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初まりは口づけから〜運命のキスは呪いのキッス!?〜

初まりは口づけから〜運命のキスは呪いのキッス!?〜


発行: アンジェリカ
シリーズ: アンジェリカ
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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解説

web発! 恋と魔法とファンタジー×TLノベル!

奴隷商人を追って、ある夜会に忍び込んだ侯爵令嬢のアナスタシア。そこには貴族令嬢に囲まれる王太子殿下、ヴェルトランディオの姿が。情報収集のため、アナは魔石と双子の兄フェルナンドの魔法と睡眠薬で殿下も眠っていただくことに。が、目覚めたヴェルトランディオにアナは婚約者と間違われてキスされてしまう。ファーストキスだったのに?! 遊び人王太子に奪われた!! ショックを受けるアナだったが、災難はそれだけでは終わらなかった。突然肌に浮かび上がった痣の意味とは!?

抄録

 アナスタシアの心臓はシャンパングラスを差し出した時よりも、先ほど見つめられた時よりも、強く速くバクバクと鼓動し、喉から出てきそうだ。もしも悪魔が存在するのならば、飛び出た心臓を担保にこの状況を打開する契約を結ぶだろう。
 そんな馬鹿なことを考えている間にもヴェルトランディオの手はアナスタシアの身体をすべり、なぜかギュッと抱き締めてきた。
 ま、ま、ま、ま、まさかそこに寝ている美女の代わりに俺を受け止めろとか言われるんじゃないでしょうね!?
 そんなの無理無理無理無理!!
 ぎゃ――――っ!! そうこうしてる間に手っ、てっててててて、左手がむっ、むっむむむむむ、胸に――――っ!
「……リス」
 混乱を極めるアナスタシアとは対照的に、ヴェルトランディオの声はトロンと無防備なものだった。しかし混乱からパニックに陥っていたアナスタシアには、「薬」と言われた気がしてさらにパニクった。
 バレてた!! バレてたよっっ!!
 やばいやばいやばいやばい!!
 ひたすらパニックの階段を上るアナスタシアだったが、ヴェルトランディオの右手がおもむろに頤を捉え、ぐいっと左上を仰がせた。
 おわっっっ、綺麗な顔!! ひぃぃぃ―――! 鼻血噴きそう!!
「……クリ、ス」
 ………………ク、リスって。
 一瞬でアナスタシアはすべてを理解した。
 あぁ、そういうことかと安堵し、硬くした身体を少し緩める。
 目の前のヴェルトランディオは間違いなく眠っているようだった。いや、手が動き何やらゴニョゴニョしているので、確実に寝ているとは言いがたいが、少なくとも睡眠薬は効いているようだ。
 それに『クリス』という名にも聞き覚えがある。
 確かヴェルトランディオの許嫁はクリスティーヌ=クラレンスといった。まみえたことはないが、≪薔薇姫≫の通り名を持つほど可憐で清らかなご令嬢らしい。
 目も眩む美貌を間近にしながらアナスタシアは漠然と、自分は彼女と間違えられて腕に抱かれているのだと察した。
 ヴェルトランディオがクリスティーヌ嬢を溺愛しているのは周知の事実だ。愛する人を抱いている夢でも見ているのだろう。
 つい先ほどまでは玩具を使い己を慰める令嬢たちをどこか冷めた目で見下ろしていたくせに、夢の中では愛する婚約者と逢瀬とは……いやはや呆れるというか、純愛と感心するというか。
 確か、クリスティーヌ嬢はアナスタシアと同じ年齢だったはず。彼女は幼い頃にヴェルトランディオの許嫁になり、ゆくゆくは王妃の座が約束されている。しかしそんなクリスティーヌ嬢をアナスタシアは不憫に思っていた。
 女遊びの激しいヴェルトランディオの嫁になるからだけではない。
 王妃になりこの国の女性のトップになれば、華やかで煌びやかな生活は保証されるだろうが、同時に窮屈で堅苦しい牢獄に入るも同然だ。
 加えてさらに、クリスティーヌ嬢には魔力がないと聞く。その事実は彼女の地盤を確固たるものにできないだろう。
 現に夜会で令嬢たちがヴェルトランディオに群がるのは、クリスティーヌ嬢に魔力がないことも原因の一端だと思う。要は、女たちはクリスティーヌ嬢をなめているのだ。
 今はヴェルトランディオに愛されているが、どうせいつか飽きられるだろうと侮っているのだ。
 そんな女たちのあざとい心を何もかも理解した上で、彼女たちを蔑みつつ、ヴェルトランディオは精を放っているのかもしれない。
 断言しよう、一番鬼畜なのは彼だ。
 だがしかし、そんなことはアナスタシアには関係ないことで……それよりもこの状況を打破しなくちゃ。とにかく、無理に引き剥がして眠りが浅い彼を起こすきっかけになるのだけは避けなければいけない。
「んん……」
 思い悩んでいると、どこか甘みのある寝言を漏らし、ヴェルトランディオがアナスタシアを引き上げた。彼の鍛えられた左腕によって簡単にアナスタシアの身体は上がっていく。
 仰向けになっているせいで、抵抗しようにもできない。彼の身体の上を通るようにずりずりと動かされ、アナスタシアの胸が高鳴った。
 美しすぎる綺麗な顔が目前に迫り、ドキドキする気持ちを止めることができない。彼の右手によって顎は固定されているので、顔を背けることも叶わなかった。
 鼻血を噴いて彼の綺麗な顔を自身の血で汚してしまいそうになるのを、グッと堪える。
 鼻血が出そうになったのは、恐ろしいほどの美しい顔に目が潰れてしまわないための自己防衛だ、きっとそうに違いない。鼻の奥が一瞬キーンと痛くなったが、気合で噴出させるのを堪えた自分を誰か褒めてほしい。
 彼の吐息を唇に感じたが、嫌になることに、それが不快ではない。本日何度目かの、イケメンって本当に得……を繰り返し、般若心経を唱え、必死で鼻血を噴き出してしまわないように堪える。
 ヴェルトランディオを起こさずにその腕の中から逃れることが、アナスタシアにとって最重要事項なはずなのに、美しすぎる顔と突然の抱擁に頭が真っ白だ。婚約者と間違えているようだけど、この際それはどうでもいい。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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