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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・コルトンズ

花嫁の策略

花嫁の策略


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・コルトンズ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 カレン・ヒューズ(Karen Hughes)
 結婚して夢を共有し、ともに年をとっていく男女の姿を書くことを得意とする。ロマンスは日常のなかに存在し、どの男性も自分にふさわしい女性との出会いによって、ヒーローになる素質があると信じている。広々とした場所に引かれる一方で、都会の喧騒や便利さも好む。過去の経験から、真実の愛はそこらじゅうにあふれていると語る。カレン・ローズ・スミス名義で作品を発表することが多い。

解説

シャイアンは母譲りの特殊な能力がある。物事を予知する“ビジョン”が見えるのだ。ある日心に浮かんだ男性の澄みきったグレーの瞳に、シャイアンは急いで映画館へと向かう。そして出てきた男性に驚いた。ジャクソン・コルトン――以前パーティで会って以来、忘れられずにいた男性だ。あのときとはまるで違う彼の暗い表情を目にして、シャイアンは悟った。運命が彼女に、ジャクソンを救うよう命じたのだと。

抄録

「シャイアン?」
 彼女が一瞬目を閉じてから振り返ると、ジャクソンはすぐそばに立っていた。彼の顔は月の光と影に覆われ、彼のつけているコロンの香りが冷たい夜気に乗って彼女のもとに漂ってきた。
「なに?」
「運よくきみに会えてうれしかった」ジャクソンはそう言いながら、指先で彼女の顎の輪郭をなぞった。
 彼にふれられて体に稲妻が走り、シャイアンは後ずさりしたくなった。しかし、後ろにさがりたくても、さがれなかった。車のサイドと開いたドアでつくられた小さなVの字のなかに、ジャクソンとともに囲いこまれていたのだ。
 シャイアンの息が震えた。運がよかったのではなく、彼女の能力が今夜ふたりを引きあわせたのだ。ここから先は運命が彼らを導いてくれるだろう。「あなたと話せて楽しかったわ、ジャクソン」
「話ができてよかった」ジャクソンはシャイアンの手を握りしめた。「あのパーティで、ぼくはきみの肌は見た目どおりにやわらかいのだろうかと思った。今夜、そうだとわかったよ。今は、きみの肌はその感触と同じくらいすてきな味がするのだろうかと思っている」月光が反射してグレーの瞳が輝き、ジャクソンは彼女のてのひらの真ん中に唇を押しつけた。「思ったとおりだ」彼はつぶやいた。
 シャイアンは心臓が喉もとまではねあがったような気がした。「わたしは思わないわ……」彼の唇がシャイアンの唇をかすめると、彼女の声はささやくように小さくなり、次第に消えていった。
「なにを?」ジャクソンが尋ねながら再び軽くキスをしたとき、シャイアンの頭に血がのぼった。
 彼女は欲望を長いあいだ抑えつけてきたので、男性を――たったひとりの男性を求めるというのがどういうことか忘れていた。「わたし……わからないわ……なにを考えたらいいか」
「ぼくもさ」ジャクソンが手をシャイアンの三つ編みの下に滑らせ、首のつけ根を包んだ。火照った体に、彼の指はひんやりと力強く感じられた。彼は彼女の息がかかるほどそばまで唇を近づけた。「考えるのはやめて感じるままにしてみないか?」
 やさしく、ゆっくりと、ジャクソンの唇がシャイアンの唇を包みこむと、濃厚な、とろけるような喜びが彼女の体のなかに広がった。彼女のまぶたが震えながら閉じ、両手から力が抜けた。車のキーが地面にあたって小さな金属音をたてるのが、ぼんやりと聞こえた。
「きみはぼくの心をかき乱す」ジャクソンは熱く、甘いキスをしながらつぶやいた。彼の指がシャイアンの首筋を撫でた。ビジョンに頼らなくても、彼女は彼の手が自分の体にどんな効果を及ぼすか、悩ましいイメージを思い浮かべることができた。
 シャイアンは両腕をあげ、指でジャクソンの肩をつかんだ。彼の筋肉は危険なほどにかたく盛りあがっている。灰の下でくすぶっていた炎のように、彼女のなかで情熱がよみがえった。シャイアンの唇は彼の唇の下で開き、受け入れ、求めた。
 ジャクソンが腕をシャイアンの腰にまわして自分のほうに引き寄せたので、彼女の体は前かがみになった彼の体にぴったりと重なった。彼の唇はさらに貪欲に求め、唇をより深く味わい、彼女にも同じことをするよう要求した。シャイアンは脚が震え、血管を駆けめぐる血のうなりが頭のなかで響いている気がした。喉の奥から低いうめき声がもれ、欲望の魔力に理性が失われていく。
 まるでかぎ爪につかまえられたかのように、シャイアンはしっかりと欲望にとらえられた。ジャクソンの唇は彼女を攻め続けて分別を失わせ、秘密を守ろうとする警戒心の厚い壁を突き崩していった。
 シャイアンの朦朧とした頭のなかで警報が鳴った。
 自分を見失うまいとする意志が快楽を求める心に打ち勝った。わたしが今夜ここに来たのはキスされるためではない。今、わたしの心を奪おうとしている男性が窮地に立っていると知り、運命に導かれて彼のもとに来たのだ。
「やめて」シャイアンはジャクソンの肩に指を食いこませた。「ジャクソン、だめよ」
「なぜ?」唇を彼女の顎へと滑らせ、彼女の喉に這わせながら、ジャクソンは不満げにつぶやいた。
「だって……わたしは」シャイアンは手でジャクソンの胸を押した。息を震わせながら彼を見つめた。体じゅうに鼓動が響いている。「だって……」彼女はなんとかかすれた声でささやいた。
 ジャクソンは荒い息をついた。「さぞかしもっともな理由だろうね」
「わたし……」シャイアンはぼんやりと手を振った。「わたしたち、お互いのことをなにも知らないわ」
 ジャクソンはゆっくりと、力強くほほえんだ。「だから知ろうとしているところではないのかな」
 彼が手をのばして頬にふれると、シャイアンは頭を引いた。「もう行くわ。今すぐに」
「こんなに強引になるつもりではなかったんだよ」ジャクソンは心配そうな目つきでシャイアンの顔をじっと見つめながら、かがみこんでキーを拾い、立ちあがった。「とにかく、きみのことがずっと忘れられなかった。まだ信じられないよ、きみが今夜ここにいるなんて」彼女にキーを渡し、指を彼女の手の上で滑らせた。「ぼくと一緒に」
 シャイアンはジャクソンを見つめた。遠くの街灯から届くほのかな明かりが、とてつもなくハンサムな彼の顔を際立たせている。下唇を噛みしめると、口のなかに彼の味がよみがえった……そして新たな欲望のうねりが体のなかにわき起こり、再び膝から力が抜けた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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