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和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>弁護士・検事
![[オリジナルSS付き]穢れなき虜囚](http://img.ebookbank.jp/sc/item/cover/1-347580-c200.jpg)
著者プロフィール
牧山とも(まきやまとも)
8月31日生まれ。乙女座。B型。
よろしくお願いします。
8月31日生まれ。乙女座。B型。
よろしくお願いします。
解説
若きエリート弁護士・葛城直純の遺伝子学上の父親である大物政治家・音羽惣一郎が亡くなって発覚した、惣一郎の長男と三女が二十三年前に犯した禁忌の子供・漣の存在。この禁忌を知った直純は、漣を利用した音羽家への復讐を企てる。だが直純には誰にも愛されず鎖で繋がれて監禁生活を強いられてきた漣を巻き込むことに躊躇する気持ちもあり……。愛を知らない禁忌の子供と復讐鬼、ふたりの間に芽生えたものは?
文庫版特典SSを改題改稿収録。
※こちらの作品にはイラストが収録されています。
尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。
文庫版特典SSを改題改稿収録。
※こちらの作品にはイラストが収録されています。
尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。
目次
穢れなき虜囚
甘い罰
甘い罰
抄録
「きみは、男とセックスがしたいのか」
「……っ」
「誰でもいいから、とりあえず、俺で間にあわせると」
「ち……」
違う。そんなこと、考えもしていない。誰でもいいわけなんてなかった。
相手が直純だからこそ、直純でなかったら、怖くて言いだせなかったのに。
どう言えば、きちんと伝わるのかわからずに、漣が途方に暮れる。他人との意思疎通すら不慣れな自分が、歯痒くももどかしかった。
込みあげてくる感情を抑えるせいで、のどの奥が痛い。泣いたら、彼をさらに不愉快にさせるだけだとわかっているのに、堪えきれない想いが水滴となって溢れた。
慌てて俯き、漣は唇をきつく噛みしめる。
皿の中に涙がはらはらとこぼれ落ちたが、顔をあげられない。
直純が、ひとつ大きく息をついた。やはり、不快にさせたかと身を縮めて謝ろうとした矢先、視界の端に彼の手が入った。そして、漣の顎を軽く掴んで上向かせられる。
「ぁ……」
まともに視線が絡んで、いちだんとうろたえた。咄嗟に下を向こうとしたが、直純がそれを許してくれなかった。
切れ長の双眸に射すくめられて逃げ場を失い、瞼を閉じる。
「反論があるなら、泣いて黙りこまない。言いたいことは遠慮なく言っていいと、いつも言って聞かせてるはずだ」
「……っ」
さきほどより幾分やわらいだ口調の彼に、おずおずと目を開いた。
「……っ」
「誰でもいいから、とりあえず、俺で間にあわせると」
「ち……」
違う。そんなこと、考えもしていない。誰でもいいわけなんてなかった。
相手が直純だからこそ、直純でなかったら、怖くて言いだせなかったのに。
どう言えば、きちんと伝わるのかわからずに、漣が途方に暮れる。他人との意思疎通すら不慣れな自分が、歯痒くももどかしかった。
込みあげてくる感情を抑えるせいで、のどの奥が痛い。泣いたら、彼をさらに不愉快にさせるだけだとわかっているのに、堪えきれない想いが水滴となって溢れた。
慌てて俯き、漣は唇をきつく噛みしめる。
皿の中に涙がはらはらとこぼれ落ちたが、顔をあげられない。
直純が、ひとつ大きく息をついた。やはり、不快にさせたかと身を縮めて謝ろうとした矢先、視界の端に彼の手が入った。そして、漣の顎を軽く掴んで上向かせられる。
「ぁ……」
まともに視線が絡んで、いちだんとうろたえた。咄嗟に下を向こうとしたが、直純がそれを許してくれなかった。
切れ長の双眸に射すくめられて逃げ場を失い、瞼を閉じる。
「反論があるなら、泣いて黙りこまない。言いたいことは遠慮なく言っていいと、いつも言って聞かせてるはずだ」
「……っ」
さきほどより幾分やわらいだ口調の彼に、おずおずと目を開いた。
本の情報
形式

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