった。完璧だわ。アディはため息をのみ込んだ。
 フリンは片方の眉を上げた。「合格かな?」
「そうね」アディは馬の向きを変えた。赤くなった頬に気づかれていないといいけど。先に立って馬を進めながら、ようやくフリンのほうを振り向いた。「とくに何か見たいものはある?」
「じつを言うとないんだ。ただ広いところに出たかった」
 狭いところに閉じ込められるのがいやなのね。それならまかせておいて。アディは指さした。「向こうの丘にユーカリの木立が見えるでしょう?」
「ああ」
「あそこで待っていて」
 フリンは眉をひそめた。「待つ?」
 アディはフリンがまたがる馬を見てうなずいた。「この様子だとブロッサムはあっという間にバンジョーを追い越していってしまうから」アディはバンジョーの脇腹を蹴り、ゆったりと駆けだした。
 予想どおり、十秒もしないうちにブロッサムとフリンが追い越していったが、アディは気にしなかった。安定した駈歩に身をまかせ、涼しくなり始めた空気と日ざしに暖められた草の匂いに包まれると、凝った体が自然にほぐれていく。
「気分が晴れた?」フリンに追いつくと、アディは尋ねた。
 フリンはにやりと笑った。「どうしてわかる?」
「狭い部屋にじっとしているのはわたしも苦手なの。そんなときは馬を走らせるのがいちばんよ」
 フリンはしばらくじっとアディを見つめていた。何か言うのかと思ったが、どうやら胸にしまっておくことにしたらしい。
「ミュンヘンのことだけど」アディはつい口にした。胸にしまっておけなかったのだ。「わたしは何をすればいいの?」
「事務的な手伝いかな。パソコンで文書を作ったり、データベースにアクセスしたり、ミーティングの日時を決めたり、郵便物を出したり」
 ロビーと一緒に夢見た仕事だわ!
「でも……」アディは唇を噛んだ。「ドイツ語は“|ありがとう《ダンケ》”と“|こんにちは《グーテン・ターク》”しか知らないわ」
「それだけ知っていれば充分さ。ヨーロッパの人はたいてい完璧な英語を話す」
 よかった。でも、本当に行くならドイツ語の会話をできるだけ頭に詰め込まなきゃ。
「いつ発つ予定なの?」
「一週間以内には」フリンが眉をひそめた。「パスポートは持っているかい?」
「ええ」パスポートなら十七歳のときから持っている。ロビーが欲しがったのだ。そのときはすでに旅などできない病状だったが、ロビーの両親もだめとは言えず、アディも一緒にパスポートを取得した。
「よし。仕事のあるときは猛烈に忙しいが、ほとんどの日は暇を持て余すことになると思う。そんなときは自由に観光に出かけてくれ」
 ずっと思い描いてきた夢そのものだわ。仕事がうまくできたら、フリンはそのままわたしを秘書にしてくれるかしら? 颯爽とスーツ姿で飛行機に乗り、世界じゅうを飛びまわるのは憧れの生活だ。
 フリンはじっと彼女を見つめている。「一つきいてもいいかな? なぜまだミュンヘン行きを承知してくれないんだ? 行きたいんだろう?」
 アディは唇をなめ、地平線に目を向けた。「どうしても欲しいものがあって、それがようやく手に入ることになって、うれしすぎて現実だと思えなかったことはある?」
 フリンは一瞬黙り込んでからうなずいた。「行くと言えばいいんだよ、アディ」
 アディは言われたとおりにした。「行くわ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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