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伯爵の愛人契約

伯爵の愛人契約


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ケイトリン・クルーズ(Caitlin Crews)
 ニューヨーク市近郊で育つ。12歳のときに読んだ、海賊が主人公の物語がきっかけでロマンス小説に傾倒しはじめた。10代で初めて訪れたロンドンにたちまち恋をし、その後は世界各地を旅して回った。プラハやアテネ、ローマ、ハワイなど、エキゾチックな地を舞台に描きたいと語る。

解説

 蔑まれ、屈辱を味わわされても、彼から離れられない。もう二度と。

親に虐げられて育った孤独なニコラにとって、イタリア伯爵の息子ジャンカルロと恋に落ちた2カ月は、愛と情熱に包まれたもっとも幸せな日々だった。なのに……金を無心する親に脅迫され、その幸せを自ら壊してしまった。ジャンカルロは怒り傷つき、彼女を裏切り者と責め立てた。10年後、ジャンカルロの母親の個人秘書として雇われた彼女は、かつて愛した人に再び罵倒される。「金目当ての欲得ずく」と。それだけでは気がすまない彼は、母親ともども、彼女をトスカーナの地所に連れていくと、屋敷に軟禁した。そして24時間、彼の慰みものになることを強いて……。

■しっとりとした大人の官能ロマンスに定評のあるC・クルーズ。サディスティックなまでに嬲られるヒロインの甘く切ない苦悩を描ききっています。かつて自分を裏切った女性に責め苦を与えるつもりが、逆に欲望をかき立てられてしまうヒーローにもご注目。

抄録

 ジャンカルロはほほ笑み、ペイジのなめらかな肌が粟立つのを見つめた。「そうだ。頻繁かつ情熱的に。どこでどんなふうにするかは僕が決める」
「冗談でしょう?」
「大真面目だ。だが、どんなふうに事が進むかをぜひとも試してみてくれ」
 ペイジが唇をかすかに震わせる様子は、演技とは思えないほど真に迫っていた。しかし、至近距離からだと、彼女の胸の頂がシルクのブラウスをつんと押し上げているのが見えた。そこでジャンカルロは気づいた。この女性は、僕との間に渦巻く欲望の前では、僕と同じくらい自制がきかなくなってしまうのだ、と。昔からいつもそうだった。かつてペイジが僕を恋人に選んだのは、僕が両親のおかげでハリウッドの特権階級に属しているからだ。しかし二人が互いへの欲望に歯止めをかけられなかったがために、事情は複雑化していった。とはいえ、彼女に同情する気はない。
「ジャンカルロ……」
 遮られてもいないのに、ペイジは言葉を切った。彼女の目が熱っぽく潤むさまに、ジャンカルロは脱帽した。この女性の演技はハリウッド女優ばりだ。
 けれど、僕はもう二度とペイジを信じたりしない。
 ジャンカルロが低い声で口にしたのは、彼女への最後通告だった。「君に残されている選択肢は二つだけだ。ひとつは、この家から即刻出ていき、君が辞めた理由と君がこの数年間母をだましていたことを、僕が母に伝える、というものだ。母は傷つくだろうが、君の心にまたひとつ黒い染みを残すことができる。その場合、母は君に罪を償わせようとするはずだ。母はああ見えて非常にタフだからな」
 ペイジの目が赤く潤んでいるのに涙がこぼれないのは、意志の力ではなく演技力ゆえだ。ジャンカルロは自分にそう言い聞かせた。
「もうひとつは?」
 ジャンカルロは肩をすくめた。「ここに残って僕の言うとおりにする、というものだ」
「性的な意味であなたに従えというわけね」ペイジは声を震わせはしたが、彼をまっすぐに見つめた。
 直視すればこちらが折れると思っているなら、彼女は僕が記憶している以上に愚かだ。ジャンカルロはにやりとした。「僕の言うとおりに行動する――それだけだ」そう言いきって悦に入ると、彼はペイジの顎の美しいラインを指先でたどった。たちまち激しい喜びが全身にみなぎる。続いてペイジの顎をつかんで上向かせ、可能なかぎり残忍なまなざしを注いだ。「僕のために働くんだよ、‘ペイジ’。仰向けになったり、ひざまずいたり、デスクの上にのったりして。僕が求めるときに僕が求める方法で僕が求めることをするんだ」
 ペイジが身震いしたのがわかり、ジャンカルロは内心で快哉を叫んだ。
「どうして?」ペイジは小声で尋ねた。「私の仕打ちを覚えていないの? なぜ私なんかに……」
 またもペイジの声が消え入る。彼女のまとっている鎧にひびが入っていくさまに、ジャンカルロは心を躍らせた。そして身を乗り出し、唇でペイジの唇をかすめ、彼女を試した。
 記憶にあるとおりだった。
 ペイジがあっと声をあげるや、二人の体内で、いつかと同じ情熱の炎が大きく燃えはじめた。あれほど悲惨な目に遭わされ、恥辱と怒りに苛まれていたのに、十年もの間これほど強く彼女を求めていたとは。僕が過去を吹っ切れなかったのはこのせいだ。相手がペイジでなければけっしてわき起こることのない、比類なき欲望のせいなのだ。けれど今回は、このまやかしの美しさに溺れたりはしない。
 彼女の魅惑的な体を利用し、目的をしっかり果たさなければ。かつてペイジはこの体を武器に僕をとりこにし、破滅させた。僕を裏切った代償を、可能なかぎりセクシーな方法で彼女に払わせなければ。二人の歴史が始まったこの場所で。それが果たせたあかつきには、僕はペイジの呪縛から解き放たれるだろう。あのときはほんの二カ月のつき合いだったが、今度は時間をかけてじっくりと熱い情事を満喫しよう。
「君の本性はわかっている」ジャンカルロは、ペイジが骨の髄まで震えるのを見るのが楽しくてたまらなかった。「君は僕を裏切った罪を、もっと前に償っていなければならなかった。それに、僕はすこぶる記憶力がいいんだ」
「後悔するわよ」ペイジは蚊の鳴くような弱々しい声で言った。
「君のせいでもう十年間も後悔しているよ、カーラ。そこに多少の後悔が加わっても、なんともないさ」
 ペイジがおののくのがわかり、ジャンカルロは背筋がぞくぞくした。というのも、すでに彼女の本性を知っているからだ。今回は失うものは何もない。ペイジと結婚したい、父から遺産として受け継いだトスカーナの土地で幸せに暮らしたい、などと夢見ることもない。彼女による贖罪を、骨まで溶かす熱い贖罪を、心ゆくまで堪能するのみだ。
「そんなことをしても無意味よ」
 ペイジが必死に懇願しているように聞こえるのは、そうあってほしいという僕の願望のせいだろうか?
「だって、あなたは私を憎んでいるんでしょう!」
「憎しみではない」ジャンカルロは暗い笑みを浮かべた。「教えてやろう。これは復讐だ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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